バルトの「それは=かつて=あった」の文法の時制について

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@meosu7

二日かけて読んだ:Michael Fried, "Barthes's Punctum." Critical Inquiry 31 (2005): 539-74. 主著『没入と演劇性』での概念「反演劇性」とバルトのstudium/punctumとの関わりあいが論文の前半。

2010-10-23 23:25:21
@meosu7

フリードについて勘違いしていたようだけれど、「演劇性」の対立項が「反演劇性」であるのはその接頭辞からして当然であるにしても、「没入」もまた「演劇性」の対立概念となるわけじゃないようだ。少なくとも、この論文では。

2010-10-23 23:27:30
@meosu7

フリード論文後半(p.564 a further dimension of Barthes's antitheatricalism以降とする)は、正直、議論がごちゃごちゃ。

2010-10-23 23:30:02
@meosu7

ただ、「こちらを向いている写真へのバルトの執着と「反演劇性」との兼ね合いは?」という問題設定は面白く、というか、ここから論文を始めるべきで、前半はもっと刈りこむべきと思う。

2010-10-23 23:31:40
@ttt_ceinture

@meosu7 くっ、邦訳があるのにわざと原著を選ぶとは。ぐぬぬ

2010-10-23 23:31:04
@meosu7

ともあれ、脚注にはa book-in-progressが二冊あるようなので、楽しみ(と思ったら何か飛んできたよww)

2010-10-23 23:32:04
@meosu7

えー、だって、手に入らなかったんだもん(と子供っぽく) 正直、フリードの英語、たまにひどく一文が長くなることがあって、疲れます。 RT @ttt_ceinture: meosu7 くっ、邦訳があるのにわざと原著を選ぶとは。ぐぬぬ

2010-10-23 23:34:49
@ttt_ceinture

@meosu7 使ってる語句は平易だけどなんか読みにくいよねフリード。

2010-10-23 23:38:52
@meosu7

@ttt_ceinture 脚注もいちいち長くて、いくつかパスしました。『photographers' gallery press』での城丸さんの訳業は率直に凄いと思います。

2010-10-23 23:50:06
@meosu7

フランス語、ちっとも分からないけれど、バルトの「それはかつてあった」の英訳 "that-has-been" て何か違和感あるんだけれど。

2010-10-24 00:23:35
@meosu7

現在完了って、しょせんは現在時制だものねえ。これ、手元にある文法書(江川泰一郎『英文法解説』という受験英語売り場にあるものだけれど)によれば「過去の出来事や状態が、なんらかの点で現在とつながりを持っていることを示す動詞」とあって、過去~現在のリンクが保証されるんだけれど、

2010-10-24 00:26:45
@meosu7

「写真」の時間は不定過去、と『明るい部屋』37節にあって、「現在とつながりをもたない絶対的な過去」と注釈があり、完了過去(現在とつながりを持つ過去)と対比されているんだけれど、いわゆる英語の現在完了って、後者、仏語でいうところの完了過去になってしまうような。

2010-10-24 00:28:36
@meosu7

『エクリチュールのゼロ度』の時制~文体論から『明るい部屋』の「それはかつてあった」まで、仏語文法の基礎くらいはないとダメなんだなぁ。

2010-10-24 00:31:07
@ttt_ceinture

梅木達郎「現前という狂気 ロラン・バルト『明るい部屋』再読」(1994) http://hdl.handle.net/10097/34399 を読んでいる。

2010-10-24 00:58:05
@ttt_ceinture

紀要論文かと思ったら再載されてたの。RT @helpline 『『明るい部屋』の秘密』(青弓社、2008.8)に収録されてる論文ですね。「明るい部屋」はよくわからない構成と言われることが多いですが、その辺りうまく読み解いてくれている// http://p.tl/ITlF

2010-10-24 01:12:53
@meosu7

ぱらぱらと:Margaret Olin, "Touching Photographs: Roland Barthes's 'Mistaken' Identification." Representations 81 (2002): 99-118.

2010-10-24 02:14:25
@meosu7

デリダのバルト追悼文、もともとは『GSたのしい知識』に訳載されたもので、これを友人に読ませてもらったときに当時自称バルト好きの僕はスターバックスあたりをおごった記憶があるんだけれど、

2010-10-24 02:23:09
@meosu7

いまは、追悼文集『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉』で単行本化されたのか。素晴らしい。こちらは國分功一郎さんの訳のようです。「ロラン・バルトの複数の死」。読もう。バルトが「死」を話題にするとき、「それは・かつて・あった」の時間性がよりいっそうややこしくなっているし。

2010-10-24 02:25:13
@ttt_ceinture

@meosu7 『明るい部屋』を忘れていたので慌てて読んでますけど"that-has-been"は英語圏バルトの定訳語になっているようですね。37節ではたしかに完了過去と不定過去(アオリスト)の対比がありますが、アオリストはギリシア語文法で、仏語では単純過去に近い扱いなのだとか。

2010-10-24 01:02:25
@meosu7

@ttt_ceinture 英語定訳、不定過去(仏語ではなくギリシア語文法)と勉強になりました。

2010-10-24 01:11:18
@ttt_ceinture

@meosu7 バルト原著はちっとも持ってないので、「それが=かつて=あった」の原語を把握するのに遅れたんですが、ぐぐりまくった結果、どうやら"Ça-a-été"の様子。複合過去で表記されてますね。かといって"that-was"だと、また別の誤解生じそう。

2010-10-24 01:22:16
@ttt_ceinture

@meosu7 「完了過去」という言い方も仏語文法では普通じゃないしアオイストを不定過去と置いたのに合わせた訳語じゃないかと。パルフェとルビ振ってあるしparfait(ラテン語・ギリシア語文法で「完了」を指す)かと。仏語文法だとparfaitは単純過去と複合過去の枠らしいですが。

2010-10-24 01:26:45
@meosu7

いやぁ、難しい。いろいろ教えていただのに。

2010-10-24 01:46:55
@ttt_ceinture

仏語と希語ができるよぬすさんがいないのが悔やまれる

2010-10-24 01:29:58
kmrt @kmrtwit

@ttt_ceinture 哲学用語としてではなく、ふつうの文章としてのca a eteは、that has beenが直訳として使用されますね。映画の字幕とかでは特に。関係ないかもしれませんが、参考までに。

2010-10-24 01:45:40