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「科学vs.科学」によせて

…岩波“科学”2月号特集:科学的助言:科学と行政の間“「科学的助言」の政治学”尾内隆之 の第4章「科学vs.科学」 平川秀幸 @hirakawah さんのつぶやきをまとめました
政治
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Hideyuki Hirakawa @hirakawah
「科学的助言:科学と行政のあいだ」を特集した今月の岩波『科学』掲載の尾内さん @tkonai 論文、「(原発敷地の活断層問題をめぐる)科学vs.科学」の話でふと思ったのは日本の規制行政における科学と行政の関係に関する「BSE問題以前・以後・311以降」という時代区分。(続く
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)まず「BSE以前」というのは科学が行政に埋もれており、政治的意向が科学的見解を都合よく使ってたのが普通だった時代。「行政の隠れ蓑としての審議会」政治の時代。BSE問題でも科学者による重要な指摘が無視された歴史がある。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)そういう歴史が2001年9月の国内BSE発生をきっかけに顧みられ、リスク管理(行政)からの科学的なリスク評価の独立性や透明性を高め、評価(科学)と管理(行政)の責任を区分けすることを狙って「リスク評価/リスク管理/リスコミ」から成るリスク分析の体制が2003年に導入された。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)具体的にはリスク評価機関である食品安全委員会を、リスク管理機関である農水省・厚労省から独立した組織とすることで「科学と行政の分離」を果たした構図。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)リスク分析における科学と行政の関係については、食品安全委員会プリオン専門調査会第25回会合(H17.5.31)での議論が画期的に興味深い。 http://t.co/K1wuTncqYi に議事録があり、その様子が読める。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)そこでは「科学の行政からの独立性」の一方で、切り離しすぎはどうなんだ?科学から行政への働きかけは時に必要ではないのか?科学で決めきれない場合は最終的には国民やステークホルダーとのリスクコミュニケーションを通じて政策決定すべきでは?などリスク論的に実にホットな議論が展開された。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)つまり、「正しい科学的知見→正しい政策」という科学的助言のリニアモデル(そしてその実態は行政が科学を隠れ蓑にして責任転嫁する構図)を超えて、科学(リスク評価)と行政(リスク管理)と国民(リスコミ)の関係が分節化されたのがポストBSEの段階。(勿論、大部分は旧態依然なのだが。)
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)このような意味でBSE問題は科学と行政の関係について画期的出来事だったのだが、ただしその段階では、「科学」はほぼ「シングルボイス」的に位置づけられていた。食安委の議論を詳しく見れば必ずしもそうではないが、政治的焦点は「科学」と行政・国民の関係であり科学内部の対立ではなかった。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)これに対して科学内部の対立が大きく焦点化されたのが、尾内さんが論じている活断層問題である。原子力規制の歴史的文脈でいえば、かつては「国・事業者の科学vs.反対運動の非科学」というかたちで法廷でも扱われてきたものが「国の科学vs.事業者の科学(または工学)」となった。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)こうした対立をどう扱うか。以前であれば委員会に集められた専門家同士の議論を通じて結論を出すというくらいで済んでいたものが、対立ある科学を扱うためのメタな次元(ガイドラインや制度など)からの取り組みが必要なものに扱いが変わる。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)裁判にしても、かつては先述のように「国・事業者の科学vs.反対運動の非科学」というかたちで突っぱねていられたが、国と事業者がガチンコで科学論争するという構図は、少なくとも日本の裁判所は未体験ゾーンであり、これまで通りのやり方では裁判は成り立たない。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)裁判官に対する専門的助言体制や共同事実確認、コンカレントエビデンスなど、システムや慣習レベルでの変革が必要となる。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)さらにいえば対立しているのは実は科学と科学ではない。さっきもカッコ書きしたが「科学(理学:経済性などは無視して判断)」と「工学(経済性なども考慮して判断)」の対立という面もあるし、さらには(より一般的には)利害関係の対立だってある。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)そうした不確実性など科学の面での問題に加えて、価値規範・利害という社会的な面での問題をどう扱うかは、尾内さんのと同じく『科学』今号掲載の拙論で取り上げた「ポスト・ノーマルサイエンス(PNS)」やそれをガイドラインとして適用したオランダ環境評価庁の話になる。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)ついでにいえば科学の「不確実性」はリスク論争では政治的なカードとして使われることが多い(水俣病など数多の実例)という話も拙論では書いた。科学的・技術的論争が実は政治的論争の代理戦争になっているという構図。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)また、紙幅の関係で拙論では割愛したのだが、本来は合意形成など政治的に扱わねばならないことを科学的・技術的論争にすり替える(民主主義と政治を厭うて科学に逃げる)政治性もあったりすることは、311以降、子ども被災者支援法関連や規制委の「帰還に向けた…」の議論に垣間見える話。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
続)なお、以上、時系列的に見てきたけど、例えば「BSE以前」の問題が解消されたわけでは全然ない。時代が進むにつれて重層的に問題が生々しく顕在化してきてるたけで、エネ庁のエネルギー計画の委員会のような「復古主義」も安倍政権の下で広がりつつある。そういう意味で前途は非常に暗い。
Hideyuki Hirakawa @hirakawah
とりあえずおしまい。離脱します。

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