#完全ノープラン艦これ与太話 【レッド・インセイン・オンスロート】　#3～#4

春魔解丼 @vespiking

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#完全ノープラン艦これ与太話 【レッド・インセイン・オンスロート】#3 #KZNPLN

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（これまでのあらすじ：西方海域カスガダマ沖にて確認された駆逐艦『卯月』の艦霊を求め、工廠長霧島の指揮の下招集された『霧島艦隊』は同海域最前線へと突入する！だが敵艦隊の不意打ちを受け、熊野が右腕を切断！重傷！） #KZNPLN

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（だがやられるだけの霧島艦隊ではない！山城と夕張の共同戦線により敵突撃部隊の撃滅に成功！時を同じくし、金と赤の螺旋状光線兵器めいた光の矢となった時雨と夕立が、後方の敵本隊へ強襲！敵陣中央にて敵旗艦を挟む！周囲には敵巡洋艦郡！最高に素敵なパーティの始まりだ！） #KZNPLN

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「ＪＹＡＡＡＡ！！」夕立の背後から軽巡洋艦が襲い掛かる！纏うは時雨と同じ金の光！flagship！「ギィイイイィィ！！」およそ艦娘とは思えぬ唸り声とともに、夕立の背部艤装が禍々しく展開する！艤装内部から黒い触手が生え、軽巡flagshipの装甲を貫く！恐怖！ #KZNPLN

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敵軽巡を捕えた夕立の暗黒触手は有機的に脈打ち、絡み付き、軽巡の腕部と同化して……そのまま引き摺り込む！「ＧＵＡＡＡＨＨ！！」ナムサン！敵はまだ生きている！生きたまま背部艤装の禍々しき大口に喰らいつかれ、両の腕は暗黒触手に侵食される！ #KZNPLN

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背部から恐るべき暗黒大腕を生やした夕立は前傾姿勢となり水上を駆ける！艤装ごと正中で分断されたハンモックが、軽巡のドス黒い血飛沫で断続的に染め上げられていく！いっぽう背の暗黒触手はさらに増え、腰に吊った左右の主砲を掴む！破壊神の威容！ #KZNPLN

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破壊神夕立の暗黒鹵獲大腕が別の敵軽巡を掴み、隣の敵重巡へタタキ付ける！脊髄粉砕！両艦とも即死！さらに左右からの挟撃をこころみた雷巡2隻へ主砲を同時斉射！連撃！さらに連撃！蜂の巣だ！背部艤装からは魚雷が絶え間なく飛び立ち、後方からは爆音と断末魔の狂想曲！ #KZNPLN

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その悪夢的光景をあたかも日常風景のごとく眺める時雨はしかし、眉一つ動かさぬ冷酷な鉄仮面で両手の大口径砲を操る！試合前のカラテ演武デモンストレーションのような機械的かつ儀式的な所作で、だがしかし実際に襲い来る数多の敵艦を的確に殺害！殺害！さらに殺害！ #KZNPLN

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前方に迫る敵旗艦たる戦艦ル級！大将首のデリバリー・サービスだ！両手の大口径砲をくるりと回し、突き出す！ＢＬＡＭ！左腕艤装でガードし右腕艤装を叩き付けにかかる！クロスカウンター！だが時雨は反動でバックフリップ回転しこれを回避！空中で左右へ砲撃！敵軽巡2隻撃沈！ #KZNPLN

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敵巡洋艦郡全滅！敵戦艦後方より破壊神が強襲をかける！腕艤装の砲塔で応戦するが、「ゴアアアァァーーーッ！！！」明らかな直撃弾にも怯まぬ！狂気！3本の左腕が腕艤装を掴み、おそるべき怪力で……捻じ壊す！あまりの圧力に耐え切れず鹵獲軽巡腕が破裂！意に介さず！右腕を構える！ #KZNPLN

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先んじて突き出されたのは残る鹵獲軽巡腕！否！鹵獲した本体ごと捻じ込む！破裂！続けざまの砲撃！砲撃！そして、渾身の右ストレート！「ＡＡＡＨＨＨＧ！！！」戦艦の巨体が吹き飛ぶ！その先には……黄金の光！時雨！ #KZNPLN

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飛んできた船体へ、両手の砲撃とシンクロした冷酷なコンビネーション打撃を叩き込む！その数、0.5秒間の接触でゆうに7連撃！砲撃を含めれば14連撃だ！水面に倒れ伏した戦艦を片脚で踏みつけ、「君達には失望したよ」ＢＬＡＭ！頭部破砕！ #KZNPLN

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その砲撃音と同時に、糸が切れたように夕立が崩れ落ちた。時雨が駆け寄って抱きとめる。禍々しい暗黒触手は既になく、遊び疲れた子供のような、あどけない寝顔で気を失っていた。「ありがとう。おつかれさま」 #KZNPLN

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【ＫＡＮＺＥＮ 　ＮＯＰＬＡＮ】

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◆再開な◆【ＫＡＮＺＥＮ　ＮＯＰＬＡＮ】◆続◆ #KZNPLN

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その砲撃音と同時に、糸が切れたように夕立が崩れ落ちた。時雨が駆け寄って抱きとめる。禍々しい暗黒触手は既になく、遊び疲れた子供のような、あどけない寝顔で気を失っていた。「ありがとう。おつかれさま」　#KZNPLN

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「アア、ア、アア……」磯波はへたり込んだまま半開きの口をぱくつかせ、黒目を侵食する白目が涙になって溶け出している。危険な恐慌状態だ！「夕張！熊野はどうだい！？」「こっちは大丈夫！ダメコン完了！」「岩礁で少し休もう。熊野の怪我も心配だ」時雨は磯波に向けて言った。 #KZNPLN

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一行は岩礁に隠れて休息をとる。完全に敵の領海内であるが、先の交戦で前線部隊を全滅せしめたのが大きかった。霧島の選んだ突入ルートは警戒が比較的手薄であり、混乱した索敵系統の隙につけこむ事ができた。「具合はどう？」「大丈夫……ですわ！」残った左肩で息をする熊野。 #KZNPLN

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熊野のダメージは中破規模で踏み止まっている。夕張の処置が迅速だったのが幸いした。飛行甲板も無事だ。まだ辛うじて戦闘は可能だろう。より危険なのは、磯波。 #KZNPLN

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磯波は今回の作戦において、自身が数合わせである事をある程度認識していた。だが先の戦闘において、彼女は自身の境遇を改めて認識したのだろう。自分はこの場に相応しくない。任務中という緊張感で辛うじて保持されていた彼女の心は、支えを失って恐怖に呑み込まれた。 #KZNPLN

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うずくまってガタガタと震える磯波の横に、時雨が優しく腰掛けた。「ヒッ」磯波の身体が少し跳ねる。「ごめんね、恐かったよね。仕方がないよ。夕立は少し、歯止めがきかない所があるんだ」時雨は磯波から距離を保ち、視線を向けずに話した。「昔はもっと、大人しかったんだけどね」 #KZNPLN

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「夕立はね」時雨はすやすやと眠る夕立の喉を撫でた。幸福感のある音がした。「昔、目の前でね。姉妹艦、亡くしてるんだ。僕の妹なんだけどね」伏し目がちに時雨がつぶやく。「村雨。夕立の双子のお姉さん」その声は磯波ではなく、時雨自身に向けられたように思えた。「演習中の事故」 #KZNPLN

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「昔の夕立も、今ほどじゃないけどね。やっぱりたまに、きかなくなってたんだ。ブレーキ。それで演習中にね。きっと何かスイッチが入っちゃったんだろうね」時雨の声が少し震えて、すぐに戻った。「村雨と一騎打ちになって。双子だからね。やっぱり対抗心とか、あったのかな」 #KZNPLN

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「僕は少し離れた所で戦ってたから、すぐに気付けなかったんだ。元々、あのふたりだと、夕立が一方的になりがちだった」ぎゅ。何かを食いしばる音がした。「何で止められなかったんだろうって、未だに思うんだ。止めたんだけどね。間に合わなかったんだ」 #KZNPLN