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集団的自衛権を巡る解釈改憲

法学たんと国際法学たんとのコラボ企画です。 法学たん部分に、行政法たんから(勝手に)補足を入れました。 目次  1 憲法解釈の変更(法学たん)  続きを読む
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国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

実はこのような発想は、国連憲章の起草過程においてもあったとされとるわ。つまり、集団的自衛権というものを考える際にも、このような考慮があったんやなー。

2014-02-15 00:24:29
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

そもそも、自衛権の規定は、ダンバードン・オークス提案までは存在せず、サンフランシスコ会議においてはじめて挿入されたものなんやなー。

2014-02-15 00:30:36
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

何故かというと、そもそも書かなくても「国家は自衛として行動する固有の権利を有している」という米国の見解のように、条約以前の権利として考えられていたからやなー。

2014-02-15 00:33:22
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

その証拠に、戦間期にできた戦争を違法化する条約の中には、自衛権の存在は書かれていなくても、当然の前提としてあったわけやからなー。これはアメリカの不戦条約に関する解釈の中でも主張されてたことやなー。

2014-02-15 00:37:31
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

侵略を定義すると、自衛権は「侵略に対抗する権利」であるから、発動のための先行行為は決まってくる。侵略の定義は、つまり自衛権の範囲の決定でもあるわけやなー。

2014-02-15 00:50:19
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

そもそもこの侵略の定義は、各国による共通理解というものがないから、確定できんわけやなー。だから自衛権も実は範囲が不明確になる。ゆえに条約で定義でけへんかったわけやなー。

2014-02-15 00:53:49
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

侵略という概念の定義は、ラインラント協定や不戦条約ではもはや放棄されてしまったけれども、侵略国の定義議定書草案などは、「自動適用の絶対的に厳密な定義」という判断枠組によって、侵略を定義しようとしたわけやなー。

2014-02-15 00:57:34
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

けれども、そういう定義は単純な場合には適用可能やけれども、グレーな場合では機械的に適用でけへんからなー。そして、それにさえ当てはまらなければよい、と考えられてしまうと、かえって有害にもなるわー。

2014-02-15 01:02:39
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

だからいまだに侵略の定義というのは、実は幅があって、厳密には定まらんわけやなー。戦後にできた侵略の定義に関する決議も、実は安保理の裁量によって、そこには書いてない行為であっても侵略を構成すると決定できるわけやなー。

2014-02-15 01:07:22
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

まあ、それだけ「侵略」という概念は定義が難しいわけやなー。ただ、侵略の定義に関する決議で定義された行為は、先の「重大明白な侵略」といえるような行為ではあるけどなー。

2014-02-15 01:10:02
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

つまり、こういうあからさまな場合は侵略と認定できるわけやなー。こういう場合は誰もが侵略であると判断できるわけで、そのような場合にのみ、集団安全保障によらない集団的措置、つまり集団的自衛権とその先駆は発動するべき、と考えられとるわけやなー。

2014-02-15 01:14:03
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

そして話を国連憲章の起草過程に戻すと、米国12日草案は、個別的自衛権の発動要件を「侵略」に、集団的自衛権の要件を「武力攻撃」とし、武力攻撃を「侵略の明白な場合」と定義したわけやなー。

2014-02-15 01:18:23
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

個別的自衛権よりも、集団的自衛権の要件を重くし、後者の発動を限定しようとしたんやなー。これは、先に説明した区別と同じ構造になるわけやー!

2014-02-15 01:20:44
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

しかしながら、国連憲章の51条では、この区別は消滅しとる。両方とも要件が「武力攻撃の発生」になってしまい、侵略という文言も消滅してしまったわけやなー。

2014-02-15 01:22:32
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

今となってはこの区別が存在するかどうかは不明確になってしまったなー。そして、この武力攻撃という概念はいかなるものなのか? という問題が新たにでてきたんやなー。

2014-02-15 01:25:16
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

しかしながら、この武力攻撃というのは、起草者達の考えを考慮するならば、結構重い要件やと考えられるなー。

2014-02-15 01:29:07
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

ニカラグア事件におけるICJ判決においても、一国の正規軍による越境攻撃、又はそれに準ずる攻撃という水準の攻撃を「武力攻撃」とみなされてるわけやから、かなり重い要件であるとは言えるなー。

2014-02-15 01:33:40
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

(ちなみにニカラグア事件は、アメリカによる集団的自衛権行使が否定されて、アメリカが敗訴した事件というなー。ちょっと皮肉やなー)

2014-02-15 01:35:17
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

結論としては、集団的自衛権という権利は集団安全保障を補完する重要な権利ではあるけれども、その恣意的な行使は集団安全保障を破壊し、平和を破壊する危険を持つという事。

2014-02-15 01:40:29
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

そして、その危険性を除去するために、発動要件が個別的自衛権のそれよりも重くしようとする動きが、国連憲章以前の戦間期にあっても存在し、憲章の起草過程でも考慮されていた事。

2014-02-15 01:42:02
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

そして戦後のニカラグア事件においても、集団的自衛権の発動要件である「武力攻撃の発生」は、かなり高水準な武力行使の発生として考えられていて、被害国による宣言や支援の要請といった要件まで加重されていたりと、恣意的な行使を抑制するような判断がなされている事。

2014-02-15 01:46:12
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

以上の事から、集団的自衛権というものは、国際法上、恣意的な行使ができないように要件が厳しく定められているのであり、実は正しく行使するにはハードルの高い権利であるといえるなー。

2014-02-15 01:48:59
国際法学たん(VR化は未定) @kokusai_law_tan

一般的に考えられているよりも、集団的自衛権の要件は厳しいのであって、安易な行使はできないはずやねんなー。だから、巷で集団的自衛権と称されるものは、実は集団的自衛権とは違う可能性が高いわけやー。

2014-02-15 01:52:02
羝@シモツキンギルド非会員 @claretC203

@kokusai_law_tan 侵略を定義することが難しいことを示す具体例などはあるのでしょうか。それともそれは自明なことなのか……性悪説?

2014-02-15 01:46:14
羝@シモツキンギルド非会員 @claretC203

侵略の定義が難しいことはわかるが、そのことを自明とされても困るような。現状ある侵略の同意に対する具体例に基づく反論を調べたいかな

2014-02-15 01:53:44
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