アトムに分解されるノンエリートの過労死へと「強制された自発性」さえブラック企業に食い潰される惨状

熊沢誠甲南大学名誉教授インタビューを紹介
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国公一般 @kokkoippan

アトムに分解されるノンエリートの過労死へと「強制された自発性」さえブラック企業に食い潰される惨状 http://t.co/56A8hN7onq 安倍政権は日本を世界一企業が活動しやすい国にすると言っていますが専門家は誰も日本は労働と雇用について規制の強い国だとは思っていません。

2014-02-20 15:07:25
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熊沢誠氏:企業の労働者の雇い方や働かせ方については、ヨーロッパ諸国と比べると、日本は経営者のフリーハンドが強い国です。 http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:08:56
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熊沢誠氏:建前の上で終身雇用がありますから「強制された自発性」にもとづき「不要な従業員」を退職させようとして面接や「追い出し部屋」送りで、労働者の自尊感情を破壊し、退職を余儀なくさせる労務が横行しています。そういう歪みも正社員の解雇ができないからだと財界は主張しているわけですね。

2014-02-20 15:10:14
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熊沢誠氏:もっとも大切なことは、「年功制の国にストレート・セニョリティなし」の事実だと私はいつも思います。ストレート・セニョリティとは、査定のない勤続年数一本で競争・選別なくレイオフ者の順番などを決めることです。 http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:10:52
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熊沢誠氏:能力査定による選別が正当性を疑われることなく猛威をふるっている日本ではリストラの対象者選別は企業の自由です。それでも追い出される人に提訴できるだけの主体性が残されているのならまだ救われるのですが退職勧奨は訴えうる主体性そのものを破壊し精神的に追いつめるまでに至っています

2014-02-20 15:13:30
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熊沢誠氏:訴えることができれば、ゆきすぎた勧奨も強要になって違法になるから規制緩和で容易にリストラできるようにしようというわけです。「移動を容易にするため」とも理由づけられていますが、移動が可能な人は今でも移動しているわけです。むしろ転職の難しい人を辞めさせたいわけでしょう。

2014-02-20 15:15:56
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熊沢誠氏:労働市場での競争上不利な人に雇用機会を用意する施策なしに、追い出しを強行しようとしている。 http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:17:24
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熊沢誠氏:いかなる場合でも「評価される能力とはどんな内容で、どんな基準ではかられるか」という退職勧奨のルール、また要員数やノルマに対して労働者の発言権がないとき企業が唱える「流動化政策」というのは必ず将来保障ないままの首切り自由になる http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:20:04
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熊沢誠氏:労働分野の規制緩和でさらに問題なのは、労働時間規制の緩和です。これは論外です。というのは、すでに労働者のかなりの部分は実質上、労働時間の規制を外されています。 http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:20:55
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熊沢誠氏:「名ばかり管理職」ということもあるし、サービス残業も休日出勤もある。週60時間以上働く労働者はすでに男性正社員の22%くらいいます。こんな時さらにエグゼンプションを拡大するというのは、論外としか言えません http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:23:07
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熊沢誠氏:今の日本に最も求められているのは欧州ですでに機能しているインターバル規制(退勤から次の出勤までの最短時間を、例えば11時間というように規定すること)です。ワーク・ライフ・バランスが「国民的課題」なら制度化が考えられるべきです http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:24:45
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熊沢誠氏:直接雇用の有期雇用者も派遣労働者も日本には入り口規制がありません。ドイツでは、有期雇用を活用できる資格が厳しく問われます。しかし日本は、継続的な仕事でも、いくらでも有期雇用を使えるのです http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:26:32
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熊沢誠氏:私は過労死や過労自殺について『働きすぎに斃れて』(岩波書店2010年)を出版していますが、日本の労働者を過労死に誘う意識は、「強制された自発性」と把握しています。 http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:28:57
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:基本的には「強制された自発性」は「健在」ですけれど、高度経済成長の時代に正社員サラリーマンが昇進や昇給をめざして働きすぎたというのとは少し違います。 http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:31:04
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熊沢誠氏:今、ブラック企業の若手正社員は、前向きの展望もさりとて抵抗する主体性も奪われているという点で、客観的には強制に近い状態に追いこめられている。あるいは「自発」の主体性も破壊されているといっていいほどです。 http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:31:40
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:現代日本の労使関係において一番大きな問題は労働者の配置やノルマ、命令される残業、雇用保障などが〈個人処遇〉になっていること、その結果、労働者個人はアトムに分解され企業に入る前も入ってからも熾烈な競争に投げ込まれていることです http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:32:51
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:〈個人処遇〉とは、例えば、労働の具体的なあり方が上司と労働者の個人別の関係のなかで決められること。過重なノルマ残業、不利な配転などはここで決まる。そのプロセスは、「目標管理」とか執拗な「圧迫面接」です。 http://t.co/56A8hN7onq

2014-02-20 15:33:59
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:リストラ期の退職勧奨の場合、狙われた従業員は、そこでノルマの未達成や能力・努力の不足を責められて、自尊感情を破壊され、「自分は役に立たないんだな」と悟ることになる。心身が打ちのめされて鬱にもなる。すると今度は「辞めた方があなたの健康のためにいいんじゃないか」と言われる。

2014-02-20 15:34:33
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:心身が打ちのめされる状況下では、行政や司法に訴える主体性そのものが壊れています。外部の労働組合に訴えてくる場合でも、「率直にいうと今訴えてくる人の3分の1くらいはもうどこかおかしくなっている」と相談者はよく言います http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:36:30
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:〈個人処遇〉化の結果、労働者のしんどさがすぐれて〈個人の受難〉として表れています。ですから、職場の労働組合も外部の労働組合(コミュニティユニオン)も、どこまでも〈個人の受難〉に寄り添い、連帯的な介入を試みることが大切なのです http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:37:43
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:企業別組合では、この〈個人の受難〉を、それは労使関係のアジェンダではないと放置しています。そこが駄目なんです。そこが駄目だから深刻な労働問題に対して組合運動が労働者に見放されているのです。そう痛感します。 http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:38:33
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:私は、ブラック企業問題については結局、〈個人の受難〉に対して労働組合がどう寄り添えるかが鍵だと思います。法的規制にはおのずから限界があります。 http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:39:11
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:「低賃金は高賃金を駆逐する」と言われます。労働条件でも、ともすれば下への収斂みたいな傾向があって、ひどい条件のもとで改善の方途なく呻吟しているブラック企業の労働者は、それほど状況がひどくない公務員を名指して、「これだけ恵まれているのに文句を言うな」ということになる

2014-02-20 15:40:36
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:民間労働者は公務員バッシングに加担することによって、みずからのサービス残業を改善する立脚点も失いがちなのです。役所は模範的なエンプロイヤー(雇用主)であるべきだというのが欧州では常識なのですから、公務員の世界で望ましい働き方が実現していることを何も恥じることはないのです

2014-02-20 15:41:48
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:ところが、辛辣にいえば、今は公務員も、例えばサービス残業くらいして過労死でもしなけば「国民に悪い」みたいな気持ちになっているのではありませんか。そうした点も日本の公務労働運動の思想的課題です。 http://t.co/vJJ88s0vs5

2014-02-20 15:42:28