「キム・ヨナ選手の高得点はおかしい」はおかしい

大変参考になったので、@nawo7070 さんのTLを中心にまとめてみました。 ◆フィギュアスケート、女子ショートプログラムのルール他 http://tororinnao.info/04rule/06.html 続きを読む
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嘉月なを @nawo7070

……ここまで読んで、「うわあめんどくせえ」って思った? そのめんどくさいことを考えながらスケーターは滑ってるんです。 だから凄いんです。

2014-02-18 06:56:22

蛇足ながら「2回までルール」ができたのは、今程男子で4回転を飛ぶ選手がいなかった頃、3Aが得意な選手が3Aを多く飛んで点を荒稼ぎしたからです。
規定を自分に有利に活かすのは、『競技』では重要な事なのです・・・。

嘉月なを @nawo7070

一例。これはルール違反を犯しています。 (※ジャンプの種類を回転数+頭文字で書いてます。) 3T⇒三回転トウループ 等 ①4T+3T ②4T3A3A+2T ⑤3Lz3Lz+2T+2T ⑦3F ⑧3S 4T3A3Lzという3種類を複数回跳んだので違反です。

2014-02-18 07:00:15
嘉月なを @nawo7070

もうひとつルール違反の一例。 ①4T4T+2T ③4T+3T ④3A+1Lo+3S ⑤3Lz ⑥3F ⑦3Lo ⑧3S 4Tを3回跳んだので違反です。

2014-02-18 07:02:22
嘉月なを @nawo7070

ルールを守りつつ4回転をたくさん飛ぶ例。 ①4T4T+2T ③4S4S+3T ⑤3A ⑥3Lo ⑦3S ⑧2A+1Lo+2S 4T4Sという二種類を二回跳び、 どちらも一回はコンボにしています。 4S3S、2Sは同じ「サルコウジャンプ」ですが回転数が違うので別勘定。

2014-02-18 07:06:19
嘉月なを @nawo7070

もちろん今挙げたような例のプログラムをこなしつつ体力を持たせるなんて今の競技レベルではほぼ不可能に近いですが。

2014-02-18 07:07:06
嘉月なを @nawo7070

それと、今挙げた「違反」の例は どれも世界レベルのアスリートはまず犯さないようなレベルのわかりやすすぎる違反です。 今回、五輪ではものすごく気づきにくい違反を犯した選手がいました。 それが、4位入賞したスペインのハビエル・フェルナンデス選手。

2014-02-18 07:08:51
嘉月なを @nawo7070

「気づきにくい違反」のフェルナンデス選手はこうなりました。 ①4T ②4S+2T (3T) ③3A ④3S (4S) ⑤2Lz (3Lz)+2T ⑥3Lo ⑦3F+1Lo+2S (3S) ⑧3S ()内は、本来予定していたジャンプです。 これが成功していれば無問題でした……

2014-02-18 07:18:02
嘉月なを @nawo7070

さて、どうして違反になるのか。 そうそう、ルールの上で、ひとつ大事なことを書き忘れてました ・複数回とぶ3回転以上のジャンプは、どちらかをコンビネーションに というルール。 これを違反するとどうなるかと言うと「片方を1連続のコンビネーション(シークエンス)扱いにする」これ。

2014-02-18 07:19:59
嘉月なを @nawo7070

@nawo7070 違反内容は、「4つめのコンビネーションを跳んだ」からです。 よく見ると、④のジャンプ、4Sのつもりが3Sどまりになってしまいました。 すると、⑧のジャンプと同じフェルナンデス選手は意図せず「二回単独の同種類ジャンプを跳んでしまった」ことになります。

2014-02-18 07:22:14
嘉月なを @nawo7070

@nawo7070 すると、⑧のジャンプは「強制的に1連続のコンビネーション(シークエンス)扱い」となります。 結果、⑧番目のジャンプが4つ目のコンビネーション扱いになってしまい⑧のジャンプは違反ジャンプ、0点になってしまったのです。

2014-02-18 07:23:19
嘉月なを @nawo7070

うん。全然わからないよね。 でも、本当にこういう難しいルールのもと、選手たちは戦いに臨んでるんです。 想像してた世界よりも、すさまじい世界でしょ。 でも、だからこそ私はスケーターたちを皆尊敬してるし、 すごいなあと思って見ているんです。

2014-02-18 07:24:53
嘉月なを @nawo7070

今回のフリーは ブラウン君となんですくんで、 ジャンプのルール説明のとってもいいサンプルが見られたのが興味深かったです。

2014-02-18 07:26:20

↑4Tを失敗してして3Tになってしまったので、後半予定のコンビネーションジャンプの3Tが規定数オーバーしてしまうので2Tに変更した、等たまに見る事ができますね。
こういった事を息が上がるほどの運動をしながら演技中に頭で考えて行っている選手達は凄いと思います。


嘉月なを @nawo7070

少し覚えておいて欲しいこと① ○○選手と××選手の点差が酷すぎる! という意見の場合、大抵次のことが見えていません。 「2点の加点と0点なら2点差だが、2点の加点と2点の減点なら4点差」 また、現行の採点方法では 「回転不足は0.7倍の点になる」とはテレビでも言いますが (続く)

2014-02-20 20:46:44
嘉月なを @nawo7070

その② 「さらに、GOEでも減点される」ということはなかなか言われません。 その例。 3T(トリプルトウループ)で アンダーローテーション(回転不足・小) となった場合、 基礎点4.1点が0.7倍で2.9点、 さらにGOEで-2となると、 3TのGOE1あたりの係数は0.7で ⇒

2014-02-20 20:51:15
嘉月なを @nawo7070

その③ ⇒0.7×(-2)=-1.4 1.4点の減点。 2.9点-1.4点=1.5点。 基礎点4.1点のジャンプが、1.5点分にしかならないジャンプになります。 回転不足がいかに大きなミスかわかりますね。 (続く)

2014-02-20 20:53:35
嘉月なを @nawo7070

その④ ⇒さて、問題はこれだけでは終わりません。 この3Tをクリーンに加点をもらえる質で跳んだ場合。 基礎点4.1にGOE+2ポイントが付くものとの点差を考えてみましょう。 3TのGOE1ポイントあたりの係数は先ほど言ったように0.7点。 4.1+(0.7×2)=5.5 (続く)

2014-02-20 20:56:55
嘉月なを @nawo7070

その⑤ ⇒ということで、5.5点になります。 つまり、回転不足になった3Tと、 高さ・幅・流れ・その他クリーンな高い質での3Tは 大体の計算でも、 約1.5点と、約5.5点。 これだけで、4点も差が付きます。 どうでしょう。思ったより大きいんじゃないでしょうか。 (続く)

2014-02-20 21:00:12
嘉月なを @nawo7070

その⑥ 「着氷でのステッピングアウト」は 回転不足と違って、基礎点は下がりません。 ですがGOEの減点幅は、回転不足のそれよりも大きくなります。 これも相当に大きな失敗と言えると思います。 他にもたくさん、「テレビではあまり言わない重要なこと」がありますが、 ⇒

2014-02-20 21:04:13
嘉月なを @nawo7070

その⑦ ⇒もうひとつお話。 それは「転倒」の扱いです。 実は、「回転不足」の方が、「転倒」よりも悪い場合があります。 (というよりほとんどそうです) 例を次に示します。

2014-02-20 21:07:14
嘉月なを @nawo7070

その⑧ 3F(トリプルフリップ)の転倒と回転不足を計算してみます。 まず転倒(回り切っている)の場合、 基本的にGOEはー3になることがほとんどです。場合にもよりますが、今回はこれで計算します。 そして回転不足の場合、 「両足着氷で転倒は免れた」回転不足で考えます。 ⇒

2014-02-20 21:14:28
嘉月なを @nawo7070

その⑨ 3Fの基礎点は5.3点。 3FのGOE1ポイント当りの係数は0.7点。 転倒の場合。 5.3-(0.7×3)=3.2 さらにディダクションで1点減点で 2.2点。 ⇒回転不足に続く

2014-02-20 21:14:46
嘉月なを @nawo7070

その⑩ 回転不足&両足着氷となると、減点はあわせてGOE-3くらいになると思いますが、 甘めに考えてー2とします。 すると、 回転不足による基礎点減少で 5.3点が3.7点に。 ここからGOE分を引いて 3.7-(0.7×2)=2.3点。 (-ω-)…あれちょっと転倒より高い ⇒

2014-02-20 21:18:20
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