お玉さんのほぼ日刊御手洗潔レビュー(4)

お玉さんによるほぼ日刊御手洗潔レビュー。 『水晶のピラミッド』『眩暈』『アトポス』『龍臥亭事件』『SIVAD SELIM』の5本を収録。 (※内容を予見させる点があるため未読の作品がある方はご注意を!)
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

謎の芸能人がお金をたくさん持っているのか? それとも、アップアップなのか? がサッパリわからないのよ……(>人<;) ①の手記と②の秘密マンション、の二つのトリックと趣向が先にありきで、その後、強引に人間関係等々の背景を詰めて行った感があるなぁ〜。

2014-02-25 00:26:22
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あのトリック→なら、プライベートジェットがいるだろぉ〜♫→じゃあ、芸能人だ→どうして、芸能界に犯罪が?→ゆすりとか、たかりかなぁ〜? みたいな流れで、しかも→を自然に見せる演出がかなり適当。 危険な犯罪に身を染めるんだったら、プライベートジェットを何とかしてお金を作ったほうが

2014-02-25 00:27:59
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

②の秘密マンションのトリックも同様の印象。とにかく、金の力で犯罪者の都合のよすぎる(作者の都合のいいような、と置き換えても可)舞台装置を作り出したよ、とそんな感じだ。 これは犯罪に使用されたトリックの穴ではなく、作者の構成の雑さ、ハードウェアの力技の弱さを感じさせられるのだ

2014-02-25 00:28:43
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『眩暈』は構成のいろんなところが雑なのよね(>人<;) アレだけ手間暇かかることをやっておきながら、いざ蓋を開けてみれば、あの人の行方不明に誰も気づかないし、芸能人の生活の変貌に誰も騒がない……。 どーゆーことだ⁇ トリック用いてないのにそれらが完璧に隠蔽されているヤン……

2014-02-25 00:29:38
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

奇妙な手記に関しても、何故、アレを放置するよ? というか、持ち歩くのよ? 内容が綾辻行人の某作にクリソツ(しかもコチラの方が処理が上手く、面白い!)なのは島田荘司がそれ以前に『IgE』で似た試みをしてるから、まぁ置いておいてだが、その手記の発覚の仕方がアチャ〜である。

2014-02-25 00:30:38
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

いくら力技とはいえ、あのドラゴンの正体は、絶対許さないΣ(゚д゚lll) 梶原一騎が犯罪計画にビミョ〜に絡むところにニヤニヤするが、……やはり、一生許さないΣ(゚д゚lll) (そういや『異邦の騎士』では、王貞治が犯罪計画に絡むのを言及し忘れてたわ)

2014-02-25 00:31:02
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

手記の内容にある毒を持つ食べ物(『世紀末日本紀行』での取材の成果だろう)についてはただの枚数稼ぎにしか見えず、あまり本筋と絡めてないのが……。 あの人の属性に関連させたかったのかな? けど、その試みは完全に忘れ去られた状態、ラストでのあの叫びがやけに唐突なんだよなぁ〜

2014-02-25 00:32:23
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

なんか、褒めるところがないぞ『眩暈』(>人<;) それでも手記の内容を紐解いていく部分までは、まだ面白いんよ。 脳科学のお話をしながら、幻視のような手記の奇妙な出来事を現実に還元していく過程は、グイグイ読ませてくれるんだよね。 けど、秘密マンション……あれはダメだ。

2014-02-25 00:32:59
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

力技の使い過ぎで島田荘司先生、そこの匙加減、麻痺しちゃったのかしら? あの秘密マンションの秘密は酷過ぎる。 違法建築物すぎるわΣ(゚д゚lll) 消防検査、どうやってパスするの? 空調壊れたら、どうする気なの? えっ、簡単に屋上あがれるの? あの建物の造りは近所の噂になるっしょ?

2014-02-25 00:33:51
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

しかも秘密マンション、増築でアレをやってるからネ( ´ ▽ ` )ノ いやぁ〜、アレやったら新しく別に一軒家を作ったほうが、絶対安上がりだよ。しかもあの秘密に対しての安全性は比較にならないほど、高いんじゃないかな? どうしてマンションを秘密マンションにしようと思ったんだ?

2014-02-25 00:35:06
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

暗号の情報の出し方もヨロシクナイヨナァ。あんな力技、絶対無いよなぁ。 御手洗潔が調べ上げた方、あの本の余隅に書き綴っていた、はまだ千歩譲ってもいいけどね、あのおっさんが聞いたあの方法が不自然すぎるわΣ(゚д゚lll)

2014-02-25 00:37:11
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

と、あまりに『眩暈』が眩暈する内容なので、ツッコミ多めでブッタ斬ってみました。 これは、魅力的な謎を重視するあまり、その他の全ての物語の構成に無理が生じた、そう見ていいでしょう。 題材に対して熟成期間がかけられなかったので、穴だらけになってしまった……

2014-02-25 00:37:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

特にラストの、少しだけ追記が入った手記を再掲するのは、ちょっとどうかと思うよなぁ。 不出来な作品や未熟性な作品はまぁ仕方がないけど、あのページ数稼ぎは、作者の良心を疑ってしまうよなぁ。 手記の背景に隠れてるドラマ、何か小粒で魅力に欠けるのに、それをまた垂れ流すのかい〜(>人<;)

2014-02-25 00:38:13
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

1992年を考えると、若い作家さん達が達者で巧みで、ちょっと文章は荒削りながらも、得体の知れない熱量を持つ凄くオモチロイ本格ミステリがガンガン出版されていたわけよね。 本格の先行者であり、種を蒔いた者でもある島田荘司としてはトップランナーとしての重圧があったことは想像容易い。

2014-02-25 00:38:49
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

島田流の本格ミステリと、若い作家さんが描く新本格とは、何かズレがあるんじゃないかなぁ〜? と読者が薄々気付き始めた頃合いでもあった。 若造たちとは違うもな、ガツンとした大作でも! という気概は当然で、『水晶のピラミッド』はまだ何とかカタチになったが、『眩暈』では完全に空回だ。

2014-02-25 00:39:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

文庫本での野崎六助の解説の熱量が救いかなぁ〜(>人<;) まぁ、長いシリーズの中でこういうこともありますよね、ということで……。 『眩暈』が好きな人、ゴメンなさいね。やっぱり、これ、俺の中じゃ御手洗シリーズの長編で一番のワーストやわ。

2014-02-25 00:40:51
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、ほぼ日刊御手洗潔レビューその18『アトポス』であります。 1993年10月発売! えーと、今回の御手洗マラソン、ある程度ガイドラインを描いて臨んでいたわけですが、嬉しい誤算であり収穫だったのが、この『アトポス』! 何、コレ、めちゃくちゃおもしろいヤンΣ(゚д゚lll)

2014-02-26 01:20:24
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さてさて、レビューに進む前に、自分の中での御手洗シリーズの区切りで言うと『アトポス』は第三期のスタート作品となります。 『ギリシャの犬』から『眩暈』までが二期は、言うなれば力技シリーズ。 この第三期からはプラス『本格ミステリー宣言Ⅱ』の要素が入ってくるわけです。

2014-02-26 01:20:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ま、三期といっても、当時の島田荘司が声高にしていたコード型本格ミステリの実践作は、これからの『アトポス』と『龍臥亭事件』の二作こっきりなので、 ……それらの次からの『SIVAD SELIM』から僕の中では御手洗第四シーズンになるんスけどね( ´ ▽ ` )ノ

2014-02-26 01:21:23
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

で、『アトポス』ですが、再読でこれほど印象の変わる作品だとは思っていませんでしたよ♫ おそらく、この作品の不満点としてよくあげられる「延々と続くエリザベート・バートリーのエピソード」や「御手洗潔の登場の遅さ」「石岡クンの不在」は、むしろこの作品のグッドポイントだと思うわけなのね

2014-02-26 01:22:06
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ここからはネタバレツイートだよ 『アトポス』未読だったら、スルーよろしくですよ♫

2014-02-26 01:22:26
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

まず『アトポス』で展開されている事件は、①「この作品のメインストリームである連続殺人」と②「完全に別の思惑で動いている復讐譚」の二つに分けることができる。 厳密に言うと、レオナに振り当てられた部屋の天井にあった死体、も別のラインなのだが、①からの派生と考えてもよいだろう。

2014-02-26 01:23:00
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

初読時には「これはナシだろぉΣ(゚д゚lll)」と思っていた奇妙な館のギミック(メンテナンス大変だろぉ)だが、分かりやすいたった一つの駆動だけなのに、①の屋根裏の死体や密室、②の串刺し、といった様々なバリエーションがあるのに気付いたのが、今回の発見。これはイカス!

2014-02-26 01:24:49
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

また奇妙な館の作成や謎の構造の背後には、①の事件の重大な柱である「アトポス」の存在がある。 「アトポス」のせいで館に仕込まざるを得なかったギミックが、先の数々のトリックのバリエーションに繋がることとなり、また「アトポス」は①の連続殺人の動機にも関わってくる。

2014-02-26 01:26:12
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

そして、①の連続殺人はトリックの物量に隠れがちだが、実はかなり意外な人物が犯人として設定されている! あの犯人が御手洗潔の口から提示され、ハリウッドでの惨劇からほんの数行で纏められた動機が明示されたとき「あっ、そういうことなのね」と他の事件の発生原因にも納得がいく構成になっている

2014-02-26 01:26:49