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お玉さんのほぼ日刊御手洗潔レビュー(4)

お玉さんによるほぼ日刊御手洗潔レビュー。 『水晶のピラミッド』『眩暈』『アトポス』『龍臥亭事件』『SIVAD SELIM』の5本を収録。 (※内容を予見させる点があるため未読の作品がある方はご注意を!)
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「ああ、そうだったのか〜」とあの人が犯人だということにスンナリ納得できたの、実は俺だけなのだったら、……ゴメンナサイ。 いや、みんなもそうだった、と信じたい……。 あの動機、納得できるよね? 腑に落ちるよね? そうだよね?

2014-02-26 01:27:11
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

だけど、あの動機に納得できたのは、あの200ページに渡るエリザベート・バートリーのエピソードがあるからだと思うんわけなんよ。 仮に『アトポス』からエリザベートのエピソードを全撤去したと仮定したとき、あの意外な犯人の行動理由に、あれだけの説得力が生まれるかしら?

2014-02-26 01:27:46
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

エリザベートのパートの力強さには驚く。フロレンスの障害に対する苦闘、窮地、偶然の使い方は、古典的だが、冒険小説の領域のそれである。 初見なら「この小説は何処へ向かっているのか?」と不安になる枚数だが、このパートが200ページ続くと予め知ってれば、リズムの冴えに酔えるというものだ

2014-02-26 01:28:09
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

エリザベートの時代は無制限の権力があった。現代でそれを置き換えるなら、ハリウッドという虚飾のイメージを売る舞台設定に行き着くのも納得だ。 しかし、ここで一工夫。エリザベートでは老いというファクターだったものを、「アトポス」という現代特有のものにコッソリ変換してるのだ。

2014-02-26 01:28:46
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ハリウッドが故の「アトポス」だ。 そして、ハリウッドという因子が『水晶のピラミッド』での文明論の展開の引き戻しを見せ、②の事件の背景となる。 ②の事件、好きだ。 かっての繁栄の中で不幸な運命を背負うこととなった人がいるのだ。彼は西へと流れていく。そこで不幸の元凶との再開がある。

2014-02-26 01:29:26
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

②の事件は、本当にドラマティックだ。 死海に設営された舞台。 二人の奇妙な関係。暴力の強行と断念。そして、あの館のギミックが生んだトンデモないアレ! ここらの流れと複雑な人間関係は、本当に胸打つわ♫

2014-02-26 01:30:14
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

①はエリザベートのエピソードに見られるアレ、②はハリウッドという文明の繁栄。 二つの事件の背景に関しては「アトポス」から発生した館のギミックで薄く接点を持っている。 そして、レオナが活躍する題材として「サロメ」を選ぶことで、その接点が少しだけ強くなる。

2014-02-26 01:31:21
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

まぁ、エリザベートは自己研磨の個人に還元されるお話で、サロメは他者への所有欲を具現化するお話なので、……あまり二重写しになってないんだけど、……そこは力技で繋げちゃうよ♫ ま、サロメにはレオナが抱く御手洗潔への感情という二重写しがあるのだが……

2014-02-26 01:31:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

レオナが活躍する『水晶のピラミッド』や②の事件は、レオナが遭遇したハリウッドの事件であるのに対して、 『アトポス』の①の事件は、レオナ自身に降りかかった自分自身の事件である。 レオナの世界でのお話なのだ。 だから、石岡クンが不在なわけだ。

2014-02-26 01:33:13
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

御手洗潔がなかなか登場しないのも、レオナが自立した女性だからだ。 弱さを秘めながら、スターとして虚飾の世界に身を寄せながら、麻薬で誤魔化しながら、パニックに逃げ出したりもしながら、……強い女性であろうとする。 本当の生首を皿に乗せてることに気づいてながら、演技を続ける姿はステキだ

2014-02-26 01:33:32
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

しかし、「サロメ」の制作スタッフ、監督とレオナ以外「アイーダ」から総とっかえじゃないか(>人<;)

2014-02-26 01:34:01
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『アトポス』の不満は、エリザベートのエピソードのテンポに引っ張られて、ハリウッドの怪事件と死海の連続殺人がトントン拍子で進みすぎてることだよなぁ〜。 特に死海の奇妙な館には、ワトソン的な推理を担当する人間が存在してないので……、事件、流れ気味でスーイスイなのよね。

2014-02-26 01:35:13
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

うん、『アトポス』はやっぱ短いんだよね。もう少し事件のディテールを掘り下げて欲しいところやったね。 あと300ページくらいは欲しいところだわ( ´ ▽ ` )ノ

2014-02-26 01:35:45
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あと文庫本での池波志乃の解説がメチャクチャいいんよ〜♫ まぁ、ワイのツイート以上のネタバレ全開なので、絶対本編を読み終わった後に、読もうね♫

2014-02-26 01:36:07
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、ほぼ日刊御手洗潔レビューその19『龍臥亭事件』ですよ。 1996年1月発売。 それまで講談社独占だった御手洗シリーズが、何と光文社カッパノベルスでの上下巻刊行で驚きましたなぁ。 というか、当時の感覚を思い出しますと、久しぶりの島田荘司の小説だぁ〜♫ とそんな気持ちでしたよ

2014-02-27 00:20:15
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

93年の『アトポス』から今回の『龍臥亭事件』までの間に刊行された小説は、94年の『天に昇った男』のみ。 ただこれも『秋好事件』の取材から派生した、ほぼノンフィクションなスーパー社会派作品だったから、ホント、待ち遠しかったんだよなぁ〜。

2014-02-27 00:21:04
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

講談社から、白を基調にしたデザインの装丁で、かなりブ厚いハードカバーで、毎年恒例の10月に発売されたから、94年のお玉さんは、御手洗モノの新作だと思って『秋好事件』、ほぼ発売日に買ったんだよなぁ〜♫ …… …… ……(>人<;) 全国で同じ想いをした人が五人ぐらいいたと信じたい

2014-02-27 00:21:39
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

て、皆様もご存知の通り『龍臥亭事件』は石岡クンが探偵役を務める長編であり、御手洗潔は手紙と電報で、石岡クンの進むべき道、取るべき行動を、ちょっとだけアドバイスするだけの登場なのよね 石岡クンが探偵役。 ……ああ、人がバンバン死んでいく〜(>人<;)

2014-02-27 00:21:59
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『龍臥亭事件』は、とにかく人が死にまくるので、解決編を読んでも、誰が誰を殺したのか? (おっと、ネタバレ)、がイマイチ把握しにくい、というのが難点な作品だ。 石岡クンより早く真相に気付いた人物が、アレの扮装をして犯人のジャマをしたりするので(ネタバレ)、更にややこしいわ。

2014-02-27 00:22:26
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

また、とある登場人物が、とある趣向のため、最後まで名前が明かされないのも、ちょっと意地悪さんだ。 捜査陣の存在が不可のコード型本格作品だったら、ニックネーム呼称もまだ納得だけど、警察がガッツリ介入してるからなぁ……。しかも、この人、『龍臥亭事件』の中心軸となる最重要人物だし……

2014-02-27 00:23:34
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『龍臥亭事件』の最重要人物があの女性としたら、この作品そのものともいえるのは、都井睦雄、その人だろう。 過去現実に起きた猟奇事件の舞台に、島田荘司の創作要素がミックスされているのが、本作最大の特徴と言える。 (同趣向はかなり形を変えてだが『ロシア幽霊軍艦事件』でも用いられてる)

2014-02-27 00:24:12
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

御手洗潔が解決した事件を記述しているだけとはいえ、一応、ミステリ作家で生計をたてているのだから、世間で起きた殺人事件くらいは把握しておこうよ、石岡クン。 数週間前に起きた超絶猟奇事件もそうだし、50数年前のあの連続殺人事件はいろいろと有名じゃないのかな?

2014-02-27 00:24:41
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

都井睦雄事件は知らなかったけど梅沢家事件は知っていた石岡クン(>人<;) 都井睦雄事件は知らなかったけど阿部定事件は知っていた石岡クン(>人<;)

2014-02-27 00:25:05
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

石岡クンは『八つ墓村』や『丑三つの村』を読んでないんだろうなぁ……(>人<;) 最初は御手洗潔シリーズの世界観に横溝正史は存在していなかったと仮定してみたのだが、今作で石岡クンが密室の用例としてあげたのが高木彬光の『死を開く扉』だから、ただ単に石岡クンが正史ギライなだけだろう

2014-02-27 00:26:02
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

まぁ、世間に流布している都井睦雄のイメージは歪曲されている、と主張しておきながら、虚像によってどのように事件が歪められたか、その説明と言及がスッポリ抜け落ちているのは、ちょっとどうかと思うわけなのよ?

2014-02-27 00:26:43