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#twnovel 本を読むのが大好きなの、だから私は本を売るのよ、と彼女は言った。なぜ、と問い返すと彼女は妙な顔をする。本を読むのが好きって言ったじゃないの、と。このころの私は自我が薄れていたので、彼女の言うことはよく理解できなかった。彼女が今どうしているのか、まだ認識できない。
2014-03-13 22:25:06#twnovel 本を読むのが大好きなんだ、だからオレは本を絶対に書かない、と彼は言った。なぜ、と問い返すと彼は怒った。本を読むのが好きって言ったじゃないか、と。このころの私は自我が薄れていたので、彼の言うことはよく理解できなかった。彼が今でも当時と同じなのか、まだ認識できない。
2014-03-13 22:25:25死んだ彼女を、僕は科学の力で蘇らせた。でも生き返ったはずの彼女はまるで人形。目をあけて息をしているけど、意識があるかも分からない。手を尽くせど意思の光が戻らない瞳に、僕は泣いた。 #twnovel 科学では、魂までは戻せないの。抜け殻を抱きしめる彼に、寄り添う事しか私はできない。
2014-03-13 22:25:45なんだか部長には何もかも見抜かれているようで、まさにもろばれと言った様子。けれどそれもそのはず。入学からこっち、まるまる二年間、それも長期休暇もなんのその、ほぼ毎日顔を合わせての二年間だ。何かあればすぐに相談するし、そうでなくとも日々の会話で日常は筒抜けになる。 #twnovel
2014-03-13 22:28:25#twnovel 窓から外を見る。雨で曇っている。目の前には、ガラスを伝って落ちる雫だけ。部屋には誰もいない。わたしすら、魂はとっくにぬけている。不思議なもので、ただ窓から外を眺めていてもお腹はすく。だからといって、食べるのも面倒。何もかもなくしたわたしなのに、電話が鳴った午後。
2014-03-13 22:39:29「パパ、はい」娘が差し出した紙切れにはたどたどしい字で『おてつだい券』。思わず相好を崩しながら「じゃあ早速使おうかな」と券を娘に渡すと、「ううん、あのおじさんが渡してって」娘の指差す先で、頭から山羊の角を生やした紳士が恭しくお辞儀をした。「なんでもしますよ?」 #twnovel
2014-03-13 22:40:29#twnovel タイムマシンで過去を旅する。十年、千年、一万年、徐々に遡っていく。「正しい記録も残されず、大地の形さえ異なっている。誰も生きていない、生きていけない世界だ」外では酸の雨が降り、恐竜の死体が転がっている。「このタイムマシンは、未来には行けない」窓の外では雨が降る。
2014-03-13 22:47:07#twnovel 「だから言ったでしょう」「黙れよ」背中から聞こえる声は止まらない。「貴方の問題ですよ」理性は無くても意識は続く。「遣りようはあるはずです」だから全部憶えている。「貴方自身に、どうにかする気がないだけでしょう」切先から滴る紅も、紅を求める無意識も、まだ止まらない。
2014-03-13 23:01:29少年の仕事は街灯守。毎夜、街に光を灯す。灯りの配合は彼だけの秘密。赤子の肌のように柔らかな朝の陽光。弾ける果実のように元気な昼の陽光。遠退く思い出のように儚げな夕の陽光。それらを独自の配合でブレンドし、蛍草の煎じ湯に溶かす。こうしてできた灯りが、今宵も街を照らす。#twnovel
2014-03-13 23:01:48人の名前を覚えるのが苦手だ。顔や話した内容はよく覚えているので会話は困らないが、電話帳で名前だけ並んでいると誰だか分からなくなる。そんな私が名前を覚えた人がいる。××さんだ。なぜか彼は顔が変る。年や性別も変る。でも分かる。××さんも「君には負けるよ」と苦笑してる。#twnovel
2014-03-13 23:04:39【定期:クトゥルフ縛りツイノベ】毎日1話PCから投下中。ただし病気の時とかは無理しません/基本一話完結/固定登場人物は今のところいません。が、6/28生まれたかも?何も考えず書きました、ハイ。頑張ってクトゥルフ的テイストでお送りします。緩いです。#twnovel
2014-03-13 23:04:47@ToyamaDog0315 わからないんだよ。君の考えてることは、よくわからない。だからだよね。僕は君が本当に怖いんだ。お願いだから、もっと、君のことを教えて?そうすれば、君を恐怖することも、なくなると思うんだ。我儘かい?君のことを知りたいんだよ、僕は。#twnovel
2014-03-13 23:08:25ぐるぐる廻る回転木馬、くるくる踊るバレリーナ。同じ所を廻り続ける。ゴールはおろかスタートさえ無い。巻いた螺子が止まればそこでお仕舞い。廻り廻るオルゴールが僕らの世界を指し示してる。螺子がいつ止まるかは解らない。限界まで巻いて、いっそ世界ごと壊してしまおうか。 #twnovel
2014-03-13 23:15:25#twnovel 花粉がバージョンアップして目に見えるようになりました。可愛いキュートな花柄になりました。これできっとみんなに愛されるはずです。あれ。ちょっと!そこの人!なんで逃げるんですか!?マスクしてメガネして全力疾走なんてヒドいじゃないですか!私すごく可愛いじゃないですか!
2014-03-13 23:19:58#twnovel 雪だるまを作る。月の夜。一人で。誰にも見られてはならない。そのためにこんな田舎に引っ越してきた。「困った子だ」完成した雪だるまが喋る。この呪法を教えてくれた叔父さんが死んだのは三年前。「だって会いたかったの」大好きな人が憑依していても、雪だるまはやっぱり冷たい。
2014-03-13 23:22:19#twnovel 新たな門出を祝うにはやはり酒と女と花束だ。女たちは俺の大好きだった酒と花束を持って俺を見送る。その顔は少し寂しげだ。罪な男である。黒い服に身を包んだ女たちの頭上を俺は白い煙となって空へ旅立っていく。 #twnvday
2014-03-13 23:22:25本当の友達だから、嫌いなところは嫌いだと言ったし、許せないところは許せないと言った。だけどその分、嫌いだと言われることもあったし許せないと言われたこともあった。それがあったからこそ、今でも君と会ってランチしたりカラオケ行ったり出来るんだよね。本当に最高の友達だよ。#twnovel
2014-03-13 23:26:40一体全体どんな因果か分からないが、私は今ストーカー被害にあっている。 相手は孔雀。行く先々に現れては、ゴテゴテした羽を広げ猛アタック。正直ウザい。あと辛い。逃げ込んだ公園で独りごちると、俺がいるよと肩を抱かれる。彼は烏。駄目よ、そんな。私は哀しくクルッポと泣く。#twnovel
2014-03-13 23:27:49【画家と少女308】…卵がそう言って不思議がっていたわ」さすがに自分も描いてほしいなどとあらわに言うことはなかったが、その発言はほとんどそれを変わらないものだった。確かにアトリエに立ち入ることすら禁じられているのだから、嫉妬する気持ちもわかるというものだ。 #twnovel
2014-03-13 23:32:16可愛げがなくて意地っ張り。そんな君だけど。例えば、抱きしめたればふわり、僕の首に遠慮がちに触れる指と紅い頬。そんな些細なことで僕はまた君に恋をするんだ。素直じゃなくてもちゃんと僕を好きでいてくれること、知ってるから。 (君が幸せなら僕も幸せ。単純な証明でしょ?)#twnovel
2014-03-13 23:33:02石畳の路をポコポコとデジボが走る。ポコポコ‥ポコポコ‥しばらく走ってゆっくりになる。前を猫が横ぎっていく。また走りだす‥ポコポコ‥ポコポコ‥ブォン・ブブォンっと後ろからミニが追い越して行く‥しばらくして煙吹いてるミニ追い越してポコポコ‥ポコポコ #twnovel
2014-03-13 23:33:14とある国で犯罪発生件数が著しく低い。その理由を国王に聞くと「何が犯罪を起こすと思う?」と聞いてきた。「言葉が犯罪を起こすのだ。誰かと画策したり、誰かと対立した時に犯罪は生まれる。だから言葉さえなければ平和なんだ。だから私は国民全員の舌を抜いたんだよ」#twnovel
2014-03-13 23:33:36朝起きると余りに静かで意気揚々とカーテンを開けた。きっと晴天だ。窓の外は明るいのに、雨が降っていた。春雨、か。澄んだ空気に、雨がしとりと馴染んで行く。窓を開けた。凛とした空気に眠気が刺され、目が冴える。さあ今日も一日頑張ろう、と思った。#twnovel #春雨のスキップ
2014-03-13 23:33:43どうしたの。身体の震えが止まらない。なすすべもなく地面に倒れ、そして私はうずくまる。このまま月下にいてはいけない。あと少し。あと少し行けば身を隠せる。ああ、それなのに心臓の、鼓動がどんどん高まって、痛みにも似た快感が弾ける。ああ、変わっていく。私が失われていく。 #twnovel
2014-03-13 23:36:50#twnovel もうすぐ春がやって来ます。新学期が始まって、新しい出会いがたくさんあって、そして春のような恋がやって来ます。当然のことながら、春のような恋に恵まれない人もたくさんいます。そういう人の元にも、恋のような春はやって来ます。
2014-03-13 23:36:59