20140321

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黒巣真音 @catnap_7

疲れきった身体をベッドに投げ出すと、気が緩んだのか、涙が溢れてきた。泣いてない、泣いてなんか。押し込めるように、枕に顔を埋めた。昨日泊まって行った彼の匂いがした気がして、涙が止まらなくなった。頭まで布団を被り彼に抱き締められているような感覚で、私はまた泣いた。#twnovel

2014-03-13 23:38:47
衣都悠歌 @einbidng

あぁ、死にたい。 馬鹿馬鹿しい戯れ言。でも今回ばかりは本気だ。私という存在がこの世にまだ生きているなんて耐えがたい。衝動赴くままに屋上のフェンスに手を掛け―― 「馬鹿者が! 自ら死を望むなど愚かにもほどがあろうっ!」 涙声が混じった罵声が頭に直接響いてきた。 #twnovel

2014-03-13 23:40:26
萌葱[moegi] @hmoegi

#twnovel 早く行かなきゃ遅れちゃう! 食パンだけ咥えて家を飛び出した。ネクタイが曲がっていたらどうしよう、と今更に考えて、曲がり角で意識が逸れたその瞬間、目の前に長身。「……悪い」び、びっくりした! あれ、でもこの人、あたしと同じスーツってことは……?@pirch_yui

2014-03-13 23:43:27
粉粧楼bot @fenzhanglou_bot

感情の存在すら知ろうとしない皮膚は、無自覚なまま、記憶を反芻することだけを楽しむ。彼の指と舌の軌跡をたどり、無邪気を装って繰言のように再現して、今また、しあわせな熱を増してゆく。リネンのシャツの内側に初夏の日差し満ちるままに。 #twnovel

2014-03-13 23:46:17
黒巣真音 @catnap_7

僕の足元で絶望という闇が大口を開けて僕を待っている。ほんの少しでも不安になれば闇が僕を喰らうんだ。闇は僕を喰らいたくて僕に囁く。“頑張らなくていいじゃないか。どうせ疲れるだけだ”“諦めろよ、そんなこと”そうやって僕の心を壊そうとするんだ。呼び声は今も止まない。#twnovel

2014-03-13 23:46:53
23時の夢物語 @23novel

#twnovel あなたが好きです。大好きです。もうあなたなしでは生きていける気がしません。ちょっとでも離れていたら、あなたがここにいてくれたらと願わないことはありません。ずっと私の側にいてください。永遠の約束が重いなら、せめてこの春が終わるまで。心から愛しています、空気清浄機。

2014-03-13 23:48:33
茶屋 @chayakyu

「ただいま――が窓から手を振っております。胃に穴を開けながら手を振っております。人見知りが激しいにもかかわらず父親に無理やり出馬させられた――が吐き気を抑えながら手を振っております」何だかその候補者を応援したくなったが、俺の一票が彼を殺してしまいそうな気もする。 #twnovel

2014-03-13 23:59:02
ゆうやけだもの @FYMY_HLK

ぐぎゃあうう。 悲鳴が変わる、咆哮に。 音をたてつつ輪郭崩れ。 月光に、照らしだされた元人間は、真っ赤に濡れた毛皮を纏う。 #twnovel

2014-03-13 23:59:36
Affair Story @affair_story_s

#twnovel 「何この不出来な図形の塊」そう言って眉を寄せる『冬』を俺はまあまあ、と宥め、いいから食べてみろと促す。恐る恐る付けられた口は咀嚼の後小さく開き、「美味しい……」「だろ?」歯を見せて笑い、俺は自分の分も口に入れる。「冬は苦手だけど、おでんがあるから俺は好きなんだ」

2014-03-13 23:59:45
𝕤𝕙𝕚𝕣𝕠 @yakak21

「好きだ」誠実な目をした人。その目を逸らすことしか出来ない。「待つよ」優しい声をした人。聞こえない振り。「メールする」そっけない言葉 #twnovel なのに縛られて、身動き出来ないの。「逢いたい」でも「好きだよ」でもなく、たったひと言の「お休み」を貴方の声に変換して目を閉じる。

2014-03-14 00:03:27
ミヤコバ @nick_yonyon

勤勉とは、何でしょうか。日々の習慣を欠かさないこと?たゆまず何かに対して努力を惜しまないこと?いずれにしても、ひどく真面目そうに思われます。そう、つまり生きるための行動を繰り返すこと自体が勤勉なのです。たとえ人ではなくても。 #鳩の小箱 #twnovel

2014-03-14 00:04:46
すなお @Svnao

#twnovel 仲間が金目的で浚って来た社長令息は、虚ろな目の中学生だった。俺はアパートの一室で監視役をしている。「何か食いたいモンあるか」「マルボロ」「食いモンじゃねえな」一本やると旨そうに吸う。「お前家帰りたい?」「まさか」「じゃあ俺と逃げるか」ガキの目に初めて光が閃いた。

2014-03-14 00:10:52
姜間水結 @miyu_kyouma

#twnovel 貴方への気持ちがいつか思い出になり、記憶のアルバムに増えていく。そんな未来を考えながら荷造りをした。好きだけど別れなきゃならない時ってあるんだな。荷物は最小限にして、大好きな詩集とお気に入りのセーターだけ。そして未練という名の小さなガラス小瓶。#twnvday

2014-03-14 00:18:59
芹沢文書 @DocSeri

「対人恐怖症の私でも、ARペルソナと応答支援AIがあれば日常を支障なく過ごせる。応答パターンを選べば会話はAI任せ、後で要約だけ把握。もう30年、誰とも会話していない。いつの間にか結婚していた妻とも、産まれた子とも」 #twnovel http://t.co/bfUYJtZ4mv

2014-03-14 00:35:08
汐月 羽琉@低浮上リハビリ中 @xxxShiotsuki

@shion_halcyon 「父さん」呼び名は受け入れられることもなく地に墜ちる。「俺に息子はいない。娘だけだ」その言葉に自分の存在場所が奪われていく。なあこれは夢だと誰か言ってくれ。夢ならばこの苦しみはいつか終わるはず。夢でないのなら――誰かに救ってほしい。 #twnovel

2014-03-14 01:15:15
汐月 羽琉@低浮上リハビリ中 @xxxShiotsuki

@shion_halcyon 何かが落ちる音に目を覚ます。窓辺に立つ彼が震えていた。「どうしたの」と尋ねても答えない。ただ、白いはずの袖が鮮血に染まり、長い指にも伝っているのが見える。暗い赤色と、彼の足元には鋭い銀色。ああ、彼はまた、彼自身を殺したのだと知った。 #twnovel

2014-03-14 01:21:20
神奈保 時雨 @shig_714

@shig_null あの子には、普通の一生を送ってほしかった。けど、あの子が悠久の未来を選び取ったとき、言いようがないほど嬉しかったのも本当で。これ以上ないほど寄り添ってくれた君のために、僕もこれからの時間をすべて、あげてしまいたくなったんだ。 #twnovel

2014-03-14 01:26:44
汐月 羽琉@低浮上リハビリ中 @xxxShiotsuki

@shion_halcyon シャツを脱ぎ捨てると、左腕の醜い傷痕が目に入った。横、横、横、数え切れない横線の中に、数本紛れ込んだ縦線。その中のひとつは、まだ真新しい。数瞬鏡を見つめ、新しいシャツを着て視界から消した。彼の呼び声に答えながら、幻影を振り払った。 #twnovel

2014-03-14 01:32:41
神奈保 時雨 @shig_714

@shig_null 「段々欲深くなるんだ」そうあなたは言った。「最初はみんなの傷ひとつ治せれば、それで嬉しかったんだけど」懐かしげにぽつりと呟く。「心の傷は、俺にはどうにもできないなぁって。ねぇ、」あなたはわたしの愛称を呼び、どうしようもないのにね、と笑った。 #twnovel

2014-03-14 01:33:16
silf⛩️ @athene1020

雨がたっぷり降った。バイトへ向かいはするけれど、きっとお客さんは少ないと思う。アスファルトの上に水溜り。そこに沈む小さな白い花びら。塀の前で首を傾げる。これは梅の花かしら。見上げてみて、初めて気づく。そういえば、もう3月なのだと。温かな雨が降る。 #twnovel

2014-03-14 01:33:19
汐月 羽琉@低浮上リハビリ中 @xxxShiotsuki

@shion_halcyon 「俺に魂売り渡せば、お前が憎んでる奴らを殺してやれるのに」目の前の、かつて人間だったはずの化け物が嗤う。それには、馬鹿だな、と嘲笑が零れた。「俺の憎しみは、お前が殺したところで晴れるほど安くねぇよ」妹を苦しめた自分に、永遠の罰を。 #twnovel

2014-03-14 01:41:44
神奈保 時雨 @shig_714

@shig_null 「お前は優しすぎる」と言おうとして、やめた。この弟分の素直な柔らかい心が、鵜呑みにしても困るから。優しすぎて苦しむのと同じくらい、いつかその優しさに報いがあるだろうに、その機会を潰したくなかったから。代わりに、馬鹿じゃねぇの、と毒をひとつ。 #twnovel

2014-03-14 01:45:48
日向葵@創作 @Hinata_Sosaku

家を出る時、親に「晴れた空が門出を祝っているようだ」と言われた。四年前は、スーツに着られていると揶揄されたのにな。 #twnovel 「先輩、おめでとうございます」「…花束なんて貰ったの、初めてだ」「たまには遊びに来てくださいね」 #twnvday 「また会おう」が、最高の餞だ。

2014-03-14 01:48:25
汐月 羽琉@低浮上リハビリ中 @xxxShiotsuki

@shion_halcyon 「ごめんなさい、お父さん」寝言に目を瞬き、彼を見た。すると普段は決して見せることのない涙が一筋、目尻から流れ落ちている。私はそっと手を握る。大丈夫、もう怖くない、誰も貴方を殺そうとなんてしない。そしてひっそりと憎しみの炎を燃やす。 #twnovel

2014-03-14 02:01:31
姜間水結 @miyu_kyouma

#twnovel その声が好き。だからずっと聞いていたい。目を閉じて、耳を澄まして、静かな場所で。その声を満たされた心で共有したい。「…って言われてもな」彼は困った顔で頭をかいた。初対面の女に唐突に本を読めと言われても、そりゃ困るよね。美しい旋律を奏でる声が聞きたいの。#飴色

2014-03-14 02:07:43
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