お玉さんのほぼ日刊御手洗潔レビュー(7)

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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、ほぼ日刊御手洗潔レビューその47『上高地の切り裂きジャック』です。 2003年3月書き下ろしにて発表。(単行本同時収録は『山手の幽霊』) ぬっ、再読のはずなのに、全く内容を覚えていなかったぞΣ(゚д゚lll) 何故だ〜? そんな一本。

2014-03-29 01:02:14
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

今回の御手洗マラソン、面白い作品もあれば、ちょっとコレは……、というのも当然あるわけだけど、どれもこれも島田荘司の「らしさ」や「クセの強さ」は感じられるわけなのよね。その作品群の中で、一番ふつうな作品、一番アクの少ない作品、島田荘司でなくても書ける作品といえば、コレになるのよね

2014-03-29 01:02:41
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

死体移動の謎が普通。御手洗潔の推理がかなり現実的。死体を切り裂く理由が他のミステリ作家でも思い付くレベル。 完成度は低くはなくカッチリしているのだが、ブッ飛んだ展開が無いあまりに真っ当な仕上がりに、……逆に戸惑うのよΣ(゚д゚lll)

2014-03-29 01:03:21
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『上高地の切り裂きジャック』が普通なのは、この作品が御手洗潔に憧れる蓮見刑事が主役であるからに、他ならない

2014-03-29 01:04:22
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

常識にとらわれない(日本人論?)に若い刑事が、刑事の所作ではなく、探偵の、プチ御手洗潔の所作で事件を解き明かす、そんな内容なのよね。 『龍臥亭事件』以降の探偵役である石岡クンのライバルか? はたまた、ニューパートナーか? 何らかの意図をもっての蓮見刑事の投入だったのだろうか?

2014-03-29 01:06:12
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

石岡クン × 里美ちゃん、の人間関係に入り込んで来る蓮見刑事。 彼が、石岡クンの以後に関わってくるのかなぁ? というのがうっすらとだが予想できるんよね。 その蓮見刑事を際立たせるための事件として『上高地の切り裂きジャック』が作られたのだろう

2014-03-29 01:08:47
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

が、以降のシリーズに関しては石岡クンの出番がほとんどなく、里美ちゃんはスピンオフシリーズの流れへ乗っちゃたので、蓮見刑事、コレ一本だけで、ほっちっちなんですよね。 蓮見刑事にはまだ本格的な島田荘司流の謎は早いと、敢えて普通のミステリの所作を導入し、演出してるのに…(>人<;)

2014-03-29 01:10:35
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

もう御手洗シリーズのこれからの青写真の中に、蓮見刑事路線はないんだろうなぁ……(>人<;) けっこうイけてるのに……。 蓮見刑事がオミットされた仮説もあるが、長くなるし、需要もなさそうなので、……コレはやめにしよう。 『上高地の切り裂きジャック』、やっぱ普通だよなぁ〜

2014-03-29 01:14:21
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、ほぼ日刊御手洗潔レビューその48『ネジ式ザゼツキー』です。 2003年10月発売。 ああ……、コレ、ハードカバーでの刊行ではなく、講談社ノベルスが親本という事実が、何か感情的に切ないなぁ……。(御手洗長編で唯一単行本バージョンがないんですよね……)

2014-04-03 00:20:57
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『最後のディナー』や『魔神の遊戯』でタイヘンな量のTweetを投下してしまったお玉さん。 本来ならばそれ以上の物量で語らなければならない、また語れる作品なのが『ネジ式ザゼツキー』なわけですが、今回は故あってネタバレもせず短くまとめることとしましょう。

2014-04-03 00:21:12
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ちなみに故あっての故とは、「この後の作品で長文ツイートにせざるを得ない作品が一本あるから此処は省エネ」という故と、自分の読書計画(マラソン計画とも言う)で「もしかして、今年の下半期でもう一度読むかもしれないのでそっちでレビューしていこうかな」という故なのであります。

2014-04-03 00:21:34
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、『ネジ式ザゼツキー』と『摩天楼の怪人』(その57予定)の二本の作品は、島田荘司という作家の集大成であり、到達点とも言えるべき作品と位置付けています。 特に『ネジ式ザゼツキー』に関しては、ミステリ作家としての島田荘司、その完成形的ともいえる作品とも認識していますよ。

2014-04-03 00:22:15
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

僕は、一番好きな島田荘司は? 島田荘司の最高傑作は? と質問されたら『ネジ式ザゼツキー』とここ数年は答えていました。 今回の再読において、改めてその作品世界とミステリの構図に酔い、自らの感性が概ね真っ当であったことを再認識しましたわ。 やっぱ、いいねぇ〜♫

2014-04-03 00:22:59
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

初読時にはエゴンさんやルネスさんの過ごした時間の長さに重みを覚え、哀しさすらを感じたですが、今回の再読では、それでもラストに見える風景(ニューロンの刺激による回復の可能性への言及がうれしい)に希望を垣間見、爽やかさすら抱いています。 感情移入しまくりなので、涙腺はボロボロですわ

2014-04-03 00:23:31
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

作品のキモである「タンジール蜜柑共和国への帰還」への推理と考察は、島田荘司の集大成の認識に恥じないよね。 『暗闇坂の人喰い木』のようなファンタジー話を解析すると、『眩暈』のような俄かに信じがたい事件が浮かび上がり、それを調査すると『占星術殺人事件』のような極上のWhyが姿を見せる

2014-04-03 00:23:57
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

また奇妙な殺人事件に対しての推理の積み重ね(特に銃弾のアレや、事件に生じたイレギュラー)が、かなりの論理展開の冴えが伺え、好きです。 「タンジール蜜柑共和国への帰還」の解読における、主に御手洗潔の知識量をバックボーンとした推理と比較すると、スゲえ倍増! でメシが美味く食べられるわ

2014-04-03 00:25:41
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「タンジール蜜柑共和国への帰還」に対し、大ナタとも言うべきザックリとした推理の切り口となる、あのB層の推理は、めちゃくちゃ好きです。 あと事件の推理の決め手の部分で「タンジール蜜柑共和国への帰還」へ帰還するところも痺れるのですよね〜♫(ネタバレか?)

2014-04-03 00:26:21
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あと「ゴウレム」はまだアウトプットされていない個人の心の中だけで物語化されているファンタジー、として受け取りましたわ。 あの人が「タンジール蜜柑共和国への帰還」を読んで抱いたであろう心情、モヤモヤと蓄積された感情が、かなり回りくどく不器用に表現されているのかな? と。

2014-04-03 00:27:11
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ハッキリ言って『眩暈』は失敗作だと思うし、御手洗潔を脳科学者にし石岡クンと別れさせたのにも疑問を抱いているんだけど、それらが『ネジ式ザゼツキー』の完成への大きな触媒として機能してるから、許せるんだよね〜♫

2014-04-03 00:27:33
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで、短くまとめましたよ『ネジ式ザゼツキー』 たけど、こんなレビューよりも 「読まずに死ねるか! のオススメ本( ´ ▽ ` )ノ」 でいいんよね。多少の島田荘司作品に触れていないとグッとノれない部分はあるけど……、ミステリ好きでコレを読んでないのは、正直勿体無いよ

2014-04-03 00:28:05
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、ほぼ日刊御手洗潔レビューその49『御手洗くんの冒険 マンモス館殺人事件』でございます。 源一実の描くコミックですね。(その28 のブローフィッシュ教事件が一巻) 上巻が2003年11月に、下巻が同年12月に発売されました。 http://t.co/k8VUUyEmQo

2014-04-04 00:26:47
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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

これは上・下巻に別れているのがポイントです。 舞台はアメリカ。御手洗少年と彼のバンド仲間が訪れた洋館で連続して発生する密室殺人。そして、その後に起こる死体消失。 そんなコード型本格の様式で進行する上巻がね、もう作画もいい感じで、めちゃくちゃ面白いんですよ〜( ´ ▽ ` )ノ

2014-04-04 00:27:26
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

しかしね、下巻は漫画家さんが可哀想と思えるくらいの内容なの。 密室トリックは『龍臥亭事件』の使い回しだし、死体消失はロープ(!)なんだぜ。 そして、殺人の動機がね……、ホントにヒドイんだよ。島田荘司以外書けない内容。ホンマ、ヒドスゴすぎる、の一言なんで、是非手にとって欲しい〜

2014-04-04 00:28:54
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『ブローフィッシュ教事件』では漫画家さんとのコラボレーションであり、漫画家さんの自由な部分が強めで御手洗作品のらしさが感じにくいのですが、この『マンモス館殺人事件』は島田荘司のイニシアティブが強すぎて、上巻の元気な雰囲気がどんどん喰われていくのですよ。下巻がヤバ過ぎて、逆に楽しい

2014-04-04 00:29:25
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

上巻が90年代唱えていたのコード型本格の作法で構成されている、→御手洗ファンが一番熱かった時期、原作者が読者との交流を行い始めた時期の様式で描かれているわけだとすると、 下巻は21世紀本格、→ファンを突き放したともいえる、次のステージに移った所作のそれで書かれているのかねぇ〜

2014-04-04 00:29:42
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