検証[20140328「甲状腺結節性疾患追跡調査事業結果(速報)について(大岩ゆり記者)」]

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東京GIGO @ekb90377

(参考)選択バイアスについて(1/2) http://t.co/FjiECq3WNF

2014-03-29 18:22:13
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東京GIGO @ekb90377

(参考)選択バイアスについて(2/2) http://t.co/4gXUnc8NAR

2014-03-29 18:22:52
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cyborg0012さんによる考察

cyborg001 @cyborg0012

(環境省)対照群検査2014年3月28日の発表についての考察(1) 3月28日に青森、山梨、長崎(以下、他地域と略する)の対照群検査の被験者から1名の甲状腺癌が発見されたと環境省が発表しました。この点について、幾つか考えたいと思います。

2014-04-03 04:03:42
cyborg001 @cyborg0012

まず、福島健康管理検査(14回発表)の基礎的データ。福島では269,354人の子どもが一次検査を受け、現在74人の甲状腺癌が発見されている。H23-25年の平均では10万人対35.1人(2,849人に1人)の頻度である。 http://t.co/zmcYX1XDjj

2014-04-03 04:09:29
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cyborg001 @cyborg0012

山下俊一氏らのチェルノブイリ三国でのエコー検査結果(Shunnichi Y et al. 1997)が以下図。ゴメリ州10万人対192人、平均10万人対52.2人(ゴメリを除いた平均は25.1人)。直接比較では、福島の頻度と同等である http://t.co/QemU9S9jbA

2014-04-03 04:17:54
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cyborg001 @cyborg0012

環境省の今回の発表によれば、(1)福島の癌の発見頻度は他地域とほぼ同じ、(2)スクリーニングをすれば癌はたくさん見つかる。環境省は「同じ頻度で発見された」と言っているが、「福島は多発ではない(被曝影響は存在しない)」とは言明していない http://t.co/rPuVBUlFrJ

2014-04-03 04:29:34
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cyborg001 @cyborg0012

今回の発表は昨年の発表のデジャブである。3.11前には「子どもの甲状腺を調べて7割に異常がある」との医学的知見は皆無であった(2006-08年の韓国甲状腺エコー検査では大人でも58%である)。これで納得できる人はかなりの幸せ者である。 http://t.co/4eOZzY66Ym

2014-04-03 04:41:47
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cyborg001 @cyborg0012

お役所的な「中途半端なパターナリズム」は環境省だけでなく、福島医科大にも共通する。以下は健康管理検査の情報公開の現状をまとめたもの。「ゆっくりな癌で心配ない」としながら、検証可能な臨床データ(転移浸潤率、TNM病期分類)は一切未公開。 http://t.co/9m2bOXfspj

2014-04-03 04:50:57
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cyborg001 @cyborg0012

本題から逸れるが、「ゆっくりで無害な癌」であるなら、TNM病期分類を公開するべきだ。以下で分類を簡単にまとめた(小児のステージは2まで。遠隔転移はステージ2)。情報は開示せずに、口だけで「心配はいらない」では、不信感と疑いだけが深まる http://t.co/Z8PrJDpLeP

2014-04-03 04:59:37
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cyborg001 @cyborg0012

TNMステージ分類や、転移・浸潤率、亜組織型などの臨床データは、甲状腺癌の専門論文では基本情報である(以下図は各国の小児甲状腺癌の転移率比較)。健康管理検査でも倫理委員会の承認を得た上で、こうした情報は原則公開すべきである。 http://t.co/qY97LJ34ZG

2014-04-03 05:08:22
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cyborg001 @cyborg0012

以下図は上記転移・浸潤率(およびTNM分類)の元データ。健康管理検査は「癌」の疫学調査である(オデキやニキビの調査ではない)。癌の進行度を公開するのは当然であり、非公開には正当な理由の挙証が求められる。 http://t.co/HYbjRy0dNm

2014-04-03 05:17:16
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cyborg001 @cyborg0012

以上のことを踏まえ、本題に入る。ただし、対照群検査の結果は情報が不足しているので、環境省がスクリーニング効果説の例として挙げている千葉大検査(2001年)及び福島との比を通じて、議論を展開したい。千葉大検査の概要、および結果は以下図。 http://t.co/OkbmeaAcSH

2014-04-03 05:24:51
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cyborg001 @cyborg0012

千葉大では触診・エコー検査により、2,497人に1で癌が発見された。福島は2,849人に1人の頻度(後に述べるように、対照群はサンプル不足で頻度不明)。千葉大と福島の頻度はほぼ同等、環境省がスクリーニング効果説の根拠とする所以である。 http://t.co/QKdRvObtVu

2014-04-03 05:41:54
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cyborg001 @cyborg0012

福島と千葉大の頻度はよく似ている(2,849人に1人 VS. 2,497人に1人)。しかし、両者は母数となる被験者の年齢層が異なり、発見率にはバイアスが介入している(年齢バイアス)。この点を国立がんセンター統計で確認したい(以下図) http://t.co/KE432Rx8NL

2014-04-03 05:51:04
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cyborg001 @cyborg0012

千葉大の被験者は18-30才、福島は0-21才である。がんセンター統計で0-5才年齢階級のケースを1とすれば、15-19才階級はその30倍、25-29才は119倍である。千葉大の母数は福島よりも遥かに癌罹患率が高い集団で構成されている http://t.co/45mYdv3Vko

2014-04-03 05:56:50
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cyborg001 @cyborg0012

直観的に言っても、オチビチャンが多く含まれる集団と、青年や社会人が多く含まれる集団の癌発見率が同じであれば、前者の集団は多発である(以下図)。 http://t.co/z0nSZKu21B

2014-04-03 06:01:42
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cyborg001 @cyborg0012

福島と千葉大の結果には年齢バイアスがあり、比較には年齢補正が必要である。福島の結果は0-21歳の通常罹患率、千葉大は19-30歳の通常罹患率で補正し、通常と比べてどれだけ多発なのかを求める。福島は117倍、千葉大は20倍の多発である。 http://t.co/RBTt4C3E30

2014-04-03 06:16:32
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cyborg001 @cyborg0012

ただし、年齢補正だけでは不十分であろう。千葉大は一次検査が触診である(二次検査では超音波エコー)。「触診のエコーに対する検出力」を割り引かなければ、両者の比較は正確ではない。

2014-04-03 06:24:08
cyborg001 @cyborg0012

甲状腺癌はどの程度まで「触診」で発見できるのだろうか?内分泌専門の医学者の論文では、1センチ以上の甲状腺癌であれば触診で診断可能であるとする複数の記述がある。 http://t.co/qZ9D3qeSJy

2014-04-03 06:33:30
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cyborg001 @cyborg0012

日本の専門医の見解(愛知がんセンター中央病院)でも、「甲状腺癌の診断には触診が重要である。70%から90%の甲状腺癌は触診で診断がつく」とされている。「触診のエコーに対する相対的検出力」はかなり高いと言えるだろう。 http://t.co/eOc59WTbdd

2014-04-03 06:51:36
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cyborg001 @cyborg0012

具体例で確認してみよう。以下図はクロアチアの16人の小児甲状腺がん症例を表している。一人ひとりの腫瘍径データが記載されている。平均腫瘍径は22ミリである。 http://t.co/C8IrUmQcoy

2014-04-03 07:19:15
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cyborg001 @cyborg0012

この16人のうち、触診で確認可能であった癌は12人(79%)であった。腫瘍径に従えば、11ミリ以上の癌は(原発巣もしくはリンパ節腫大などに対する)触診で確認可能であったことになる(以下図)。 http://t.co/lzCOSiYFeZ

2014-04-03 07:24:05
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cyborg001 @cyborg0012

さらに、伊藤病院(1988-1998年)の臨床例では、1センチ以下の「微小癌」についても半数は触診で確認可能であったとの報告がある。この点でも、触診と超音波エコーの検出力には大きな差がないことが理解される。 http://t.co/6r8iYO8APd

2014-04-03 07:29:45
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cyborg001 @cyborg0012

つまり、福島の一次検査をすべて触診で実施したとしても、結果に大きな相違は生まれない。保守的に見積もって、1センチ以上の甲状腺癌が触診で確認可能とすれば、福島ではおよそ7割の癌(1センチ以上)は触診で検出されると評価される。 http://t.co/cKOfOIZgBN

2014-04-03 07:34:39
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