検証[20140328「甲状腺結節性疾患追跡調査事業結果(速報)について(大岩ゆり記者)」]

38
cyborg001 @cyborg0012

同様のことはチェルノブイリにも適用可能である。山下俊一氏らのゴメリ検査では平均腫径16ミリ、10ミリ以上の癌は89.4%であった。およそ9割の癌は触診で確認可能と評価できる。このように触診検出力を厳密化すれば、福島との比較は可能になる http://t.co/SYAQBSF8d6

2014-04-03 07:42:40
拡大
cyborg001 @cyborg0012

とりわけ、ゴメリと福島の腫瘍径はすべての指標で極めてよく似ている(以下図)。「エコーの性能が違う。福島とチェルノブイリを比較するな!」という見解もあるが、「触診のエコーに対する検出力」を評価変数に加えれば、両者は十分に比較可能である。 http://t.co/Q3YqYEubqw

2014-04-03 07:46:31
拡大
cyborg001 @cyborg0012

福島と千葉大検査の比較に戻ろう(年齢補正後の比較)。福島の一次検査をすべて触診で実施した場合、1センチ以上の癌(7割)はエコー検査と同等に診断可能である。エコ検出力を補正すれば、福島は通常の82倍であり、なお千葉大を上回る多発である。 http://t.co/q8dOg2IZjC

2014-04-03 07:56:10
拡大
cyborg001 @cyborg0012

環境省は『報道ステーション』小児甲状腺癌特集への反論(?)で千葉大検査に言及し、福島の結果がスクリーニング効果に由来するとの見解を示唆している。しかし、このように年齢補正及びエコー検出補正をした上での両者の比較から導かれる結論は、環境省の憶測に反して、「福島の多発」なのである。

2014-04-03 08:03:08
cyborg001 @cyborg0012

次に、ゴメリ州山下検査(91-94年)の結果と福島の結果を比較しよう。年齢補正、およびエコー検出力補正を実施した上での両者の比較は、ゴメリの「圧倒的な多発」を明らかにしている。ゴメリは福島に対して5.1倍の多発である(以下図参照)。 http://t.co/KFG47pYwcm

2014-04-03 08:10:37
拡大
cyborg001 @cyborg0012

ゴメリ以外のチェルノブイリ地域(モギレフ、キエフ、クリンツィ、コロステン)と福島を比較してみよう。前者の発見率は平均10万人対25.1人。ゴメリと同様の補正をすると、80倍の多発である。これは福島の多発率(84倍)とほぼ同等である。 http://t.co/EnV18mTgL7

2014-04-03 08:26:26
拡大
cyborg001 @cyborg0012

以上、千葉大検診、ゴメリ検査、その他チェルノブイリ地域、福島の結果を比較したのが以下図である(すべて年齢補正、エコー検出力補正後の結果である)。千葉大を1とすれば、ゴメリ以外のチェルノ地域は4、福島が4.3、ゴメリ21.5となる。 http://t.co/mqyNnePjgB

2014-04-03 08:31:02
拡大
cyborg001 @cyborg0012

以上見てきたように、異なった年齢層、異なった検査方法による異なったスクリーニング結果であっても、年齢バイアスを排除する(年齢補正)、触診のエコーに対する検出力を評価する(検出力補正)、これら補正によって比較可能になる。現段階での福島の多発可能性を否定することは困難と思われる。

2014-04-03 08:38:33
cyborg001 @cyborg0012

その上で、先月末発表の環境省対照群検査の結果を考えたい。結論を言えば、(1)福島と対照群検査の結果には「年齢バイアス」が存在しており、両者は比較不可能である。(2)かりに年齢補正しても、対照群検査はサンプル不足であり、「頻度」の確定が不可能、福島との比較はおよそ無意味である。

2014-04-03 08:50:32
cyborg001 @cyborg0012

(1)年齢バイアスについて。対照群検査の被験者は0-3才の赤ちゃんが排除され、また10代に偏在したサンプル設定がなされている。この点で、年齢階級が均等な福島との間に典型的な「年齢バイアス」が介在し、結果を歪めている(以下図)。 http://t.co/JqisYNiLD6

2014-04-03 08:55:25
拡大
cyborg001 @cyborg0012

福島と環境省対照群検査のそれぞれの年齢構成をイメージしたのが以下図である。福島が均等な年齢構成であるのに対して、対照群は高年齢層に偏ったサンプリングがされている(赤ちゃんは被験者から完全に排除されている)。 http://t.co/FPcc6PCGI7

2014-04-03 08:58:49
拡大
cyborg001 @cyborg0012

福島と対照群の結果は、年齢バイアスがあり、比較不可能である。本来、疫学検査(コントロール検査)ではバイアスを最小限にする努力が必要であるが、こうした配慮はなされたのだろうか? http://t.co/SGnG8aBKY6

2014-04-03 09:08:24
拡大
cyborg001 @cyborg0012

(2)頻度の確定不可能性。対照群検査はサンプル不足であり、頻度の確定は不可能である。「Y人に1人の頻度で発見」という環境省の発表は、きわめて不正確である。正確には「Y人調べて1人が見つかった」と言うべきであろう。

2014-04-03 09:10:22
cyborg001 @cyborg0012

例をあげよう。子供が駄菓子屋に行き、アイスを二本買う。両方とも「当たり」だった。「この駄菓子屋のアイスには当たりが多いに違いない」、無邪気に子どもは思う。むろん、たった二回の試行による頻度推計は不完全だが、この種の直観的推論は「強いられた情報希少制約」の下では一応の合理性をもつ

2014-04-03 09:16:53
cyborg001 @cyborg0012

しかし、対照群検査では、情報希少性はサンプル不足に起因しており、これは主体的に克服可能な制約である。この場合、直観的推論に依拠した「頻度推計」は不合理であり、もしくは知的怠慢、欺瞞である。

2014-04-03 09:20:29
cyborg001 @cyborg0012

このように、少し厳しい言い方になるが、環境省対照群検査は福島との比較可能性をもたないだけでなく、それ自体で統計学的に無価値である。この点は、東京GIGO氏らの以下の議論を参考にされたい。 http://t.co/lX4ILeCifo

2014-04-03 09:29:05
cyborg001 @cyborg0012

以下、まとめになります。 http://t.co/NvaLhJm7yD

2014-04-03 09:38:41
拡大

関連まとめ

まとめ いい加減な調査方法に気付きだまされないためのヒント/トレーニング 具体的な設問は明日以降(3/31)。まずは考えてみよう。→追加しました(4/1)→追加しました&タイトル微修正(4/2)→その後も適宜追加するかも。 13937 pv 253 8 users 35