【実況】ネオサイタマ・イン・フレイム(2):ダークニンジャ・リターンズ #1 (発掘)
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第一巻「ネオサイタマ炎上」 最終エピソード「ネオサイタマ・イン・フレイム」 #2 「ダークニンジャ・リターンズ」#1
2011-05-08 18:52:55ズゥン、と激しくネコソギ・ファンド社のメインオフィスが揺れた。上の階でヨコヅナ・ダンプカー同士が正面衝突したかのような衝撃。地震か?クルーカットのニュービー社員は驚き、サングラスを取って辺りを見渡す。
2011-05-08 19:00:13広大なメインオフィスの壁は大型LED板でぐるりと覆われ、ネオサイタマの上場企業名、刻一刻と変わる株価、そして三角や丸などの意味深なマークが赤く明滅している。ウシミツ・アワーも近いというのに、数十人以上のサラリマンが残っていた。そして誰一人この震動に動じず、黙々と仕事をしている。
2011-05-08 19:03:10(((カチグミの俺としたことが、うっかり動揺しちまったぜ……)))クルーカットはデスクの上に置いたサングラスをかけなおし、愛用のバンブー・ソードを握った。彼の頭髪はバイオ植毛によってブロンドに変わっている。日本人の金髪遺伝子所有者は稀であり、交渉時に威圧感を高める効果があるのだ。
2011-05-08 19:07:33「さあ、ビジネスを再開しようぜモドリ=サン」クルーカットの前には、磨き上げられた高級御影石の床に四つん這いの姿勢を取る、モドリ基盤コーポレーションの社長がいた。ネオサイタマのハイテク企業を陰で支える、家内制手工業会社のひとつだ。モドリ社はネコソギ・ファンドに多大な負債がある。
2011-05-08 19:19:59#NJSLYR クク、クルーカット=サン?アイエエ。 >(((カチグミの俺としたことが、うっかり動揺しちまったぜ……)))クルーカットはデスクの上に置いたサングラスをかけなおし、愛用のバンブー・ソードを握った。
2011-05-08 19:21:16「すみません、もう払えません」モドリ社長が怯えた豚のように哀れな声をあげる。「ザッケンナコラー! 成せば成る! 知らんのか! 成せば成るを!!」クルーカットは、敬愛するCEOラオモト・カンのお気に入りのコトワザを、社長の耳元で叫んだ。コワイ!モドリ社長のスラックスが湿る!
2011-05-08 19:26:40「アイエエエエ!」絶叫するモドリ! クルーカットの心は全能感に満ち溢れていた。三十も年上の社長を跪かせているのだから当然だ。畳み掛けるように、重厚なバンブー・ソードでモドリの尻を打擲!「成せば成る!!」スパーン!スパーン!スパーン!「ンアーッ!!」ナムアミダブツ! 何たる無法か!
2011-05-08 19:40:18ズゥン、と再びメインオフィスが揺れる。今度はクルーカットも身じろぎしない。冷酷なビジネスマンとして、モドリ社長と交渉を続けた。「ラオモト=サン、バンザイ!」クルーカットの狂信的な叫び声と打擲音、そしてく悲鳴がオフィスに響いた。他の社員はインカムでこのノイズをシャットオフしていた。
2011-05-08 19:43:59ズゥン! 十メートル超の高さから床に叩きつけられたのは、今回はニンジャスレイヤーの番であった。500畳の広大なセレモニールームが震動し、落下点から同心円状に強化タタミがバタバタと跳ねる。「グワーッ!」仰向けにのけぞったニンジャスレイヤーの体が、三メートル近くバウンドした。
2011-05-08 19:58:06#njslyr ネコソギファンドはブラック企業だったのか>「ラオモト=サン、バンザイ!」クールカットの狂信的な叫び声と打擲音
2011-05-08 20:13:49「ムハハハハ! ダークニンジャ=サン、始末せよ!」セレモニールームの壁全面に貼られた大小様々の薄型ディスプレイに、哄笑するラオモトの顔が大写しとなり、次いでその右手が映った。処刑を命ずる古代ローマの暴君のごとく、突き出した親指を……下にする!
2011-05-08 22:26:52「イヤーッ!」命令を受けたダークニンジャは、超人的スピードでニンジャスレイヤーの落下点へと駆け込む。そして両脚を開いてタタミを強く踏みしめ、手刀の形を取った右手を床の近くまで引いてタメを作った。落ちてくるニンジャスレイヤーの心臓部に狙いを定め、貫くつもりだ!ナムサン!
2011-05-08 22:32:32だが、むざむざ串刺しにされるニンジャスレイヤーではない!額と胸に手を当ててバランスを取りながらぴんと全身を伸ばし、オリンピック高飛び込み選手のごとく空中で巧みに身をひねった!タツジン!一瞬にして形勢逆転し、高所の戦闘効果を得る!「イヤーッ!」そのまま下の敵に向けてスリケンを乱射!
2011-05-08 22:37:50「チィーッ!」ダークニンジャは両手の人差し指と中指でスリケンを逸らす。それから素早く戦況分析を行い、危険を察知すると、五連続のバク転を決めて落下地点から離れた。まさに紙一重! 一瞬後にニンジャスレイヤーが前方回転からのダブルカカト落としを決め、落下地点の強化タタミに大穴を穿つ!
2011-05-08 22:42:07「ヌウウウウーッ!」ディスプレイの中のラオモトは、不満そうな声を黄金メンポから洩らしつつ、手に持ったグンバイをへし折った。この二者は、互いに決定的打撃を与えられぬまま、かれこれ三十分近くも戦っているのだ。
2011-05-08 22:55:33