胃瘻造設後の、施設、在宅での嚥下リハ。

今回の診療報酬改正では、胃瘻造設手術の手術料の値下げと同時に、術前の嚥下機能評価の検査や、経口摂取達成による、胃瘻の抜去などがある程度評価されるようになりました。 これらが病院での胃瘻造設にどのような影響を与えるのか、嚥下リハは改善されていくのか?施設での嚥下リハの現状は? まとめてみました。
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高山義浩 @hiro_icd

日本は「嚥下機能が残存しているから、胃ろうにせずにゆっくり食べさせましょう」と言えるような福祉国家ではありません。あまり語られませんが、これは前提として認めておかないと、どんな美しい制度も機能不全に陥るでしょう。⇒増え続ける胃ろう患者 http://t.co/jak9usJQtJ

2014-03-17 14:34:58

アピタルはリンクが連動しないので一部コピペ。
http://apital.asahi.com/article/takayama/2014031700003.html

増え続ける胃ろう患者
高山義浩 (たかやま・よしひろ)

「でも、やっぱり胃ろうは介護する側が楽なんです(これが本音ですよ)。自力で食べられない入所者につきっきりで食事介助することは、限られたスタッフでは自ずと限界があります。これが胃ろうだったら、栄養剤をチューブにつないで、滴下速度を調節して完了ですからね。そりゃ、「胃ろうを作ってから返してください」と言いたくもなるでしょう。

そのことを理解しているから、病院側の医療者も「じっくり時間をかけて食べさせてください。食べられるはずです」とは言わないんです。施設側の介護者が「そんな時間、どこにあるのよ」という言葉を飲み込んで、ただ途方に暮れるだけですからね。だから、あまり介護者を追いつめることなく(本当に食べられないのかどうかを確認することなく)、胃ろうを開けてしまう選択へと医療者も同調してしまうのかもしれません。」

田舎の元外科医 @inakashoge

“日本は「嚥下機能が残存していることが確認できたから、胃ろうにせずにゆっくり食べさせましょう」と言えるような、恵まれた福祉社会ではない”と書かれているが認知症末期に胃瘻造設の選択肢があるのは日本だけ。 / “増え続ける胃ろう患者 …” http://t.co/2ij4WvUPuW

2014-03-17 12:09:28
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 胃瘻造設前後の嚥下リハが質量ともに不十分であるのは間違いないですが、そこに向けるリソースはどこから捻出するのかという大きな問題があります。理想を掲げないと前進しませんが、「恵まれた」「不十分」というものは常に相対的な評価から出てくる言葉だと思います。

2014-03-17 12:19:39
田舎の元外科医 @inakashoge

@akubichandobin 今回の診療報酬改正では、急性期病院でのリハ機能の充実が求められているようですから、施設や慢性期病院でのリハスタッフの確保は今まで以上に困難になるかもしれません。

2014-03-17 12:27:25
高山義浩 @hiro_icd

昨年5月の米国老年医学会による声明では、「米国におけるナーシングホーム入所者の34%もが経管栄養を挿入されている」となってます。(念のため…)⇒ 進行認知症患者に対する経管栄養についての声明 http://t.co/Ez63RobBsd RT@inakashoge 日本だけ

2014-03-17 15:20:51
田舎の元外科医 @inakashoge

@hiro_icd 米国の情報のご教示ありがとうございます。確かにナーシングホームでのPEG造設患者さんは少なくないようです。急性期病院での胃瘻造設の際、考えを決めるために家族に与えられる時間が少なく、更に圧力を感じさせられるというところも、日米共通のようですね。

2014-03-17 17:05:00
高山義浩 @hiro_icd

@inakashoge はい、個人(家族)にかかる圧力は日米共通ですね。ただ、米国ではカネ(カバーする保険)さえあれば、胃ろう造設は個人の勝手なんですが、日本では公的保険なので「無駄なんじゃないか」という社会問題に発展します。議論を呼ぶことは良いことなんですが…

2014-03-17 17:13:59
田舎の元外科医 @inakashoge

@hiro_icd 胃瘻造設をしている立場では、経口リハビリが不十分なことから、リハビリと栄養補給の優れた手段である胃瘻自体が不適切という評価を受けることに抵抗があります。ただ自分が胃瘻造設した方にリハビリがなされない現状が空しいことも現実です。次回の記事も期待しております。

2014-03-17 17:09:54
高山義浩 @hiro_icd

@inakashoge たぶん、同じ問題意識です。外科医と在宅医の切り口の違いはあるかと思いますが、私なりに一般の方々に伝わりやすいように中医協答申の可能性(と限界)について解説してみたいと思います。宜しくお願いします。

2014-03-17 17:15:52
高山義浩 @hiro_icd

スープでも、ゼリーでも、中華粥でも、はたまたボルシチでも・・・ 嚥下食で旨いものはあります。作ってあげてください。RT @ikegamihideji 胃瘻直前なんて原形をとどめていないドロドロの食事かつ薄味。ウチの父は楽しんで食べているようには全く見えなかった。

2014-03-17 16:38:16
高山義浩 @hiro_icd

今回は背景だけを淡々と書きましたが、倫理面での私の考え方は、こちらで整理しています。併せてご高覧ください。⇒ 直観の濫用としての「胃ろう不要論」 http://t.co/EVFqjrmMLR

2014-03-17 17:23:33
高山義浩 @hiro_icd

@ROYGB23456 英国など公的医療保険の国では、無駄を省くという観点から、政府が胃ろう造設に抑制的になります。一方、民間医療保険また自費を主体とする国では、カネ(カバーする保険)さえあれば胃ろう造設は個人の勝手となります。日本は前者にあるから社会問題となるのです。

2014-03-17 21:49:28
高山義浩 @hiro_icd

@ROYGB23456 よって、米国のように、そこそこ豊かな国では「ナーシングホーム入所者の34%もが経管栄養を挿入されている」(米国老年医学会:進行認知症患者に対する経管栄養についての声明 http://t.co/Ez63RobBsd)という状態になります。

2014-03-17 21:57:35
田舎の元外科医 @inakashoge

まとめを更新しました。tweetを一つ追加、リンクの一部を可視化しました。「尊厳死法案と高齢者の看取り」 http://t.co/o9jHJep3Ja

2014-03-17 21:43:46
まとめ 尊厳死法案と高齢者の看取り 尊厳死法案提出見込みの報道から、なぜこの法案が必要なのか、高齢者の看取りの場で起きている法的問題点の話等をまとめました。 他、胃瘻など経管栄養の話や、医療機関へのアクセス制限の具体的な方法も。 看取りや胃瘻造設で問題になるのはそれが必要となった時に本人の意思が確認できないことが少なくないこと。日頃から、個人の希望の明示を促す仕組みが必要です。 37439 pv 275 13 users 71
田舎の元外科医 @inakashoge

カナダにはカリフォルニアドーターという表現があるらしい。“それで親に何かあったら、カリフォルニアから飛んできて、日頃傍にいて介護している人はおいておいて、ああだこうだと注文をつける” / “岡崎法人会南部支部/介護は突然やってくる…” http://t.co/occUbsq42X

2014-03-26 12:52:56
田舎の元外科医 @inakashoge

最近殊更に胃瘻造設の話題が取り上げられているが、これは基本的に日本人の死に方の問題で、胃瘻に限った話ではないと思う。 / “寝たきり高齢者への胃ろう、政府が抑制へ-診療報酬を減額 - Bloomberg” http://t.co/nr8Uq9DmCJ

2014-03-27 13:54:00
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 医療が高度化した現代の「老い」や「自分が死ぬこと」について、日本人が正面から考えずに先延ばしにしていた命題に、経済的側面によって正面から向き合わせられているという構図だと考えている。

2014-03-27 13:55:15
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 多くの医療介護者は「患者さん本人にとって何が幸せか」という観点でアプローチを考えるが、多くの日本人にとっては冠婚葬祭同様、「死」についてさえも本人のためではなく「家」のイベントであるから、そこに齟齬が生まれてくる。

2014-03-27 13:55:55
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 記事の内容に言及すると、胃瘻造設の手術点数で利益を上げている医療機関が自分としては想像できないので、今回の改定で胃瘻造設が大幅に減ることは無いのではないかと思う。経鼻経管栄養が大幅に増えるのも考え難い。http://t.co/nr8Uq9DmCJ

2014-03-27 13:57:49
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 嚥下評価に関しては施行症例が確実に増加すると思うが、STが不足しているので、嚥下リハが実質的に改善するのか否かは不明。現状より急性期、回復期病院でのSTの取り合いが激しくなり、療養型や施設での嚥下リハは困難なままになると思う。

2014-03-27 13:59:32
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge ただ胃瘻術前の嚥下機能評価が普及すれば、経管栄養自体を選択せずに、最低限の末梢輸液で看取りを行う方は増えるのではないかと思う。これは、癌末期の終末期の輸液栄養ガイドラインと同様なことを、癌以外の疾患にも行うということ。

2014-03-27 14:02:31
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 「終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン 2013年版」はこちら。http://t.co/SgPTfDjtJV

2014-03-27 15:32:50