古鷹青葉を見守る衣笠さんbot #17

更新十七回目のまとめです。 青葉と古鷹の対面。古鷹が青葉に言いたかったこと。そして次の海域。
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古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「えっ、一晩中!?一体何を話してたの?」 「『青葉が私と話してくれた』……『青葉が私のこと恨んでなかった』……『青葉が私にありがとうって言ってくれた』……その繰り返し。嬉しいよねえ加古どうしようってそればっかでさ……」 はー。なんて純粋なひとなんだろう。加古に密かに同情する。

2014-04-08 03:19:03
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「加古が寝てないってことは、古鷹ねーさんも寝てないんじゃない。さっき遠征に出て行ったけれど大丈夫かしら」 「大丈夫でしょ……元気一杯だったし……」 「ん?そう言えば重巡はしばらく休みって提督に言われてなかったっけ?」 「嬉しくって遠征でもいいから体動かしていたいんだって……」

2014-04-08 03:25:15
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

古鷹ねーさんのうきうきした様子が目に浮かぶ。自分の感情を表に出すことが少ない古鷹ねーさんだからこそ、余計に嬉しそうに見えるのだろう。自然と私も頬がほころぶ。 「あ……もうだめ……衣笠あとよろしく……」 「えっ、ちょっと!」 ふらふらと倒れこんだ加古を慌てて抱きとめ、苦笑する。

2014-04-08 03:30:44
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「あんたも頑張ったものね……いいわ、今日くらいは甘えさせてあげるわよ、『加古ねーさん』」

2014-04-08 03:33:32
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執務室のソファに加古を横たえ、雷ちゃんに向き直る。その顔も隠しきれない輝きに満ちていた。どうやら昨日の顛末はもう伝わっているようだ。 「で、どうなのよ?すっかり仲直りできた?」 執務机から身を乗り出して尋ねてくる仕草が愛らしい。そんなことを考えながら雷ちゃんに答える。

2014-04-08 03:38:00
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「まあひとまずは、ってところかしらね。一度古鷹ねーさんと話せただけで、何もかもうまくいくってわけにはいかないと思うけれど、確実にいい方向には向かってると思う」 青葉の寝顔を思い出しながら私は言った。眉間にしわの寄っていない寝顔なんて、いつぶりに見ただろう。雷ちゃんが頷いた。

2014-04-08 03:41:56
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「本当に良かったわね。青葉も辛かったでしょうけど、やっぱり姉妹艦が一緒にいられるならこんなに良いことはないわよ。それに、これならあの計画も実行に移せることだし」 古鷹ねーさんたちと私たちは準姉妹艦だけれどね、と言いかけた私は、雷ちゃんの最後のセリフに引っかかった。

2014-04-08 03:49:26
古鷹青葉を見守る衣笠さんbot改 @dairokusentai

「あの計画って何?」 そう尋ねると、隣の暁ちゃんが誇らしげに一枚の書類を掲げた。題名を見ると『サブ島沖海域攻りゃく作戦』と書かれていた。「略」の字が分からなかったのね。えっ、でも、まさか。 「珊瑚諸島沖の攻略が予想以上に早く進んでてね、もうすぐ突破できそうなのよ」

2014-04-08 03:56:11
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でも、次の海域は。 「で、次の海域は敵艦が強くて夜戦で突破するしか手がないと言われている海域。しかもあんたたちにも因縁が深い場所よ。これはやるしかないでしょ?敵討ち」 雷ちゃんが勝気な表情を浮かべながら言う。私は呆然とそれを眺めているしかなかった。

2014-04-08 04:02:07
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左手を打ち払い、雷ちゃんが言い放つ。 「重巡古鷹、加古、青葉、衣笠及び駆逐艦吹雪、叢雲に命じます。『敵泊地に対して水上打撃部隊による夜戦突撃を敢行し、艦隊後方の敵輸送艦を叩け!』そして旗艦は……青葉よ!」

2014-04-08 04:06:02