古鷹青葉を見守る衣笠さんbot #19
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重巡寮の裏口まで来てふと思い立った私は青葉の肩を抱き寄せた。 「わっ、衣笠なんですかっ!?」 「今の見たでしょ?どんなに想ってても伝わんないことってあるのよ?早く口で言った方がいいと思うなあ」 「な、何の話ですかあ!」 「さーねえ」 真っ赤な顔で叫ぶ青葉を残し、私は寮に入った。
2014-04-16 00:41:51さっき別れた場所でずっと待っててくれた古鷹ねーさんと加古と合流し、食堂に向かう。青葉の頬の手形を何事かと古鷹ねーさんが気遣ってきたけれど、私と青葉が「大丈夫だから」と言うとそれ以上は何も聞いてこなかった。別れた時とは打って変わって青葉が暗い顔をしていなかったので安心したらしい。
2014-04-16 00:46:52「はいっ!大盛りにしといたからね、お代わりもしなさいよ?」 食堂に入って注文の列に並ぶと、何故か雷ちゃんが食堂のおばちゃんをやっていた。普段間宮さんや妖精さんによって運営されている食堂の厨房の中をのぞきこむと、他の第六駆逐隊の面々もお手伝いをしている。 「何やってんの?提督」
2014-04-16 00:52:21「雷よ!今は提督じゃないわ!そこんとこもよろしく頼むわね!」 聞けば、川内が早めに起きてきたので早速鎮守府の指揮権を委譲して、暇になったから食堂の手伝いをしているらしい。 「あんたたちほんっとに食べないんだから!そんなんじゃダメよ。ほら、古鷹もご飯のお茶碗貸して!」
2014-04-16 00:55:50古鷹ねーさんからお茶碗を奪った雷ちゃんがご飯を容赦なく盛っていき、まるで『まんが日本昔ばなし』のようにご飯が山盛りになったお茶碗が返ってきた。定食のおかずも山盛りだ。私たちが小食なのは燃費がいいせいなんだけれど。とは言えそんなことは言いだせずにいると、青葉がおずおずと口を開いた。
2014-04-16 01:00:55「あの、雷さん。サブ島沖海域のことなんですが……今すぐはちょっと……」 この先も、ではなく、今すぐは。青葉自身がそう言ってくれたことで私の心は躍った。 「ああ、そんなのわかってるわよ。特に青葉は練度もまだまだだしね。三川艦隊の任務とかから始めればいいわ」 「恐縮です……」
2014-04-16 01:05:43「ほら、まずはお腹いっぱい食べなさい!」 大量の食物を載せたお盆を持って雷ちゃんに送り出された私たちは、食堂のテーブルにちょうど四人分の空きを見つけた。一番端に古鷹ねーさんが座る。と、見ると加古がふらふらしながら古鷹ねーさんから二つ席を離して座った。察した私も加古の隣に座る。
2014-04-16 01:10:32これで古鷹ねーさんは加古の世話を焼かずに青葉と隣同士で座れるって寸法よ。それに気づいた青葉が私の方を睨んでくるけどしーらない。 「し、失礼します……」 「うん」 青葉がぎくしゃくしながら古鷹ねーさんの隣に座る。見るからに嬉しそうな古鷹ねーさんを見ると、私まで嬉しくなってくる。
2014-04-16 01:14:00食事に箸をつけると、一日秘書艦をしてとてもお腹がすいていたことを自覚した。加古も今にも寝そうではあったけれどどうにか食べ物を口に運んでいる。青葉はというと、箸が止まっていた。食欲がないのかと思って顔を見ると、何か考え込んでいるようだった。声をかけようかと口を開いた時青葉が言った。
2014-04-16 01:18:47