落合淳思『漢字の成り立ち』(筑摩選書)を購入。パラ見した限り李学勤の『字源』など新しい目の中国の工具書にも言及してますね。何琳儀の『戦国古文字典』を割と高く評価しているようだが、その字書は刊行時期の都合で肝心の戦国竹簡の文字はあんまり拾ってないんですが…
2014-04-16 17:10:40何琳儀は戦国文字の専家だが、甲骨・金文にも造詣が深い、というか元々于省吾の弟子の一人として『殷墟甲骨刻辞類纂』なんかの編纂に従事していたんですな。惜しくも2007年に惜しくも逝去されましたが、生きておられれば戦国竹簡の文字も加えて『戦国古文字典』の増補改訂版を出されたはず…
2014-04-16 17:15:26何琳儀の経歴は戦国文字の研究には甲骨・金文の素養が必要ということを示すものですが、その逆のことも言えるのではないかと。すなわち甲骨・金文の字源研究には竹簡も含めた戦国文字の知識が必要と。実際、今の中国の研究は甲骨文字の字源研究に戦国文字を利用するのが普通となっております。
2014-04-16 17:18:31が、落合さんの本をパラ見する限り、そういう研究状況についてはあまり把握されていない様子で残念です… 李学勤の『字源』についても、本書で指摘されている通り『説文解字』の引き写しが多いのは事実ですが、一方で戦国竹簡を利用した近年の研究成果も取り入れています。
2014-04-16 17:21:25字源研究については、戦国竹簡の大量出現によってこの10年、15年ほどで「パラダイムが変わった」と言われるぐらいに急変を遂げているのですが、その急変ぶりが本書に充分反映されていないようなのが残念です。
2014-04-16 17:24:07【漢文脈と近代日本―もう一つのことばの世界 (NHKブックス)/齋藤 希史】明治人には漢文の素養があったとよく言われるが、その「漢文の素養」の実体とはいかなるものだったのかを論じた書。幕末あたりから「... →http://t.co/xhNii71DTE #bookmeter
2014-04-16 17:53:28@satoshin257 『戦国古文字典 附:戦国文字声系』ですが、楚簡は「包山楚簡」までです。何琳儀は朱駿声(清儒)の音韻学に重きを置いているものの、出土文物と朱説の不一致について何もコメントしていないのはどーかと思っています。ちなみに落合はこのことを理解できていないと思います
2014-04-16 21:39:25@satoshin257 実際、金文を読み解いて色々な論考を発表している〝さとうさん〟はもとより 出土された戦国竹簡のデータを逐次入手するのは、古代中国を研究する者にとっては、〝基礎的な≒(最低限度の)仕事〟となっています。落合氏はそれが十分になされていません。
2014-04-16 21:53:08@satoshin257 『戦国古文字典 附:戦国文字声系』の本質を理解していない証左かと思います。なんでもかんでも、適当にいろんな本を出版している彼の姿勢を見ていると、守屋洋か村山孚などと同じではないかと思えてなりません。
2014-04-16 21:57:15@usagitan 戦国竹簡と甲骨・金文を結びつける研究の先鞭を付けた陳剣の論文なんかも見てないんだろうなと… 新著でも陳剣の著書・論文は参考文献に挙がってませんし。
2014-04-16 21:58:41まあ、陳剣の論文については奇想天外な結論になるものが多いので、読みながらタチの悪い詐欺師に騙されているのではないかと不安になることもあるのだが…
2014-04-16 22:12:58