わがままを出せる教育を

奈良少年刑務所の社会性涵養プログラム「物語の教室」第14期の1回目の授業を終えての感想です。—寮美千子
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寮美千子 @ryomichico

きょうは奈良少年刑務所の社会性涵養プログラム第14期の1回目。受講生と初顔合わせ。朝、教官から電話。引っ込み思案な子が多いので、いきなりの朗読劇は無理、と。急遽、詩の授業に切り替える。谷川俊太郎さんの「けんからならこい」を手拍子を取りながら、みんなで声を出して読む。そして→

2014-04-19 00:37:58
寮美千子 @ryomichico

まずは全員で読み、次に2チームにして、どちらが元気に大きな声で読めるか競うことにした。繰り返すうちに、だんだん声が出てくる。次に、1人1行ずつ順番に読んでいく。声を出すうちに、心もだんだんほぐれてくる→ @ryomichico

2014-04-19 00:40:52
寮美千子 @ryomichico

次に、教室の先輩たちが書いた詩を、みんなで読んで、感想を述べあった。作者のことを知らないのに、彼らは実に的確に、詩の背後の状況を読み取った。「親に愛されなかったのかもしれない」「人に気を遣いすぎてしんどそう」。それは彼ら自身の姿でもある→ @ryomichico

2014-04-19 00:45:04
寮美千子 @ryomichico

奈良少年刑務所の「物語の教室」の受講生たち。感受性が鋭い、感じやすい子たちだ。「感じやすいほど、生きづらい。そんな世の中なのかもしれません」と教官。実際、多くの子がやさしさが勝り、気遣いが勝っている。気を遣いすぎて、その末に爆発して犯罪を犯すことに → @ryomichico

2014-04-19 00:49:06
寮美千子 @ryomichico

「先生にいわれたように、自分のわがままを少しだけ出すようにしてみたら、かえってみんなとの関係がよくなった」との発言に、教官感激。この教室で目指しているのは、自分を自然に出せるようになること。小さなわがままも言えないために、苦しくなっている子が多い→ @ryomichico

2014-04-19 00:58:56
寮美千子 @ryomichico

「工場のみんなに迷惑をかけられないから」と教室に出てこられなかった子。外で会社に通っていた頃、どんなに調子が悪くても無理をして出社、挙げ句の果てにいきなり無断欠勤して退社。意外だが、刑務所に来ている子には、こんな子がかなりの確率でいる。がまんしすぎ→ @ryomichico

2014-04-19 01:12:22
寮美千子 @ryomichico

刑務所での教育というと「わがままを直すこと」だろうと思われがちだが、「物語の教室」は逆。自分をがんじがらめにして、わがままも言えなくなっている子の心の縛りを解いていくこと。心の鎧を外して、楽にしてあげること。小さなわがままを言えるようにすること→ @ryomichico

2014-04-19 01:14:31
寮美千子 @ryomichico

「気を遣いすぎる」というのは「そうしないと村八分にされる」という恐怖の表れ。周囲を信頼していない。人との関係に安心感があれば、必要以上に気を遣うことも、無理なガマンをし続ける必要もない。彼らは、いつも「受け入れてもらえない」という不安と戦っている→ @ryomichico

2014-04-19 01:14:57
寮美千子 @ryomichico

自分が無理なガマンを重ねていると、他人にもそれを強いるようになる。「おまえはどうしてそんなガマンもできないんだ」とすぐキレる。互いが互いの小さなわがままを寛容に受け入れられるような関係性が大切。しょうがねえなあ、といいながら、笑って許せる仲が大事→ @ryomichico

2014-04-19 01:15:32
寮美千子 @ryomichico

奈良少年刑務所の授業、14期目。彼らは、どこまで心の鎧を脱いでくれるだろうか。自然体で、自分を表現できるようになれるだろうか。また、新しいチャレンジがはじまった。がんばろう @ryomichico

2014-04-19 01:17:59
寮美千子 @ryomichico

奈良少年刑務所の社会性涵養プログラムの授業のくわしい様子は、こちらの本に。ぜひ読んでみてください 『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』 http://t.co/q3aRpd9nlO @ryomichico

2014-04-19 01:35:32