地域分散型電源としてのごみ発電のすすめ

原発に変わるべき発電手法には多様なものがあり、それらを有効に組み合わせた地域ごとの総合エネルギー対策が必要です。ここでは、ごみ焼却に伴う熱エネルギーによる発電について、考えをまとめてみました。
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今井長兵衛 @medanjin

環境省廃棄物処理技術情報によると、2011年現在、ごみ焼却施設は1096施設、そのうち全連続運転(24時間稼働)は554施設あり、その57%に相当する314施設でごみ発電が行われている。当面の課題は、既存の全連続運転施設の全てでごみ発電を実施することであろう。

2014-04-25 22:59:56
今井長兵衛 @medanjin

それと同時に、複数の市町村からなる廃棄物処理組合を増やし、全連続運転が可能な量のごみ焼却が可能な焼却場をできるだけ増やしていくべきだろう。ただ、このやり方は、より広い地域から焼却場にごみを搬入する必要があり、搬入経路の決定などに地元の同意を得る必要がある。

2014-04-25 23:09:42

5.市民合意による白煙復活を

今井長兵衛 @medanjin

実は、技術や設備以外にも、ごみ発電量に影響する要因がある。それは住民の方々の「意識」である。ごみ焼却場の煙突からは、水蒸気を出している。水蒸気は100℃で水になり、白煙として可視化する。煙突から出る白煙はかつての公害を思い起こさせるという。

2014-04-22 19:44:36
今井長兵衛 @medanjin

それゆえ、現状では、ごみ焼却施設における白煙防止は不可避の課題である。白煙防止条件は「外気温度0℃、相対湿度70%で白煙がみえないこと」とされている。そのため、煙突入り口での水蒸気の温度は施設によって異なるが、おおよそ150~250℃に調節されている。

2014-04-22 19:45:35
今井長兵衛 @medanjin

ある施設での実プラント実験では、煙突入り口の水蒸気の温度を230℃から200℃に下げたところ、発電量が5%増えた。別の施設では145℃から125℃に下げて、煙突からの水蒸気排出量が10%減り、発電量は300 KWh(割合のデータ無し)増えたという。

2014-04-22 19:46:52
今井長兵衛 @medanjin

つまり、煙突から排出する水蒸気の温度を下げれば、その分のエネルギーを発電に回すことができ、発電量は現状より増加するのである。同時に、煙突からの排熱量は減少するので、焼却場の持つ負の側面であるヒートアイランドや温暖化促進効果をさらに低減することも期待できる。

2014-04-22 19:47:55
今井長兵衛 @medanjin

当然ながら、目に見えても見えなくても水蒸気は煙突から出ており、白煙が見えるか否かは、熱汚染以外の大気汚染には無関係である。そのことをきちんと説明し、住民の方々の同意を得て、煙突から排出する水蒸気の温度を煙突が腐食しない範囲で最も低いレベルに設定すべきと考える。

2014-04-22 19:49:01
今井長兵衛 @medanjin

住民の方々の合意が得られ、仮に煙突入り口の水蒸気の温度を30℃下げることができ、そのことによって発電量を5%(前述の実プラント実験の結果)増やせるとすれば、ごみ発電量は約13500 GWhとなり、電力9社の送電ロス量の約35%に相当することになる。

2014-04-22 19:50:06
今井長兵衛 @medanjin

このように見てくると、ごみ発電は、地産地消の分散型電源として有用なものの一つと考えて良いと思うのだが、いかがだろうか?

2014-04-22 19:51:04