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レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド #9

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ:10100017 レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド」#9
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マジェスティことカラカミ・ノシトは、TV中継放送を目前に、プレジデント・ルームでアマクダリ・セクト総帥ラオモト・チバとの定時連絡を行っていた。 1
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アマクダリ紋のランプが明滅する大型モニタ。その向こうにはチバがいる。マジェスティはエルゴノミック椅子に深々と座し、権威の象徴たるプラチナロッドを弄んでいた。「現時点で、ニンジャスレイヤー出現の情報は無い」チバが言う。「こちらも、変わりありません」マジェスティも涼しい顔で言う。 2
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「本当に今夜、奴が行動を起こすとでも?平時よりもむしろ警戒態勢が強い、こんな夜に?」マジェスティが問う。「奴に常識は通じん」チバが言う。マジェスティはにこやかに微笑み、この頭の固いヤクザを胸の内で嘲笑った。「では、待機中のアクシス全員で貴方のいるトコロザワを守らせてみては?」 3
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「ナンセンスだ」チバが苛立つ。……そう、ラオモト=サン、個人的感情を含み過ぎる貴方の警戒ぶりも、全くもってナンセンスなのだ、とマジェスティは心の中で独りごちた。彼は自ら関わった今夜の戦力配置の確かさと確率論を信じる。ひとたび己のポジションを決めたならば、恐怖心や迷いは不要。 4
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「それに、奴は非常識に見えて、意外にも奥ゆかしい。だから我々は付けいる。奴は自らの復讐に他者を巻き込んだり、社会に多大な影響を与える事を、嫌っている。奴は公の場には現れない。そして私は間もなくTV中継……」微かな通信ノイズ。彼は蠅の羽音を聞いたかのように、僅かに顔をしかめた。 5
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それはあの微弱な電波だ。あの狂人がまだ生きているのか?デリヴァラーとかいうニンジャは始末したのではなかったのか?「どうした、マジェスティ=サン」チバが問う。「何でもありません。TV中継の時間ですので、ごきげんよう!ニンジャスレイヤー=サンにお気をつけて!」定時通信は終わった。 6
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マジェスティは同じフロアにあるTVスタジオへ向かう。奴隷秘書が群がり色直しをする。彼は自分のペースで歩み、部下にIRCを送った。「イディオット共め。こんなくだらんノイズが上に伝わり、防衛システムの調和を乱したらどうする」そして秘書を三人ほどロッドで殴り殺し、リフレッシュした。 7
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「スカッとした!」彼は使い捨てタオルで汗を拭ったかのような気軽さで笑い、撮影スタジオのドアをくぐった。これから彼は、カラカミ・ノシトとしての戦いに臨むのだ。シバタが今夜、ネオサイタマの政治システムを簒奪するのと同様に。この重要な戦いを、あの汚い二匹の小蠅に乱されてはならない。 8
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同じ頃、ストームホークは強化ガラス階に開いた小さな穴から1階へ着地していた。「……シデムシが破壊されている。あのDJの気配がない。機材もだ」彼は確実に、デリヴァラーの爆発四散を察知していた。そしてリソースを効率化するため、取るに足らぬモータルの始末を末端システムに任せたのだ。 9
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ストームホークは妙な胸騒ぎを覚えた。だがそのような漠然とした報告は、マジェスティが最も嫌うものだ。デリヴァラーを殺し損じたか?有り得ぬ。ではこれは何だ?……遥か上の強化ガラス階で、エレベーターが開いた。トルーパーズが射撃を開始した。何が起こっている?やはり生きているのか? 10
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「報告しろサンダーローニン=サン!奴が生きているのか?」ストームホークはIRCを飛ばし、嫌な汗を滲ませながら柱を蹴り登った。ノイズが強まる。DJは間違いなく上だ。サンダーローニンが上層階から着地し、DJを背負ったニンジャがオナタカミ・トルーパーズの大軍と交戦するのを認めた。 11
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「過信が招いた、私の重大な判断ミスでした。蠅が生きています。奴らを確実に始末します……」ストームホークはIRCを送り、強化ガラス階へと急行する。既にスタジオでは「知事の健康状態に対する経済界からの視点」が開始されていた。ノシトはIRC端末の文面を見やり、舌打ちして裏返した。 12
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冷徹なショーギ盤めいて、強化ガラス階の床には黒く細い支柱が縦横に走り、マトリックスを成している。先程デリヴァラーがプラズマ・カタナで突き破った小さな1セクションを下からくぐるように、ストームホークは風のように回転跳躍し、着地した。そこには、赤黒い死の旋風が吹き荒れていた。 13
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「ヨー、人々!再び反撃開始だ!」殺戮の中心でゼン忘我の境地に達し、マイクロフォンに向かって叫ぶのは、DJヒナヤ・イケル・タニグチ!「ヘイ、人々、聞け!今夜まさに!ジゴクへと向かうレディオだ!」彼は死後にニスイと同じ場所へ向かう覚悟だ。だが、まだ死ねぬ!彼は往生際が悪い! 14
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そしてタニグチを背負い、悪鬼の如きカラテでクローンヤクザの大波を次々と突破する男……!彼はかつて、ニンジャ抗争によって妻子の命を奪われ、自らも死の淵にあった。ニンジャソウルの憑依によって一命を取り留めた彼は、ニンジャスレイヤーとなり、果てしない復讐の戦いに身を投じたのだ。 15
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それは私的な復讐の戦いであった。そして憎悪を鍛え直し、エゴを鍛え直したニンジャスレイヤーは、ナンシーとともに分刻みの緻密な作戦を練り上げていた。彼は予定時刻にマジェスティのビルへと突入した。そこで彼は偶然にも、タニグチを見た。そして彼は、自らの意志でこの男を背負ったのだ! 16
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「何だ……こいつは…!」ストームホークは四方八方へと弾き飛ばされるオナタカミ・トルーパーズの大軍をかきわけながら、それを見た!サンダーローニンの生首を腰に吊った殺戮者の姿を!「ドーモ、ストームホーク=サン」死神は一瞬の銃撃の隙をつき、アイサツした。「ニンジャスレイヤーです」 17
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「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン、ストームホークです……!」彼はノイズ混じりのIRCを上層階に届けると、直ちにカラテ交戦を開始した!「イヤーッ!」死神が跳躍!トルーパーズの頭を蹴り渡り、ジャンプチョップを振り下ろす!「イヤーッ!」ストームホークはこれを側転回避!ワザマエ! 18
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「ヘイ、人々!聞け!テイルスピンで跳躍!投擲!システムの喉に突き立てる八芒星!」DJタニグチのラップが神懸かる!叫び続ける!さもなくば意識が途絶えてしまうからだ!「奴らのブルシット・ハナフダ奪い取り、破り捨てて失禁させ、馬乗りになって殴り続ける!ナムアミダブツ!光あれ!」 19
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マイクロフォンに血の唾が飛ぶ!ニンジャのイクサで再びタニグチの視界は狂ったように回転し、どちらが地上かも解らぬ!血飛沫と煙が視界を覆う!銃弾とスリケンが頬を霞める!「人々!起きろ!」だが意識を途絶えさせるわけには行かぬ!ニスイの声を伝えねば!「光あれ!」すると電波があった。 20
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「ヨー、人々!…行くぞ!」サイバーサングラスに、電波インジケータが漲った!レディオが息を吹き返す!おお、メガヘルツ解放戦線は到来せり!『……俺のレディオ!届いてくれ!タノシイ・ストリートへ!テモダマ・ストリートへ!コモチャン・ストリートへ!』ニスイの放送データが再生される! 21
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
同刻。サイバーレインコートを着た失意のロックスターは、陰鬱な重金属酸性雨にその反抗的な頭を押さえつけられながら、ストリートを歩いていた。感覚を麻痺させた人々の列は冷たく、プレス工場へ向かう素材めいて無表情。だがロックスターは不意に、既に死に絶えたはずのKMC電波を受信した。 22
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ロックスターは息が止まりそうなほど驚き、仰ぎ見た。おお……ゴウランガ!見よ!過剰消費広告とブルシット報道に塗れたネオサイタマのサップーケイ摩天楼を、再び、黒いキツネの旗がジャックする!そしてDJデリヴァラーの声だ!『…ニチョームへ!オオヌギへ!システムに抑圧される場所へ!』 23
Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
電波は増幅され奇跡的にリレイされた。タノシイ・ストリートへ。テモダマ・ストリートへ。コモチャン・ストリートへ。ニチョームへ。オオヌギへ。そしてシステムに抑圧される場所へ。一夜限りの再結成を果たしたBSCVATMの新曲とともに。ロックスターは涙をこらえ、キツネサインを掲げた! 24
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2014年4月27日
レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド #1 http://togetter.com/li/646824
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