『聖なるものの刻印 科学的合理性はなぜ盲目なのか』 ジャン=ピエール・デュピュイ/著

宗教学者 島薗進氏のツイートをまとめました。 書籍の紹介と、その書籍に関する「図書新聞」掲載の対談に関する内容です。
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島薗進 @Shimazono

デュピュイ『聖なるものの刻印-科学的合理性はなぜ盲目なのか?』 http://t.co/L1NEMCvBb8 「医学・生命科学の発展で、産み分けが進んだり長寿化が進んだりした場合、人類社会を襲う破局的事態も想像はできるが、予想はできない」。

2014-04-27 18:33:27

倫理良書レビュー
2014年1月 島薗教授おすすめの図書
ジャン=ピエール・デュピュイ 著
『聖なるものの刻印-科学的合理性はなぜ盲目なのか?』
西谷修也他訳 以文社 2014年刊(原著、2008年)
http://www.rinri.or.jp/research_support_Shohyo1401.html

島薗進 @Shimazono

デュピュイ『聖なるものの刻印』 http://t.co/L1NEMCvBb8 「2008年の原著刊行時点での最新科学技術による破局的な事態の予想は、ナノ・テクノロジーによるものだ。とりわけ「合成生物学」synthetic biologyは注目度の高い新科学技術領域だ。」

2014-04-27 18:35:27
島薗進 @Shimazono

デュピュイ『聖なるものの刻印-科学的合理性はなぜ盲目なのか?』 http://t.co/L1NEMCvBb8 「何がもたらされるか分からない「ナノの夢」の魅惑も「聖なるものの刻印」を帯びている。原子力安全「神話」のことを思いだしてもいいだろう。」STAP細胞も同様。

2014-04-27 18:36:15
島薗進 @Shimazono

デュピュイの論http://t.co/L1NEMCvBb8 「だが、それらの聖性は十分な統合力をもつことはない。近代的な科学技術や他の諸システムが、限られた時空の聖性を再生産し続けながら何とか生き延び続けようとしている危うい「宗教」的なものだ。」

2014-04-27 18:36:32
島薗進 @Shimazono

デュピュイの論http://t.co/L1NEMCvBb8 「だから現代社会は「脱聖化」による解体の不安にとりつかれており、それがまた疑似超越的なものの再生産を促すことになる」デュピュイはこのような現代文明のとらえ方を3人の「ハイデッガーの子どもたち」に学んだという。

2014-04-27 18:36:58
島薗進 @Shimazono

デュピュイの論http://t.co/L1NEMCvBb8 「これらの著者たち…「悪の不可視性」ということだ。」「アレントが論じたように、イエルサレムのアイヒマンは単に凡庸な人物であることを露わにした。その凡庸さこそがナチスの巨大な悪を支えていた。これは原子力ムラの悪でも同様だ」

2014-04-27 18:37:38
島薗進 @Shimazono

デュピュイの論http://t.co/L1NEMCvBb8 「このように世俗性に依拠しているように見える現代社会だが、実は伝統的な宗教…から派生してきた聖性によってかろうじて統合を保っている。破局とはこの統合が弱まり(「脱聖化」が破壊的に進み)、突然、巨大な悪が露わになることだ」

2014-04-27 18:38:12
島薗進 @Shimazono

『図書新聞』「現代の思考は何を忘れているのか」 http://t.co/8YAAe73Kl0 「政治的・倫理的問題として、原発や生命科学の新しい問題に取り組んでいる。しかしそこには(理系・文系の)大きなギャップがあって、それが3・11以後…やや悲劇的なかたちであらわになり」

2014-04-27 18:39:44

図書新聞 書評紹介
現代の思考は何を忘れているのか 「合理性」は間尺に合わない
――対談 西谷修×島薗進 
J=P・デュピュイ著『聖なるものの刻印』
http://www1.e-hon.ne.jp/content/toshoshimbun_2013_syohyou_3149_1-1.html

島薗進 @Shimazono

『図書新聞』「現代の思考は何を忘れているのか」 http://t.co/8YAAe73Kl0 「(理系・文系のギャップの)修復がつかないようになっています。そうした中で、デュピュイは今後必要とされるであろう科学と人文学の橋渡しをやってきた人」

2014-04-27 18:40:45
島薗進 @Shimazono

『図書新聞』「現代の思考は何を忘れているのか」 http://t.co/8YAAe73Kl0 「デュピュイの議論は…具体的な場面で適用できるものも…」「大事なものとしては、リスク論の限界――功利主義批判ともつながっていますが――から破局論に持っていく」。

2014-04-27 18:44:05