「美術教育におけるプチ哲学 立体編」

以前(2010-06-14)に書いてたのを思い出したので、メモ代わりにまとめておく。「立体編」
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miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その1」人は「3次元」の空間に生きているが、物事を2次元的(平面的)に捉えることが多いように思う。

2010-06-14 03:15:10
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その2」平面的に捉えるとは、抽象化し記号化すること。そういう意味で絵画表現は、名も無きものに名前を与えていく作業に似ているのかも知れない。彫刻表現はもっと直接的で、概念を記号化する前に存在させている様な所があるのではないかな。

2010-06-14 03:22:07
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その3」彫刻、或いは立体による表現の特徴としてはその「存在感」ではないだろうか。私たちが住んでいる「3次元」の空間に同じく存在する。そういう意味で、絵画表現の「概念世界」との決定的な差異がある。

2010-06-14 03:25:10
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その4」古くは土偶や埴輪など、信仰や祈りを具現化したものとして、立体による造形物が創られた。技術的に絵を描くよりも直接的な表現であった事もあると思うが、生活空間の中に「存在」していることで、身近に感じる所は大きいのではなかったかと思う。

2010-06-14 03:32:39
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その5」信仰や祈りという「宗教的」テーマは表現の歴史において大きく取り上げられているものであるが、文字や絵画で表現される世界は「概念的」性格が強く、立体で表現される世界はより直接的に一体感を感じるのではないか。現実の空間に「在る」という感じ。

2010-06-14 03:39:23
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編(息抜き)」芸術用語だけではないが、海外から持ち込まれた概念を、日本語に訳した言葉の扱いに戸惑うことが多い。「彫刻」もそう。sculptureの訳語として相応しいのかな?困った時には「立体造形」という言葉を使うようにしているが…

2010-06-14 03:48:40
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その6」近代以降、表現テーマが宗教から離れていき、多様な立体造形作品が生まれているが、私たちと同じ空間に在るという「次元」を否定した作品はない(…はず)。その「次元のレベルが私たちと同じ」というのが立体造形の大きな特徴なのかも知れない。

2010-06-14 04:00:38
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その7」少し軌道修正。ウチの長男の話。小さい時から絵を描いたり、粘土を触ることが日常的に出来る環境があったので、モノゴゴロついた頃からせっせと作品を作り続けている。その様子を観察していると面白い事実が確認できた。

2010-06-14 04:06:40
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その8」子どもの作品。最初期はグチャグチャだが、だんだん意味を持ってくる。そして、何かを意識的に、例えばアンパンマンを粘土で作ろうとすると、すっごく平面的に作る。まず顔になる円盤状の板を置き、その上に目、鼻、口などを「絵を描くように」置いていく。

2010-06-14 04:12:51
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その9」日が経つと、「絵で描いたような」平面的表現から少し立体的な表現になってくる。例えば、ウルトラマンを作ると、顔は円盤から球体に、そして姿勢は直立ではあるが、二本の足で自立するようになった。

2010-06-14 04:17:16
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その10」その次に、直立していた体の姿勢に変化が表れる。つまりシンメトリーを崩すことが出来てくる。具体的に言うと、直立していたウルトラマンが、スペシウム光線を出すあの格好で立つようになったのだ。(…ちなみにその光線も、粘土で「実在」してましたが)

2010-06-14 04:21:36
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その11」息子のウルトラマンが立体的な動きを持つようになった頃、彼の描く絵にも変化が。絵の中でも、直立していたウルトラマンが立体的に描かれるようになってきたのだ。「こう手を曲げてるから、それをこっちからみたら、こう見えるな」とかブツブツいいながら

2010-06-14 04:32:59
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その12」子どもの作品の変化を見て、立体イメージを掴むことで、それこそいろんな方向から見る「視点」を持つことが出来たのではないかなと思った。上手く作品を作る事が大切なのではなく、作ることで考える、いろんな視点で考えることができるのではないか。

2010-06-14 04:37:42
miki moriaki @miki_moriaki

「美術教育におけるプチ哲学 立体編その13」立体的に物事を考える、ということは現代を生きる人にとっても重要なメタファーを孕んでいると思います。というところで今回は終了です。

2010-06-14 04:40:44