ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける

たったひとりで出版社を立ち上げて20年。社長兼社員として編集から営業、販売までをひとりで担い、大手が作らない本を地道に出し続けてきた。時代がいかに変わろうとも、必要とされる本がある限り、ひとり出版社のフル稼働の日々は続く。
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今年で創業21年目。20年間でコツコツ出し続けた本は825冊、月に4冊から5冊の新刊を出版し、年商は1億2000万円とか。出版不況と言われるご時世にひとりで達成したこの数字は衝撃的ですらある。 http://t.co/GQLTLVHzzE ひとり出版社「岩田書院」

2014-05-15 16:00:16
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岩田書院の本は、民俗学系か歴史の専門書がほとんど。論文が本になってやっと非常勤講師として研究者の一歩目を踏み出せる。だが、一般的に売れるものではないし、余裕のない研究者には費用の負担が難しい。 http://t.co/XzzeUmvRLq ひとり出版社「岩田書院」

2014-05-15 16:36:52
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「大きな出版社では、最初から100万円用意するとか、100部買い取りが条件だったりして本が出せない。うちはひとりだから採算分岐点が低い。400部刷れば20部とかね」 http://t.co/FNBD6L18Bo ひとり出版社「岩田書院」

2014-05-15 16:38:07
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専門書や学術書は多くても1000部から1500部くらい。でも、“集団的自費出版”という言葉がありまして。買う人は同じ分野の研究をしている人で、読者は次の著者でもあるわけ。同じ村の人が出した本を同じ村の人が買うことで回っていく。 http://t.co/ev8Qsei6Le

2014-05-15 16:40:56
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この集団に入ってしまうと、研究者も出版社も仕事が回り、継続と進化が遂げられる。集団に入るための最初のハードルをひとり出版社は低くすることで依頼が増えた結果、年間60冊という点数に。岩田の日々は高速回転しなければ回らなくなったという流れ http://t.co/X6lNIVZJQu

2014-05-15 16:42:49
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「600万円の年収を得ようとした時に、1年6冊しか出せなかったら1冊で100万円の利益を出さなければいけない。これは極めて難しい。でも60冊出せば、1冊につき10万円の利益を出せば達成できる」 http://t.co/SY1Dif5nlP ひとり出版社「岩田書院」

2014-05-15 16:43:44
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春と秋に集中する学会シーズンには、毎週末、学会の開催地を行商に飛び回る。「みんな買う気で来ている人たちの集まりですからね。大きな学会だと2日で100万円とか売れるし、これも気分いいですよ。でも、売れない学会は、全く売れない」 http://t.co/7jfyflsEx1

2014-05-15 16:51:07
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仏教的な無常観の漂う『九相図資料集成』という8900円の本が3刷まで版を重ねた。日本人の死生観に関する歴史研究書『死者のゆくえ』も新聞書評欄で取り上げられ4刷を記録。「こういうのがたまに出るから売れない本も出せます」 http://t.co/JXQ2IGCcJo

2014-05-15 16:53:33
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「出版文化を守るためなんて言えればいいんでしょうけどね。そんなんじゃないし。人に頼まれて、本を出して喜ばれて、食べていける。だから続けられるんでしょうね。…息子は親父のようになりたくないと思ったのか公務員になっちゃいました」 http://t.co/IsqrcxEkIX

2014-05-15 16:55:58

岩田 博(いわた ひろし)1949年、東京都出身。大学で日本史を学び、卒業後、出版社勤務を経て93年に岩田書院を創業。以来ひとりで会社を切り盛りし、現在までに歴史、民俗学の専門書を中心に800点以上を出版。(写真:赤城耕一)

元記事はこちら

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吉永みち子(よしながみちこ)
1950年、埼玉県生まれ。85年、『気がつけば騎手の女房』で大宅壮一ノンフィクション大賞を受賞。著書に『母と娘の40年戦争』(集英社文庫)、『怖いもの知らずの女たち』(山と渓谷社)などがある。

記事に寄せられたコメント

糖類の上 @tinouye

すごい人&出版社があるもんやなぁ、、、驚愕。「ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける 岩田 博 (「岩田書院」社長) WEDGE Infinity(ウェッジ) http://t.co/buy6kRb9Ik

2014-05-15 03:08:24
キリュー @quiriu_pino

社長!岩田社長じゃないスか!全力で拡散せざるを得ない【ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける 岩田 博 (「岩田書院」社長) WEDGE Infinity(ウェッジ) http://t.co/qJISL9FKrc

2014-05-15 07:47:14
MukunokiYasuo @Mukunokiy

こういう出版の、というか編集の、というか、プロフェッショナルが支えている部分があるのだなぁ / “ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける 岩田 博 (「岩田書院」社長) WEDGE Infinity(ウェッジ)” http://t.co/eoXr2PQpGF

2014-05-15 08:39:33
野崎洋子 @mplantyoko

オレも社長兼平社員だけど、すごいなーw ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける 岩田 博 (「岩田書院」社長) WEDGE Infinity(ウェッジ) http://t.co/mVUrf0hlIZ

2014-05-15 09:03:46
lotushouse @lotushouse

やーなんかこれが本来的な生態系だと思いますよね近代論壇文壇詩壇歌壇もそうだしが今で言えばコミケだってさ... http://t.co/cfQSRsT0Xl

2014-05-15 09:15:49
いいだ @t2akii

へえええ面白い!>「こういうのがたまに出るから売れない本も出せますけど、欲をかいてはいけない。そう売れるもんじゃないと身に沁(し)みついていますから」>ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける 岩田 博 (「岩田書院」社長) http://t.co/VRRzJrmBRw

2014-05-15 09:23:47
アヨハタ @ayohata

この出版社の本、前にビブリオホリックで買って読んだ。これからの形(創業21年目だけど)だと思うんですよね、こういうの。 / “ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける 岩田 博 (「岩田書院」社長) WEDGE Infin…” http://t.co/o8Q2tV28dO

2014-05-15 09:55:38
黒にーさん【ワクチン4回接種完了】 @kuro_23

「集団的自費出版権」って言い得て妙だな。そういう狭い範囲で書籍の文化って意外と維持できるもんなのね。 / “ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける 岩田 博 (「岩田書院」社長) WEDGE Infinity(ウェッジ)” http://t.co/RMUnennyB5

2014-05-15 10:03:36
Rebis @rebisdungeon

一人で出版社って凄いですよね。勉強のために岩田書院の本買うことがあるので以前から知ってましたが、写真が迫力! ■ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける 岩田 博 (「岩田書院」社長) WEDGE Infinity(ウェッジ) http://t.co/RyDCc0p3YA

2014-05-15 10:07:19
酔仙亭響人 @suisenteikyohji

出版の世界はおもしろい。>ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける 岩田 博 (「岩田書院」社長) WEDGE Infinity(ウェッジ) http://t.co/CapDwb0zps

2014-05-15 11:24:43
もぐもぐ @mgmgnet

“『野兎の民俗誌』って本を出しましたが、野兎の研究している人って少ないでしょうね” ひょえー超かっこいい / “ひとり出版社「岩田書院」 知の容れ物を作り続ける 岩田 博 (「岩田書院」社長) WEDGE Infinity(ウェッ…” http://t.co/bzASgKVoA7

2014-05-15 12:47:12