上田早夕里氏の創作法

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@Ued_S

二番目の段階。ストーリーを最初から最後まで考える。この段階では、まだ大雑把なものなので、後々がらっと変えたりしますが、とにかく一番目のストーリーを考える。このとき、最低限必要なのは、

2010-11-12 17:51:18
@Ued_S

「物語をどんな場面から始めるか」「どんな雰囲気で書くか(暗いとか明るいとか、冷たいとか熱いとか)」「何を山場に持ってくるか」「エピローグの雰囲気」「登場人物の名前・プロフィール」

2010-11-12 17:51:48
@Ued_S

まだまだ抽象的な印象が強いが、この段階で、細かいことをどんどん決めていく。でも、順番通りじゃない。思いついたところから書きとめていく。断片を少しずつ集めていく感じ。新しい資料はこの段階で入れていく。ある程度集まってきたら、並べる順番を決めて、

2010-11-12 17:52:18
@Ued_S

全体の形を把握する。

2010-11-12 17:52:30
@Ued_S

この段階まで来ると、担当編集さんから、「じゃ、その線で《プロット》を提出して下さいねー」と言われても対応できるようになる。

2010-11-12 17:52:48
@Ued_S

ちなみに、先ほど書いたジェフリー・ディーヴァーは、この「アイデアを練る/プロットを作る」の段階で、作品の9割9分を完成させているような印象。私は、そんな細かいことは絶対にできません。たぶん、そこまで作り込んでしまうと、実際に執筆するときに、

2010-11-12 17:53:43
@Ued_S

書くためのモチベーションを維持できないと思う。「自分の中でも、まだよくわかっていない部分」や「作品世界や登場人物に対する、解決のつかない、もやもやした疑問」が残っていないと、文章を作ったり、作品世界の生々しさをイメージできない。ただ、大量生産型のプロを目指したい人は、

2010-11-12 17:54:13
@Ued_S

ディーヴァー型の執筆方法を、何らかの形で取り入れたほうがいいと思う。原稿を書く速度が格段に早くなるはずなので。

2010-11-12 17:54:36
@Ued_S

この先、まだまだ続きますが、今日はここまで。ここから先の作業は、「書く」だけでなく、「削る」「抜く」「差し替える」という判断が重要になって参ります。

2010-11-12 17:57:33
Schün Ngash @Schunag

僕の知る中でディーヴァー型の執筆法を使う米作家がもう一人いて、それはジェイムズ・エルロイです。RT @Ued_S ディーヴァー型の執筆方法を、何らかの形で取り入れたほうがいいと思う。原稿を書く速度が格段に早くなるはずなので。

2010-11-12 18:01:11
@Ued_S

そうそう、そうなんですよね。エルロイは、よく「情念の作家」と呼ばれますが、決してそれだけの人ではない。とてつもなく緻密な構成力を持つ作家です。RT @Schunag: 僕の知る中でディーヴァー型の執筆法を使う米作家がもう一人いて、それはジェイムズ・エルロイです。

2010-11-12 18:16:35
@Ued_S

.@Schunag 昔、どこかの掲示板で、「エルロイというのは、部屋一杯に広げた風呂敷を、少しずつ丁寧に折り畳んでいって、胸ポケットにきちんと入るサイズに出来る感性を(作品執筆の上で)持っている人だ」と評していた読者がいましたが、まさに、そういう性質を兼ね備えた作家だと思います。

2010-11-12 18:17:25
Schün Ngash @Schunag

ディーヴァーも梗概が150ページくらい、と言ってましたが、エルロイも200ページだか300ページだかの梗概を書くとの由。上田早夕里さん @Ued_S が危惧なさっている「キッチリ決めることによる書くモチベーションの低下」はありそうですが(続く)

2010-11-12 18:05:05
Schün Ngash @Schunag

エルロイ本人に訊いたところでは、「ガッチリと軌道をダイヤグラムのように決めておいて、書く段になったら感情にまかせて、ダイヤグラムの上を驀進する」というような答えでした。(続く) @Ued_S

2010-11-12 18:05:31
Schün Ngash @Schunag

ディーヴァーも、アウトラインを書くときは論理的な脳、執筆のときは感情的な脳を使う、というようなことを言っていたので、そういう使い分けでモチベーションを保っているのかな、と思いました。 @Ued_S

2010-11-12 18:05:39
@Ued_S

@Schunag あー、それは面白いですね。私は、そういう切り分けはまったくできません。プロットも執筆も、エモーションが動機になっていないと進んでいかない感じです。なので、半分残して本執筆に移行するという……。これは、プロとして続けていくときに、

2010-11-12 18:19:38
@Ued_S

@Schunag 複数の仕事が重なると、精神的にものすごく負担になってくるので、もうちょっと、きっちり切り替えられたらなあと思うのですが、なかなかうまくいきません。

2010-11-12 18:20:16
Schün Ngash @Schunag

@Ued_S そうはいっても「気が乗る/乗らない」といったようなことで執筆は大いに影響されるものだと推察しますので、心のグルーヴにいちばんピッタリくるアプローチが一番だと思います。エルロイの緻密さには激しく同意です。緻密と激情が同時にあるのが凄いところですよね。

2010-11-12 18:58:53
@Ued_S

先日の続き。前にも書きましたが、私はデビューするまで8年ぐらいかかってしまって、その間、一次選考すら通過しないという状態がずーっと続いていました。7年目に、突然、第三回小松左京賞の最終選考に残ったのだけれど、このときに残れた理由というのは、いまでも全然わからない。

2010-11-15 22:00:02
@Ued_S

無理に理由を想像してみるならば、

2010-11-15 22:00:14
@Ued_S

(1) SFの新人賞では長編の枚数上限が最大だった(当時800枚)ので、あまり枚数を気にせず自由に書けた。

2010-11-15 22:00:32
@Ued_S

(2) 大好きな小松左京さんが選考委員だったので、原稿を書くときに、ちょっと気合いが入った。←こういう理由は、結構大切。

2010-11-15 22:01:07
@Ued_S

(3) 過去の受賞作と、候補作として残って発刊された作品を全部読んでみて、あー、この賞なら自分の作風と合っているかもと思った。

2010-11-15 22:01:26
@Ued_S

(承前)この時点で発刊されていたのは、平谷美樹『エリ・エリ』(受賞作)/浦浜圭一郎『Domesday』(佳作)/武森斎市『ラクトバチルス・メデューサ』(候補作)/大迫純一『ゾアハンター』(候補作)/町井登志夫『今池電波聖ゴミマリア』(受賞作)

2010-11-15 22:02:17
@Ued_S

この五作が、全部、自分の好みと傾向が一致していた。先行作品が自分の好みと一致しているかどうかは、賞選びのとき、結構大切な基準であると思う。ただ、このあたりは主観の問題なので、自分で「合っている」と思っても、

2010-11-15 22:02:53
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