.@Schunag 『火星ダークバラード』終盤の展開は単行本と文庫ではまったく違います。しかも単行本では主人公の年齢設定が若いのでやたらと暑苦しく、初読時はまったく好きになれませんでした。単行本版しか読んでない人は損していると思いますよ。
2010-12-07 00:16:15@hkazano てっきりラストだけ(年齢の件はあとがきにありましたが)さしかえた程度かと思っていたのですが、それだけではないのですね。と、検証のためにも読んでみようかというふうに思わせるくらい、よい作品でした。
2010-12-07 00:21:53拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。エルロイ好きの方は文庫版を読めば充分です。単行本版にはノワール的な要素はほとんどありませんので。RT @Schunag: 刊行時にミステリ界で語られてた記憶がないけど上田早夕里『火星ダーク・バラード』(ハルキ文庫)は
2010-12-07 13:59:16@Schunag ノワール色は、文庫改稿の際に自分の一存で入れました。それをやりたいがための改稿だったので。冒頭から全ページに手を入れて、作品の構造そのものを変えています。
2010-12-07 14:00:36@Schunag ただ、文庫版の内容では、小松左京賞を受賞しなかっただろうというのが私の判断です。文庫版の内容は、左京賞応募作としては完全にカテゴリ・エラーなので。投稿時には投稿時の事情が、プロになってからはプロとしての事情が書き手にはあります。
2010-12-07 14:01:09@Schunag ネットに選評がまだ残っていますが、これを読んで頂くと、単行本版のどこが評価されて受賞に至ったのか、現物を読まずともある程度推察可能です。
2010-12-07 14:01:44@Schunag 小松さんの評価点は文庫版では後退している諸要素ですが、左京賞の選考としては、実に正しいものだと私は思っています。http://bit.ly/esO9h5
2010-12-07 14:02:19@Ued_S 返信を頂戴し、恐縮しております。なるほど、改稿は物語の質感が変わるほどに徹底していたのですね。後半、各人の過去が明らかになりはじめて以降の加速に震えました。選評にある美点も損なわれていないと思います。中途の「黒いダリアに~」という台詞はエルロイへのめくばせでしょうか
2010-12-07 14:36:56@Schunag 黒いダリアのくだりはその通りです。あそこがわかる方は、作品全体の意図も読み誤らないだろうと思います。もともと私が考えていたのは、火星を舞台にLA四部作を書いてみたら…という事で、惑星をひとつ開発していくうえで当然起こり得るであろう政治的闘争や企業同士との泥仕合を
2010-12-07 15:05:52@Schunag SF視点で書けたら面白いだろうなと考えていたのです。登場人物は全員中年以上、美少女も無し。しかし、そんな作品はSFの新人賞向けではありません。小松左京賞の主旨にも合いません。なので、すっぱりシンプルな話に変えてしまいました。
2010-12-07 15:06:17@Schunag 小松左京さんとは受賞後に何度もお会いしていますが、当時、小松さんが大喜びなさっていたのは、「若い登場人物たちが自己の存在理由を問い直し、自力で闘い、そして未来を懸けて宇宙へ出て行く」という、この部分でした。
2010-12-07 15:07:32@Schunag それは「小松左京賞」の性質を考えたとき、当然の帰結だと思います。作品の上手・下手だけで言えば、改稿版(文庫版)のほうが上手になっていて当たり前です。五年もプロをやった後の改稿なのですから。しかし、投稿作品というのは上手・下手だけが選考基準ではなく、
2010-12-07 15:08:06@Schunag あと、人から訊かれたときに、いまは文庫版のほうを読んだほうがいいと回答しているのは、短編集に書き下ろし番外編を入れることに成功したので、そちらとの絡みです。「ダークバラード」と「小鳥の墓」は本来ひとつの作品であるべきところを、事情があって分けてしまったので、
2010-12-07 15:19:40@Schunag 本当は両方読んでもらわないと意味がないわけで。理想を言うと、この二作を合わせ、さらにもう一本、ジョエルの遍歴でまだ空白になっている部分を書き下ろした計三本の作品で合本を作るべきところなのですが、こんなことを引き受けてくれる版元さんはないだろうと思われるので、
2010-12-07 15:20:29@Ued_S LA四部作のような構想だったとは!後半で中国や欧州連合と火星総研の関わりが少し言及されていましたね。『華竜の宮』でもパワーゲームが魅力的に描かれていましたので未完は勿体ない… 「小鳥の墓」も再読せねばとも。なお体調不良の折とのこと気づきませんで失礼いたしました。
2010-12-07 19:02:18『ミステリーの書き方』(日本推理作家協会編著/幻冬舎)購入。ぱらぱらっとめくっただけでも、とても役に立つすごい本だとわかります。ミステリーに限らず、エンターテインメントを書きたい人にとっては必読の書ですね。
2010-12-07 18:26:14こういう本は、ここから何かをもらっていくだけでなく、「自分には何が足りていないのか」を確認するのに役立ちます。そして、足りない部分というのは、あくまでも自分の価値観で作り出していくしかない。
2010-12-07 18:59:20