二日目昼・夜 - 極彩鮮滅

昼は「06/19/22:30」から「06/23/22:30」まで、夜は「06/23/22:30」から「06/27/22:30」までの記録です。
1
猩々緋 麻也 @red_shojohi

イメージを落としこんでいく――――『飛び』『斬り裂け』その瞬間、血液は【赤】へと変わる。それが、彼のイメージによって、大量の鋭く小さいブーメランのような形状に変えられていく。

2014-06-23 20:40:41
猩々緋 麻也 @red_shojohi

それが、フィーネへと素早く――様々な軌道を描いて飛ぶ。前から、あるいは左から、右から、真上から――――、一つ一つは小さく、致命傷を与えられるものではない。しかし、かすりさせすれば、恐らくは溢れ出るだろう。新鮮な赤色が。

2014-06-23 20:40:49

 
 ――日が沈み、暗がりへと転じる。
 
 明けない夜が無いように、終わらない物語も、無いのだ。
 

フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「(さすがに数が多すぎる……!)」 数の多さ、大きさ、速さ、加えて日没が弾丸の視認を困難にする。 「ならせめて…」 魔力の濃度を見る。むせ返るほどの、赤。その風の中を少しでも密度が薄い方、薄い方を選択して回避を続ける。小さな裂傷の二三は捨て置く。それ自体は軽傷だ。

2014-06-24 12:45:19
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「最初の操作攻撃、それが能力であれば次の術式解除に飛び道具は不要。生体操作、であったらそのナイフの道理が通らぬか」 読めてきたぞ、と闘争心をむき出しに笑いながら次の策を脳裏に描く。失血、この程度であれば半日かそこら放って置いても問題は無い。

2014-06-24 12:45:26
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「随分と地味な手に出たものだな、吸血鬼。仕掛けてこぬならこちらが征くぞ?」 おそらくこれは策だ、それを承知でフィーネは、聖女は真っ向から行くものだと自重の笑みを浮かべた。

2014-06-24 12:46:37
猩々緋 麻也 @red_shojohi

「魔術師が皆々派手に戦うってわけじゃないさ」日が落ち、闇に包まれる世界。『吸血鬼』である彼の目は、夜を見通す。白い少女につけられた赤い小さな傷を、真っ直ぐに視る。その赤色を、頭の中に思い描く。彼に視られた赤は、既に彼の支配下にある―――

2014-06-24 16:53:34
猩々緋 麻也 @red_shojohi

イメージを、落とし込む。ただただ、一つ。 ―――――『溢れろ』。

2014-06-24 16:53:51
猩々緋 麻也 @red_shojohi

だくだくと、彼女の傷跡の小ささでは有り得ない程血を溢れさせようと、彼女の傷から見える血液に命令する。溢れろ、溢れろ、溢れろ。狭い体内から、広い世界へ流れ出ろ。

2014-06-24 16:54:04
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

刹那、 「え?」 有り得ないほどの血が飛沫を上げて夜を染めて、 「なる、ほどな…」 少女の身体が傾き、勢いのままどうと地面に倒れ伏した。

2014-06-24 22:36:53
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「…血の方から飛び出してくるなんて随分な横着だな」 息も絶え絶えに言葉を紡ぐ。 不用意に血を失いすぎた。魔力はともかく体力がこれではあまり無理もできない。冷たい地面に頬を押しつけられたまま流れてゆく自らの血を眺めた。そっと目を閉じて問いかける。 「赤色の支配、か…」

2014-06-24 22:36:59
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「――『野に咲く花に名前は無くとも頂を埋める強さが其処に』」 囁くように歌い上げる。霞む思考を叱咤しろ。思い描け、故郷の山を。春にそこを埋め尽くす白き花を。 その言葉を合図にするかのように、想像の世界の一部が切り抜かれ少女の周囲に花開く。

2014-06-24 22:37:06
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

地面に零れた血が、白く、小さな花へと姿を変えてゆく。 「夜でも綺麗だろう、この花たちは」 目を閉じたままよろよろと立ち上がる。 「そう簡単に倒れはしないぞ」 自らもまたそうであると、聖女は胸を張った。

2014-06-24 22:37:12
猩々緋 麻也 @red_shojohi

間の抜けた声を聞いて、にやりと笑う。これを防ぐ手立てが無いとするならば、後はなんとかして乗り切るだけ。「なるほど?」倒れ伏す白の少女を見下げる。「重傷も負わずに血を流すのは、変な感触だろう?」

2014-06-25 09:12:36
猩々緋 麻也 @red_shojohi

白い花畑が、目の前に展開される。「…ほう」赤い血液が、白く塗り替えられていく。その景色を、頭を回しながら考える。先の地面がうねり動いたことを考えると――ある一定の円形の空間支配――か?だとすると、あの白い花の世界は、そのまま彼女の射程を意味するとしたら。

2014-06-25 09:12:43
猩々緋 麻也 @red_shojohi

失血死――とは行かなかったか。まぁ、そう簡単に行く相手でもあるまい。「あぁ、むしろ暗い夜に映えて素晴らしく綺麗だ」そう笑う顔は、余裕を保っている。 「さて、血を過剰に失い、動きにくくなった頭と身体で次をどうする?」誘うように言い放つ。

2014-06-25 09:12:53
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「別に、どうもしない。このまま決着をつける」 白い花園の中心で、否。広がり続ける花園の中心で少女は告げる。 「なあ、  ――この街に色がないことを、どう考える?」

2014-06-25 23:46:57
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「色とは要素だ。アルカナだ。世界の構成要素だ。何らかの理由でここからは色が欠落し、滅んだ。どちらが先かは知らんがな」 この広場をはじめ、網の目のような路地や町外れの建造物群を思い描きながらうっすらと目を開けた。

2014-06-25 23:47:03
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「そして純白の力は着色。完全に、とはいかないまでも他者の力の形を再現するくらいは容易い」 だが、と言葉を続ける。 「塗り替える色が存在する色でなければならない道理はあるまい」 轟と風が吹き、白い花片が視界一面に飛び交う。

2014-06-25 23:47:12
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「一度きりだ。一度だけ聖女の全力を見せてやる」 その結末がどうであれ、悔いは無いと笑う。

2014-06-25 23:47:21
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「『我が血を白く』」 手始めは花薄雪草。故郷の山に咲く花は雪の色。まずはここから始めよう。こぼれ落ちた血潮が白く染まった。【純白】権能、進化。

2014-06-25 23:47:31
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「『花開け』」 次いで曼珠沙華。根無し草でも律儀に咲くのは忘れない、人情厚い風来坊。彼が赤を操るなら、こちらは必然、白が応じる。白く染まった血が次々と綿毛を持つ花の形になって立ち上がる。その中に疎らに混じる、赤い花。【真紅】権能、支配。

2014-06-25 23:47:42
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「『雪解けに目覚めよ』」 福寿草。土の下にあまり執着しては毒にも薬にもなる、春が来たら太陽を思いだして。増え続ける草花の根が砕いた土もまた花となって群れに加わる。黄色い花を隊列に加えて。【黄昏】権能、活性。

2014-06-25 23:47:50
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「『絡め取れ』」 紫陽花。目的のために群れることを選ぶその強かさは生き残ることに長けた者の証。花園はあらゆる障害物を巻き込み、なぎ倒し拡大していく。ところどころに紫の花が咲く。【紫紺】権能、吸収。

2014-06-25 23:48:01
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「『踏み越えろ』」 白詰草。争いを望まないことと戦いを諦めることの区別は難しい、ときには守るために力が必要になる。ついぞ出逢うことの無かった一人を思い描きながら、花たちに意思を与える。視界の隅に赤と緑が寄り添う様を一瞬幻視する。【新緑】権能、賦活。

2014-06-25 23:48:08