二日目昼・夜 - 極彩鮮滅

昼は「06/19/22:30」から「06/23/22:30」まで、夜は「06/23/22:30」から「06/27/22:30」までの記録です。
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猩々緋 麻也 @red_shojohi

フィーネの眼に『赫視』が干渉する。かつて【紫苑】にそうされたように、視界を霞ませる。赤であること、それだけで『赫視』の支配下となる。

2014-06-21 15:10:35
猩々緋 麻也 @red_shojohi

『純白』の色相である彼女は、それに抗えるだろう。だが、抵抗するにもそちらに気をやる少しの間ができるだろうと麻也は踏んだ。防御するように構えたルビーナイフを、そのまま前へと思い切り突き出す!

2014-06-21 15:13:18
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「視覚を奪うか……!」 単純、それでいて強力。感覚の剥奪はそれだけで人間の行動を狂わせる。フィーネにとってもそれは同じ。せめて予想できていれば手の打ちようはあっても、不意の一撃目だけは文字通りの必殺となりうる。

2014-06-21 22:45:09
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

ゆえに、 「『黄昏の泥濘(アンバーモーメンツ)』!」 黄昏を意味し、闇夜に恋した女の技を間髪入れずに選び取る。地面を波打たせるその標的は、 「俺を押し流せ!」 自らの、足元。 大きく姿勢を崩しながらナイフが空を切る音を肌で感じてにやりと笑う。

2014-06-21 22:45:23
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

必殺ならば、回避不能の一撃ならば、尚更にそれは急所を目指して繰り出される。回避不能の一撃は、回避行動さえ取れれば確実に回避出来るのだと。相手の技量に依存しすぎる一連の動作を成し遂げて、少女は楽しいと思うのは少し不謹慎だろうかと内心首を傾げる。

2014-06-21 22:45:30
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

二度三度転がり距離を取りながら真紅の術を振り払い、姿勢を立て直す。 「お褒めにあずかり光栄至極。干渉系ならこういうのはきついんじゃない?」 新たに取り出した鉄串と周囲に散らばる物とが宙に浮き、少女の周囲を回転する。 「踊ろうか」 その声を合図に無数の凶器が麻也を目指して飛来した。

2014-06-21 22:46:57
猩々緋 麻也 @red_shojohi

地面が波打つのを見て、彼の『魔術師』としての頭が働く。これは何の能力か、【純白】の能力とは何なのか――― 空振ったルビーナイフで、もう一度何もない場所を裂く。

2014-06-21 23:42:25
猩々緋 麻也 @red_shojohi

その初撃、回避行動を見遣って一つ思ったことは、相手が明らかに戦いに慣れているということ。トキワや【漆黒】のように、簡単に裏をかけるような相手ではない――

2014-06-21 23:42:32
猩々緋 麻也 @red_shojohi

フィーネの言葉に、受け答えるように。「あァ、そうだな」腰袋にまだ数本あるルビーナイフを、宙へばら撒く。その一本一本を、視る―――『漂い』『撃ち落とせ』イメージを、現実へと落としこむ。先程の彼女の周りで鉄串などの凶器がそうしていたように、彼の周りでルビーナイフが漂い出す。

2014-06-21 23:43:05
猩々緋 麻也 @red_shojohi

自分めがけて真っ直ぐに飛んでくるのなら、動き続ければいい。ジグザグに走り、凶器の攻撃をかわし続ける。どうしても間に合わないものは、『撃ち落とす』イメージを即座に落とし込み避ける。しかし、麻也は一向にフィーネに近づこうとはしない。まだ、様子を見るような動きをしている。

2014-06-21 23:43:28
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「eins,zwei,drei……sechs(揃った)!」 からんと音を立てて鉄串が地に落ちるのを待ちわびていたかのように聖女が叫ぶ。散らばる金属の中いくつかに刻まれた聖句が麻也を中心とした星を結び光を放つ。 「避けられもせず、弾けもせず、死にはしないけどちょっと痛いだろうな」

2014-06-22 01:09:10
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

左手で小さく聖印を結んで、術の完成を告げる。 「灼け墜ちろ!」 麻也のいた地点一帯を巻き込んで、昼の光の下でなお眩いほどの光の柱が迸った。

2014-06-22 01:09:18
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「略式とはいえ悪魔祓いの術、貴様には少しは効果があるんじゃないか?」 爆風で靡く髪を押さえて言う。 色彩同士での戦闘に通常戦闘技術は劣るとしても、それを軽んじても構わない道理はないとフィーネは考える。

2014-06-22 01:09:27
猩々緋 麻也 @red_shojohi

光の柱に包まれる。一つ、舌打ちをした。『魔術師』である彼は、一体何が起きていたのか説明されずともそれなりに解っていた。解っていたが―――(これではろくに動けんな)『吸血鬼』である彼には、その術は痛手だった。闇に生きる彼にとって、聖女の攻撃は致命的。

2014-06-22 02:11:50
猩々緋 麻也 @red_shojohi

鉄串に刻まれた呪文を結んだものと把握すると、彼は次の行動に移る。まぶしすぎる光に確実に体力を奪われる中で、腰袋から血液の小瓶を出す。蓋を開けて宙へ放り投げる。溢れだす赤色を、視る。「陣は、一つ崩せば壊れる」『飛び』『消せ』弾丸のように血液を、陣を創りだす鉄串の一つへ飛ばす。

2014-06-22 02:12:46
猩々緋 麻也 @red_shojohi

それは飛来する今は弾丸のようだが、あくまで『血液』。硬いものに当たれば、そのままばしゃりとそれを汚す。それを、聖句の上に当てた。そのまま陣が効力を失うのを確認すれば、ルビーナイフに視線を移し、聖句に上から取り消し線のように傷を付けていく。

2014-06-22 02:13:01
猩々緋 麻也 @red_shojohi

「これで同じ手は使えないだろう?」使えたとしても、囲まれないように動くまでだ。どんなに簡素・略式だとしても、そうするための動作などが出るだろう、と踏む。「悪いが、俺は『魔術師』でもあるんだ。お前が相手してきたであろう『吸血鬼』とは一味違う」

2014-06-22 02:16:06
猩々緋 麻也 @red_shojohi

そのままルビーナイフの一本を右手へと収めると、フィーネへ切っ先を向ける。(――しかし、同じ手が使えないのは、こちらも同じだ)まだ【純白】の能力も、完全に知ったとは言いにくい。先の攻撃が、能力なのか――――何かが必要だ。この均衡状態を揺り動かす、一手を。

2014-06-22 02:18:18
猩々緋 麻也 @red_shojohi

思考の間にも、時間は過ぎる。彼の立ち姿は待っているような、攻めあぐねているような、どちらにも取れるように見えるだろう。誘い込んでいるのか、焦っているのか、迷っているのか。涼しい顔を作る自分の表情は、フィーネには一体どう見えるのか―――。

2014-06-22 23:53:34
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「もとより承知。それとも不意を突いただけで倒せてしまうような相手か貴様は?」 当然違うのだろうと、瞳の輝きが確信を語る。 「そうでなくてはあのシオンが破れた道理が付かん。あの狡猾な男が引き際さえ見失うとはな」

2014-06-23 00:18:48
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「探り合いも結構だが、知りたくば教えてやろう。純白は始原の可能性。自らの影響下にある存在の着色」 それが『蹂躙する純潔』という在り方、 「それで何ができると思う?」 胸に手を当てて魔術師を見遣る。

2014-06-23 00:18:55
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

「高位の魔術師同士の衝突においては魔力量が能力相性を覆す。ゆえに能力など瑣事に過ぎん」 大嘘だ。原理の知れるものほど対処は容易く、魔術師同士の戦闘のほぼ全ての過程はその探り合いに費やされる。だがフィーネはあえてその定石を逆手にとって自らの能力を明かした。

2014-06-23 00:19:02
フィーネ・ゾフィーア・エーデルヴァイス @ve_fine

その目的の1つの達成は明確に示される。純白の力は応用にそのほとんどの真価を秘める異能。ゆえに時間の経過は全て少女にとっては“経験値”として味方する。

2014-06-23 00:19:16
猩々緋 麻也 @red_shojohi

「【紫苑】か――俺一人じゃあ、倒せなかったかもしれないな」ゆらゆらと、陽炎のようなその立ち姿。最後まで不可思議で掴みようのなかったそれは、黄金の炎の中に消えたことを、想起する。

2014-06-23 20:40:28
猩々緋 麻也 @red_shojohi

片方の手で、紅い小瓶を取り出す。三本の中で残った、最後の一つ。「…そうか。」口を使って、蓋を開け、中身を解き放つ。宙へ飛散する、血液。それを、視る。

2014-06-23 20:40:34
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