花婿イエス

随時更新。 ブラント・ピトル『花婿イエス』より。 ヨハネ福音書4:3-26の「サマリア人との対話」の場面。
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金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

一つ目は、このような全体として所属する民を象徴する女性との奇妙な関係を結ぶ預言者はイエスの他にもいるということだ。たとえば、ホセア。 #花婿イエス

2014-06-29 17:04:12
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「主がホセアに語られたことの初め。「行け、淫行の女をめとり、淫行による子らを受け入れよ。この国は主から離れ、淫行にふけっているからだ。」彼は行って、ディブライムの娘ゴメルをめとった。彼女は身ごもり、男の子を産んだ。」ホセア1:2-3 #花婿イエス

2014-06-29 17:05:44
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

謎の女性との奇妙な関係はイザヤにも見られる(イザヤ8:1-4)。 「こうしたホセアやイザヤの行為は、近代の学者によって、「預言者の印」と見られた。彼らはしばしばあえて、人々の注意を引くため、衝撃的で奇妙な印象を与えるようにした。」 #花婿イエス p. 66

2014-06-29 17:14:32
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「ヤコブの井戸でもイエスとサマリアの女との出会いは同様に預言者の印であり、神がユダヤ人だけではなく、神を信じる非ユダヤ人も同様に契約を結ぶ時が来たことを象徴している。」 #花婿イエス p. 66

2014-06-29 17:19:34
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

ピトルが指摘する第二の点は、ちょうど売春婦だったゴメルというホセアの妻が、預言者の印を表すものとして完全に適していたように、サマリアの女も完全な預言者の印に適していたということだ。というのも、彼女たちにおいて、個人の歴史と、その民の歴史との間に連関があるからだ。 #花婿イエス

2014-06-29 17:26:20
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「新約学者らが指摘するように、サマリアの女が人生において五人の夫を持ったのと同じように、サマリア人らはまず多くの男神を礼拝した。」 #花婿イエス p. 66 ここは直接その記述を聖書から引きましょう。

2014-06-29 17:30:15
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

前回に比べて内容が濃いので一気には終わらんな。とりあえず一休みします。

2014-06-29 17:33:37
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

というか、どっかのキリスト教系出版社、ピトルの本の邦訳出しましょうよ。

2014-06-29 17:34:38
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

たぶん、ピトルみたいな旧約や旧約外ユダヤ伝統参照系の学者はプロテスタントの聖書学者の影響を少なからず受けていると思いますよ。

2014-06-29 17:47:55
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

該当聖書を引く(列王記下17:28-31) 「こうして、サマリアから連れ去られた祭司が一人戻って来てベテルに住み、どのように主を畏れ敬わなければならないかを教えた。しかし、諸国の民はそれぞれ自分の神を造り、サマリア人のきずいた聖なる高台の家に安置した。」 #花婿イエス

2014-06-29 23:45:11
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「諸国の民はそれぞれ自分たちの住む町でそのように行った。バビロンの人々はスコト・ベノトの神を造り、クトの人々はネレガルの神を造り、ハマトの人々はアシマの神を造り、アワ人はニブハズとタルタクの神を造り、セファルワイム人は子供を火に投じて、」 #花婿イエス

2014-06-29 23:47:34
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「セファルワイムの神々アドラメレクとアナメレクにささげた」 #花婿イエス

2014-06-29 23:48:32
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

ピトルはここで、サマリア人の男神が実際には「バール」と呼ばれたことを指摘する。「バール」とはカナン人の言葉では「夫」や「主」をも意味していた。ちなみに原書ではここでホセア書2:16を参照せよと指示しているが、内容的には2:18の間違いであろう。 #花婿イエス

2014-06-29 23:55:48
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「その日が来ればと主は言われる。あなたはわたしを、「わが夫」と呼び もはや、「わが主人(バアル)」とは呼ばない。」ホセア2:18 新共同訳 ちなみにフランシスコ会訳のこの箇所の註釈では「「バアル」はもともと「あるじ」の意。女がこの語を使う時は「夫」を指す」とある。 #花婿イエス

2014-06-29 23:59:15
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「学者の中にはサマリアの五つの民族とサマリアの女の五人の夫との連関を拒否する者もいる。というのも、列王記下において挙げられているのは七つの神であって五つではないからだ。しかし、ジェラルド・スロイヤンが指摘するように、七つの内二つは女神である。」 #花婿イエス p. 67

2014-06-30 00:05:02
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「これが正しければ、サマリアの五つの民族にそれぞれ対応して五つの男神がいることになる。この推測からであろうか、一世紀のユダヤ人の歴史家ヨセフスはサマリア人の宗教に言及する際に、神が五つであることを強調している(古代ユダヤ史9.14.3)。」 #花婿イエス p. 67

2014-06-30 00:07:58
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

ピトルが指摘する最後の三点目は、サマリアの女の「五人の夫」が、サマリア人の「五つの男神」を表すとするならば、彼女が現在、夫ではない男とともに生活していることもまた、サマリア人の何らかの宗教上の歴史に対応しているはずだということだ。 #花婿イエス

2014-06-30 00:13:02
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

ユダヤ人の聖書、キリスト教においては旧約聖書、それによれば、サマリア人は五つの男神の他に、「第六の」神格をも崇拝している。それは何だろうか。それはヤハウェ、イスラエルの神に他ならない。 #花婿イエス

2014-06-30 00:15:57
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「彼らは主(ヤハウェ)を畏れ敬ったが、自分たちの中から聖なる高台の祭司たちを立て、その祭司たちが聖なる高台の家で彼らのために勤めを果たした。このように彼らは主を畏れ敬うとともに、移される前にいた国々の風習に従って自分たちの神々にも仕えた。」 列王記下17:32-33 #花婿イエス

2014-06-30 00:22:31
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「彼らは今日に至るまで以前からの風習に従って行い、主を畏れ敬うことなく、主がイスラエルという名をお付けになったヤコブの子孫に授けられた掟、法、律法、戒めに従って行うこともない。主は彼らと契約を結び、こう戒められた。「他の神々を畏れ敬ってはならない。」 34-35 #花婿イエス

2014-06-30 00:26:02
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「(…)」しかし、彼らは聞き従わず、ただ以前からの風習に従って行うばかりであった。このように、これらの民は主を畏れ敬うとともに、自分たちの偶像にも仕えていた。その子も孫も今日に至るまで先祖が行ったように行っている。」17:40-41 #花婿イエス

2014-06-30 00:29:27
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

これらのことを背景にイエスの言葉を見ると新たな意味が浮かんでくる。すなわち、現在夫ではないサマリアの女とともにくらす男の意味するものは、ヤハウェである。ヤハウェはサマリア人の真の夫(主)ではない。なぜなら彼らは他の偽神にも仕え、ユダヤ人と反目しているからだ。 #花婿イエス

2014-06-30 00:34:21
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「別の言葉で言えば、イエスのサマリアの女との預言的出会いは、新たな時の始まりを告げている。すなわち、真の花婿、すなわちヤハウェ、イスラエルの生きた神と結びつけることで、サマリア人を新たなイスラエルに編入する瞬間である。」 #花婿イエス p. 68

2014-06-30 00:37:55
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「このことに疑いを持つのであれば、イエスのサマリア人との出会いについて結局どうなっているのかに注目せよ。彼は彼女に自らが救世主であることを示し-公生活においては非ユダヤの領域においてのみだ-彼女は自らの属する民にそれを告げ、彼らをイエスへの信仰に導く。」 #花婿イエス p. 68

2014-06-30 00:45:22
金田一輝(俳詩人) @kanedaitsuki

「女は、水がめをそこに置いたまま町に行き、人々に言った。「さあ、見に来てください。わたしが行ったことをすべて、言い当てた人がいます。もしかしたら、この方がメシアかもしれません。」人々は町を出て、イエスのもとへやって来た。」 ヨハネ4:28-30 #花婿イエス

2014-06-30 00:50:35