「放射線災害と向き合って」福島医科大学付属病院被ばく医療班 より 第3章 「原爆とチェルノブイリ原発事故からわかってること」熊谷敦史氏

「放射線災害と向き合って - 福島に生きる医療者からのメッセージ (ライフサイエンス選書)」熊谷敦史氏  http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4897753066  ・「原爆とチェルノブイリ原発事故からわかってること」  ・「放射線による甲状腺がんに特有のタイプがあるか」
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φ(..)memo 「放射線災害と向き合って」福島医科大学付属病院被ばく医療班 より 第3章 「原爆とチェルノブイリ原発事故からわかってること」熊谷敦史 pic.twitter.com/kZqjB7YNg2

2014-07-03 02:59:17
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『原爆』による被曝はほとんどは上空からの放射線に「短時間」に照射された「外部被曝」。 『チェルノブイリ原発事故』はプルームやフォールアウトによる「外部被曝と内部被曝」の他、汚染された飲食物摂取の「内部被曝」→

2014-07-03 03:04:20
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→「内部被曝」による健康影響が大きい。理由は汚染した食物(主に牛乳)が流通し、特に子ども達が摂取し続けてしまった。ヨウ素は甲状腺に蓄積。さらにセシウム137などの放射性物質による低線量の外部・内部被曝も長時間受け続けている。→@kanna07409

2014-07-03 03:08:50
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→チェルノブイリ事故から20年目の2006年「チェルノブイリ・フォーラム」にて健康影響評価まとめを公表。→@kanna07409

2014-07-03 03:11:35
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→『小児甲状腺がん』1992〜2002年までに18歳以下で被災したベラルーシ、ロシア、ウクライナで4000人以上が甲状腺がんと診断された。(発生率が高かったのはベラルーシ。原発の北。)→@kanna07409

2014-07-03 03:14:41
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→ベラルーシでは1991年頃から主に15歳未満(発症時)の小児で甲状腺がんの発生が増加。診断数は1996年にピーク。その後減少に転じた。それから17年後の2002年頃には小児の発症率は検診効果も重なってるためはっきりしないが元のレベルで推移。→@kanna07409

2014-07-03 03:22:39
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→代わって増加したのが15〜19歳。思春期での診断例は2000〜2002年をピークとして減少に転じ、次に増加したのが20〜24歳の若年成人。→@kanna07409

2014-07-03 03:26:28
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→これは何を意味してるのか? 事故当時小児(15歳未満)だった人を中心に発がんしていることが推測された。事故前に生まれた子どもでは甲状腺がん検診を行わなければ発生率は10万人に0.1〜0.2人。増加は検診効果を差し引いても事故影響と考えられた。→@kanna07409

2014-07-03 03:31:52
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→また、同じ乳幼児期に被曝しても、発症までの潜伏期は人によって差のあることを示している。→@kanna07409

2014-07-03 03:33:49
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→甲状腺がんを発症した人の年齢は事故当時0〜4歳が70%強、5〜9歳が約20%を占める。事故時5歳未満の幼児だった世代がもっともリスクが高いことが示された。→ @kanna07409

2014-07-03 03:38:13
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→そして原発事故で受けた被曝により、発がんリスクが長時間続く可能性があるということを示している。→@kanna07409

2014-07-03 03:39:41
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ベラルーシのゴメリ州では、甲状腺被曝線量(等価線量)が年間1000mGy以上の人は1歳児未満で50%16〜18歳で16%と報告。他の地域でも避難区域を除けばこれより少ないが甲状腺等価線量は低年齢ほど高い。つまり、年齢が低いほどリスクが高い。→@kanna07409

2014-07-03 03:46:45
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汚染地域の平均過剰絶対リスクは10000人あたり2.1人。また、事故時1歳未満だった人では過剰相対リスクは10歳児の40倍に上る。→@kanna07409

2014-07-03 03:50:20
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→2011年4月までにチェルノブイリにおいて、約6000人が小児甲状腺がんを発症したが、大部分では治療が大部分では奏功。ただし、甲状腺がん以外の原因も含め15人が死亡しているとされる。

2014-07-03 04:00:40
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朝の続き φ(..)memo 「放射線災害と向き合って」福島医科大学付属病院被ばく医療班 より 第3章 「放射線による甲状腺がんに特有のタイプはあるか」から 熊谷敦史 (なお、この本は2013年5月発行) pic.twitter.com/D1yen3ZfUM

2014-07-03 21:47:12
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甲状腺がんは組織学的に乳頭がん、濾胞がん、髓様がん、未分化がん、の4タイプ。放射線関連の甲状腺がんも98%が乳頭がん。ただし、低年齢で被曝した場合は古典的乳頭がんとはやや違ったタイプ(濾胞型乳頭がん)であることが多い。→@kanna07409

2014-07-03 21:52:55
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→潜伏期が短い例、つまり被曝から早い時期に発症し甲状腺がんは、周りの組織に広がったり転移しやすい腫瘍であることが多い。ただし、この特徴は放射線とは関係ない小児甲状腺がんでも同様。→@kanna07409

2014-07-03 21:55:48
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→遺伝子異常による特徴は? …成人の甲状腺がんでは30〜70%にBRAF遺伝子点突然変異が見られる。チェルノブイリの症例は、当初はBRAF異常は稀で、50〜70%でRET/PTC遺伝子再配列が見られた。→ @kanna07409

2014-07-03 22:03:30
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→(再配列の遺伝子変化は何らかの原因で染色体が切断された後、本来の並びと違う接合がされたもの。点突然変異に比べて大きな変化。)→@kanna07409

2014-07-03 22:05:34
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→放射線はDNAの二本鎖切断を起こす特徴があること。また、成人の甲状腺がんではRET/PTCの遺伝子再配列は稀であることにより、放射線により細胞ががん化するプロセスとして、→@kanna07409

2014-07-03 22:12:50
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→DNA二本鎖切断、RET/PTC遺伝子再配列が生じたことが、がん化の第一歩と考えられたが、その後の研究で放射線に関係ない小児甲状腺がんでもRET/PTC遺伝子再配列が多く、BRAF遺伝子点突然変異は稀で、チェルノブイリ症例と差がないことが分かった。→@kanna07409

2014-07-03 22:15:43
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→結論:放射線誘発の証拠となる遺伝子異常は分かっていない。現時点では、放射線によりDNA二本鎖が切断され、それに伴う修復異常ががんの原因の一つになると考えられている。→@kanna07409

2014-07-03 22:18:45
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→我々の研究から見ると、チェルノブイリ症例でも、発症年齢が小児から若年成人、さらに成人期と移るにつれRET/PTC遺伝子再配列の頻度は減り、BRAF遺伝子点突然変異が増えてくることが分かっている。→@kanna07409

2014-07-03 22:21:57
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→被曝から甲状腺がんになるまでの潜伏期に差があるわけであるが、早期に甲状腺がんになった例ではRET/PTC遺伝子再配列が見られることが多く、遅れて発症した例ではBRAF遺伝子点突然変異が多く見られる。→@kanna07409

2014-07-03 22:24:53