- Eric_Ridel
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ある意味信頼しているぼくの上司(だった人)。その元上司に「留学なんかやめておけ」と言われたので、行ったら人生が変わった。「法律なんて取材テーマにするな」と言われたので、やってみたら新しい世界が増えた。朝日新聞社時代の元上司です。笑
2010-11-14 12:22:30「記者クラブで他社を抜かないとダメだ」「官庁の発表してない内部情報なら何でも特ダネだ」と先輩に言われた。あほらしいので、そんなことはやるまいと思った。いま25年経ったが特に仕事で困っていない。
2010-11-14 12:25:01若い記者よ。新聞記事は定型文であって、あなた以外の誰でも書けるように設計してある。そこで「書ける」気になっても、外ではまったく通用しないから気をつけて。
2010-11-14 12:27:38ツイートひとつは140文字。新聞は一行13文字なので、約11行だ。新聞のベタ記事は10〜20行。つまりツイート1〜2個だ。これで交通事故や火事を書くのはけっこう大変だ。やってみてください。
2010-11-14 12:31:34新聞記事は最長でも100行足らず。1300文字=9ツイート弱。実はあまり長くないんです。新書ひとつは400字×250枚くらいが標準。10万字ですね。
2010-11-14 12:33:4913日午後12時30分ごろ、西宮市海岸区寅吉通3丁目、団体職員阪神寅雄さん(47)方台所付近から出火、木造平屋建ての住宅67平方メートルを全焼して2時間後に火は消えた。この火事で阪神さんの義理の父親の南海鷹男さん(78)が頭などに全治2ヶ月の大やけどを負った。(130文字)架空
2010-11-14 12:37:02若い記者よ。できたらサラリーをもらっているうちに本を2〜3冊書いてください。本を出さないと実績として認められません。私も愕然としました。
2010-11-14 12:38:01若い記者よ。本を初めて書くなら、各社が毎月4〜5冊とか定期的に出している新書がいいでしょう。サラリーがある強みは「長期的に取材ができる」ことですから、2〜3年かけて少しずつ取材してください。「Jポップとは何か」は4年かかりました。
2010-11-14 12:39:36若い記者よ。あなたの好きなテーマを出している新書や単行本の出版社に電話をかけ、担当編集者を聞いてください。そしてネタを提案しに会いに行ってください。
2010-11-14 12:41:21あなたが新聞記者として求められていたネタが、ほとんど求められていないことに気づいて愕然とすると思います。それが自然なのです。そこで一度「根拠のないプライド」を粉々にされて、自由市場の厳しさを痛感してください。
2010-11-14 12:42:05それでもリスクをとる、という選択肢ももちろんあります。最初から自信満々の人なんていません。私も怖くて死にそうでしたし、いまでも怖くて死にそうです。
2010-11-14 12:43:32若い記者よ。新聞記者が陥る職業病は文章が書けなくなることでは、実はありません。ネタの選び方が「新聞的」あるいは「記者クラブ的」な凡庸なものになっていくことです。
2010-11-14 12:47:11若い記者よ。あなたが新書の企画書を2〜3本つくってみて、どれも新聞にすでに載っているような話なら、それは書籍で繰り返す必要はありません。どこか出すかもしれませんが、そこで行き止まりです。
2010-11-14 12:48:41若い記者よ。新聞記者時代につながった人脈は一生の財産です。会社をやめても応援し助けてくれる人たちは必ずいます。その人たちを大切にしてください。ぼくは24年前に知り合った人たちといまでも夕食を共にすることがよくあります。
2010-11-14 12:50:46若い記者よ。あなたが本を出すことは、職場の上司や先輩の反発を招くでしょう。しかし、あなたが書き手として独り立ちしてからかぶる氷のような風雨に比べたら、そんなものはぬるい春雨程度のものです。
2010-11-14 12:52:16若い記者よ。あなたが会社を辞めたあと、かつての同僚や仲間と仕事をする機会はあるでしょう。大切にしてください。しかし、かつての勤務先から仕事をもらおうとしてはなりません。彼らは必ずあなたの足下を見ます。抱き込まれます。向こうが「仕事してくれ」とお願いしてきたらしてあげましょう。
2010-11-14 12:53:34若い記者よ。あなたが特オチしても、困るのは上司だけで読者は困りません。いいですか、もう一度言いますよ。あなたが特オチしても、困るのは上司だけで読者は困りません。
2010-11-14 13:13:12若い記者よ。「事件」は向こうからやってくるもので、あなたが選んだ取材テーマではありません。いくら忙しくても、まず将来の役には立ちません。自分で選んだ、自分しか書けないネタを追い求めてください。
2010-11-14 13:14:52若い記者よ。「事件」を取材していると、ネタを自分で選んだのではないのに、忙しさのあまり自分が立派な仕事をしているような錯覚に陥ります。勝負はむしろ「平時」にあります。
2010-11-14 13:16:00若い記者よ。ぼくがアエラ編集部時代に目撃したのは、新聞出身の記者たちが「文章が書けない」「ネタの選び方が新聞的で凡庸でつまらない」ことでした。編集委員、論説委員、本社デスクでもそうでした。そういった「将来像」はあなたの目指すキャリアですか?
2010-11-14 13:18:25「検察の腐敗」とか「仙谷由人の研究」なんてテーマはたくさんの記者が群がります。それだけ競争は厳しい。生き残るのは全国で5人くらいでしょう。検察取材なら、ほら、名前を挙げることができるくらいですよね。アマゾンで「検察」本を検索すると出てくるくらいの名前です。
2010-11-14 13:20:11若い記者たちよ。新聞記者的生活に慣れてしまうことの危険は、そういうネタにしか発想ができなくなることです。そういう記者はすでに山のようにいます。それよりは、自分しか書けないネタで勝負してください。
2010-11-14 13:21:39若い記者よ。「自分しか書けないネタ」を探せば探すほど、あなたは新聞の紙面から遠ざかるかもしれません。そういう個性的な記事をいまの新聞は求めていないからです。
2010-11-14 13:22:43