今、改めて生活保護と扶養義務のあり方を考える~生活保護が空洞化する前に(7/12近弁連研修会まとめ)

7月12日(土)に開催された近畿弁護士連合会の表記夏期研修に参加させていただきました。内容をツイートしたものをまとめましたので、かなり長いですがご覧下さい。 なお、この研修はIWJガネット中継していましたので、下記から動画が視聴できます。 動画(前半)http://www.ustream.tv/recorded/49941308 動画(後半)http://www.ustream.tv/recorded/49944248
16
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

森田弁護士)アメリカは州によってまちまち。たいていは配偶者と未成年の子に対する扶養義務。アメリカには養育費強制プログラムが導入。州があらゆる手段により非監護の親に養育費を請求する。民間会社が持つ情報を集積して居所探索、法的父子関係の確定のために養育費強制局が遺伝子鑑定。(続

2014-07-12 14:02:05
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

森田弁護士)養育費支払い命令が確定すると、州政府が養育費を徴収する。給与からの天引き、租税還付金からの控除など。パスポートの強制改修なども行う。問題があり、母子のプライバシーが侵害される、養育費滞納親に対して懲罰的取扱との非難もされている。以上

2014-07-12 14:03:49
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

(当事者発言につき、中継ストップします)

2014-07-12 14:04:17
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

公開可能な当事者・19歳の発言より)毎日、考えていたこと。「普通の幸せ」が欲しい。「家に帰ってただいま」といえる幸せ。「あったかいご飯がある幸せ」「勉強ができる環境」「両親が居る幸せ」など悔しいほどたくさんでてきます。(続

2014-07-12 14:13:19
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

当事者の手紙・続)この環境に生まれた以上、そんなことを言っても仕方がないのは十分分かっています。だからこそ、将来、「子どもたちの居場所」を作りたいと強く思い専門学校に進学しました。/生活保護があり、奨学金を貸していただき、今の自分がある事に本当に感謝しています。(続

2014-07-12 14:14:43
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)ただ、扶養義務については疑問に思うことがたくさんあります。学校を卒業し、奨学金の返済も始まり、自分で生活をしていく中で「家族」という言葉一つで親を養っていくことは、自分が本当に歩みたい人生ですか。歩めたものじゃないです。(続

2014-07-12 14:15:53
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

続)生活保護受給家庭の子どもたちは、生まれてきたくてこの環境に生まれた訳じゃないです。だから、せめて将来だけは自分の人生を歩みたいです。以上

2014-07-12 14:16:54
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

基調講演「扶養義務の範囲と生活保護との関係をどう考えるか」(筑波大学人文社会系教授・本沢巳代子氏):日本の扶養義務(生活保持義務関係と生活扶助義務関係と扶養義務)は、戦前のイエ制度でイエに属するものが目上を優先的に扶養することに基づいていた。今の家族の感覚とは異なる。(続

2014-07-12 14:31:22
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)これに対して、夫婦と未成熟の子どもについて優先的に扶養すべきという学者があり、その学者が今の民法の扶養に関するところを手がけた。生活保持義務関係。夫婦は婚姻中の扶助義務があり、その前提に同居協力義務があるので、同居が前提になっている。この同居は物理的なものではない。(続

2014-07-12 14:34:15
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)民法では、夫婦は同居し、そこに独立できないでいる子どもも含まれているということになる。家裁では夫婦間の扶助義務は婚姻費用分担の規定がある。親の未成熟の子に対する扶養義務は、明文の規定がない。世界的にも珍しい。(続

2014-07-12 14:36:27
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)直系血族は直列の関係で相互に扶養すべきとなっている。とても違和感。最も大切であるはずの、子育てに対する親の扶養義務は条文に書いていない。別居中の夫婦についても規定はなく、婚姻中の扶養義務の規定も持ってきている。(続

2014-07-12 14:38:24
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)夫婦間と、未成熟子に対する親の義務は性格は同じなのか?夫婦は役割分担をどうするかを夫婦で話し合いをするという対等の関係ではあるが、親子はそうではない。親が一方的に義務を負う。子もある程度成長すると経済的に自立するが、障害や自閉症など子どもの状況による。(続

2014-07-12 14:41:43
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)人間関係や家族は複雑であるから、単純に親子だ兄弟と割り切れない。別居の夫婦に対する規定はなく曖昧である。父母離婚後における未成熟子に対する扶養義務については養育費の規定はあるが、監護(見守り)についての費用もかかり、それを監護していない親に請求することになる。(続

2014-07-12 14:47:49
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)親子の面会交流等についての規定もあるが、これは扶養ではなく離婚に関する規定。子どもは父母の添え物になっている。未成熟の子が父母に扶養請求をする場合には、結局、親権者である親が子に代わって扶養請求をすることになるが、元夫と関わりたくないと放棄する。複雑。(続

2014-07-12 14:50:24
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)子どもの権利を親が勝手に放棄することになってしまう。子どもの権利を代わりに行使するサポートのシステムが必要で、諸外国ではそういうものがある。日本では協議離婚が多く、子どものことが考慮されていない。大人のいい加減さが端的に子の扶養に表れている。(続

2014-07-12 14:52:07
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)生活保持義務と生活保護。健康で文化的な最低限度の保障は憲法で明記されていて、それは家族ではなく国家がするもの。自分が食べられない人間が他人を食べさせられる訳がない。我が身を削れと言うのは近代国家ではない。愛情や人間関係は家族によるが、お金の問題なら家族でなくてもよい(続

2014-07-12 14:55:34
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)生活扶助義務では、世帯が別の親子や兄弟の関係なら、自分の生活にゆとりがあれば、余剰の分を困っている親族に使いましょうと言っているだけ。相手の最低生活保障までは援助しましょう、それ以上までは求められていない。(続

2014-07-12 14:57:03
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)人間関係があるから扶養関係というが、具体的な扶養義務は、家族関係がどうか、援助する余力があるか。お金の面と誰が老後の面倒を見るかは別。民法上、介護は扶養ではない。親が年をとってサポートを受けるのは、家族の場合も、サービスを受けて費用を払うのでもいい。情が絡むから厄介。続

2014-07-12 15:00:16
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)扶養能力の判断は、生活保持義務であっても、そんなに簡単に自分の生活水準を最低生活を割るところまでは求められていない。そこまで言うのは、憲法25条を完全削除しないと無理。生活扶助義務関係ではあくまでも余裕があるときだけ。それが常識だが、最近はそうではないらしい。驚き(続

2014-07-12 15:02:27
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)扶養のことを語るときに、それで国家の責任が軽減されるのはおかしなこと。家族は複雑なもの。そこに国が土足で踏み込まなくても、まず生活保護を利用させて、次に協議せよとなっている。そのために77条1項2項の規定がある。人間は感情の動物で葛藤している。規定で割り切れない。(続

2014-07-12 15:06:10
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

本澤先生)エリートにはそこが分からない。自分も分からないが、寄り添うことの大切さを感じている。貧困の問題も同じ。お金はどこからでも出る。精神的ケアを家族だけに押しつけるのではなく、そういうところも考えて欲しいと思う。以上

2014-07-12 15:07:35
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

(休憩中でーす。パソは充電中。)

2014-07-12 15:12:04
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

パネルディスカッション:パネラー生田武志氏(野宿者ネットワーク代表)、奥森祥陽氏(京都府山城南保健所福祉室)、竹下博將氏(第二東京弁護士会・日弁連両性の平等委員会)、本澤巳代子氏。コーディネーター:鈴木節男弁護士(大阪弁護士会)。

2014-07-12 15:19:58
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

それぞれの立場からみた生活保護と扶養義務のあり方について。生田さん:厚労省がホームレス全国調査をした。結婚歴は概ね3~4割が離婚経験があり5~7割が未婚。50代60代は普通は結婚しているが未婚率が多い。日雇いをやっていて職業差別もあり、結婚できなかったのではないか。(続

2014-07-12 15:22:56
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

生田さん)厚労省ホームレス調査。家族や親族がいる人も多い。8割がこの1年で連絡がない。これを前提に話したい。夜回りを毎週しているが親族との関係が絶えている人が圧倒的に多い。離婚して、元妻子に何十年もあっていない人も。野宿者生活保護を受ける事例が増えているが、扶養照会で問題。(続

2014-07-12 15:25:20