「萌え」や「ファンタジー」という言葉にどこまで自分の想いを託すかという差についての会話
課長島耕作がどれだけディープかというと、 島さんが同僚にゲイであることとお前に振り向いてほしくて仕事を頑張ったと告白され受け入れはしないものの二人で海外に仕事に行った際にゲリラに撃たれた同僚に島さんが「お前を愛してる」と言うレベルです pic.twitter.com/VBUCa5oLcc
2014-07-10 20:10:17じっさいには弘兼さんはけっこう同性愛テーマを作品に持ち込んでくる作家さんなんですけれど、あんまり一般的にそういうイメージはないんでしょうね。
2014-07-12 01:17:56ちなみに「愛してる」とはいっていますが、このシーンで島耕作は「落ちた」わけではありません。かれはあくまでヘテロセクシュアルです。それでも、自分を性的に愛しているという親友がいままさに死んでいこうとしている時、告げるべき言葉は「愛している」以外になかったのでしょう。泣かせる話。
2014-07-12 01:21:58@kaien フルメタの宗介が「俺も死んでいく仲間に何度となくキスをした」って言ってる場面を思い出しました(それだけ
2014-07-12 01:23:37.@beerman0726 ちなみにこの死んでいく親友、『ヤング島耕作』なんかにも出て来ていまして、愛読者は「ああ、この人、ほんとは島のことを好きなんだよな」と思いながら読んでいるわけです。
2014-07-12 01:25:36個人的には『島耕作』シリーズだと中沢部長(のちに社長)が好きですね。かれと島の関係もなかなかに情緒豊かだと思います。しだいに島が超人化していく島耕作シリーズもこの頃は面白かったんだよなあ。
2014-07-12 01:29:25何だろう。「萌える」という意見を否定するわけではないし、そもそも否定する権利なんてあるはずもないのだけれど、ただありえざるファンタジーとして萌えて終わらせるのはもったいないなあ、と思ってしまいますよね。仮に現実にこういうことが起こったら、やっぱりひとはこう云うと思うわけで。
2014-07-12 01:33:07あくまでファンタジーだから、しょせんは夢物語に過ぎないとわかっているのだから、という言い方にぼくが違和を感じるのは、そのファンタジーが世界の真実に届くことがありえる、と信じているからです。それはBLだろうが百合だろうが少女漫画だろうがラノベだろうがエロゲだろうがそうだと思う。
2014-07-12 01:35:37@gigir たしかにおっさんのファンタジーに過ぎないといえばそうかもしれないけれど、でもあれだけの一代記を描いてしまったことはやっぱりすごい。ぼくは初期の『人間交差点』とか『ハロー張りネズミ』とかもわりに好きです。
2014-07-12 01:37:14たとえば「ヘテロセクシュアルの男がゲイの男を愛して、受け入れる」というような物語は、たしかに表面的には「ありえない」夢物語かもしれないけれど、それを通して真実の愛や愛の真実を描くことはできるし、そういうものを「ファンタジー」とだけ言い切ってしまうのは、ぼくはやはり違和感があるな。
2014-07-12 01:41:44もちろん、ひとが「萌え」という言葉を使う時、どんなニュアンスで使っているのかはわからないわけですけれど、やはり「萌えた」と云って済ませてしまうのは多少の違和を感じます。あるいはひとによっては非常に複雑で多層的な意味を「萌え」という言葉に含意させているのかもしれませんが。
2014-07-12 01:47:46「萌え」とか「ファンタジー」という言葉が悪いわけではもちろんないのだけれど、それがあまりに便利な言葉であるがゆえに、ぼくの場合はどうしても違和感が付きまといます。それはたとえば「可愛い」という言葉につきまとう違和にも近いかもしれない。ここらへん、どこまでニュアンスが通じるか……。
2014-07-12 01:50:28たぶん、ここらへん、ぼくが世代的に古い人間だというだけの話ではあるんだろうと思う。おそらくより若い人は「萌え」という言葉にもっと複雑な、たとえば「感動」とかいう概念を含んだ意味を持たせているんだろうね。わかってはいるんだが、それでも「萌えた」とだけ云われると、何か違う感じがする。
2014-07-12 01:52:47@kaien それはしかし、「萌え」という言葉が発展して複雑な意味を含有するようになったからこそ、正統進化したその先の言葉が求められるようになった、ということではないでしょうか。
2014-07-12 01:54:49.@Sheol0x01 なるほど。さっきの『島耕作』のシーンで云うと、あれをただ「萌えた」とだけ云われると、ぼくとしては「そこを見て感じるのはそれだけなのか……」とがっくりするのだけれど、たぶんそれは正しくない。より多彩な感情を「萌え」という言葉で表しているだけだとは思うんです。
2014-07-12 01:57:32.@Sheol0x01 でも、その言葉の使い方をされると、ぼくみたいな旧世代の人間にはあまりうまく伝わらないので、できればもっと違う表現で伝えてくれると助かるかなあ、くらいですかね。「萌え」という言葉の便利さはわかるのですが……。
2014-07-12 01:58:45いや、あくまでファンタジーだと割り切った上で「萌え」を楽しんでいますよ、というのがより「大人な態度」として流通しやすいというのはわかるんだけれど、ぼくはそれは違うと思う。ぼくはやっぱり「世界の真実を描き出した名作」をこそ読みたいし、自分が好きな作品はそういうものだと思っている。
2014-07-12 01:59:03こう書くと、じゃあ「世界の真実を描き出した名作」以外に価値はないのかと云われるだろうけれど、まあ、たしかにそんなことはないですよね。だけど、ぼくが「世界の真実に届いている」と感じた描写を、単に「萌えた」とだけ云われると、やっぱり何か釈然としないものが残るわけです。うーん、ねえ?
2014-07-12 02:04:03だから、じっさいには感じている情動に落差はないと思うんだよね。きっと、「萌え」という言葉を多用する人もぼくと似たものを感じているんだろう。ただ、それを言葉として表出するとき、「世界の真実に到達している」と云うか、「萌えた」と云うかの差なんだろうと思う。思うが、しかし――というね。
2014-07-12 02:10:03@kaien 世界の先端にあって心を揺さぶる現象にそもそも固定した名前なんてなくて、みんながいろんな言葉で常に表現しようと試みてきた訳で、ある一定の期間の間「全米が震えた」の代わりに「萌えた」が使われてるとかそんな印象があります。
2014-07-12 01:59:42