第三子支援、大家族推進政策が誤っていると思われる理由と対策(仮)

基本的には「社会構造」「社会設計」が、税から年金から企業体質から社会での扱い(ベビーカーが邪魔だ云々等)まで、何から何まで人口動態変化に追い付いていない、という点に尽きるのだけど、ちと不本意なまとめに最初のツイートだけを拾われていたので自己まとめ。
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涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

第3子以降を重点支援=安倍首相「大家族の評価を」(時事通信) - Y!ニュース headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140719-… 恐らく政策的に失敗するだろうな。25~29歳の年齢階層において有意に出生率が低いことの意味を分かってないんじゃないだろうか。

2014-07-19 23:01:29
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

なお、出生率は都市部の方が低いはずだが、地方部においても大家族とは限らない(恐らく統計的に多子世帯で地方部であっても同居比率がどこまで有意に差が出るか。都市部は逆に生活費の関係での同居も増加するはず)。向いている方向が捻じれているのではなかろうか。

2014-07-19 23:09:07
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

女性人口と出生数の相関関係は21-25、31-35はそれほど有意に差異はなく26-30のあたりで有意に差異が出ていたはず。つまり社会に出るか出ないかの段階、社会生活が落ち着いた段階で出産しているはずで、社会進出を進めると第一子の出生数は26-30の有意に低いはずの部分を強化する。

2014-07-19 23:11:35
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

「大家族」云々以前に、そもそも「社会のどのタイミングで出産しても不利益にならない」ことが重要で、若年世帯の収入低下と、20年前と異なり最早親世帯でも資産余力が乏しい今後は、同居を進めてもあまり効果が無いことが予測される(世帯ベースで見た場合)。

2014-07-19 23:13:16
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

結論として、「第一子」は31-35の二回目に相関が一致するラインにおいても「それほど安定したほどほどの収入が得られない」事に加え、同居しようが親世帯がリストラや年金減額で収入が減るはずなので、出生率の向上に寄与する方向の政策とは思えない。根本的に間違っているか、やる気がない。

2014-07-19 23:15:15
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

第三子はおろか、社会状況と収入低下、将来的に収入増が見込み辛い点、出産そのものが勤務に不利に作用する上、共働きでもようやくな生活になる都市部への人口集中の放置を進めると、社会進出を促せば促すほど、恐らく出生率には負の影響が出るし、促さなければさらに負の影響が出ると思われる。

2014-07-19 23:18:10
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

原則として、「第三子」どころか「第一子」から生じる問題を放置する限り、「第三子」には辿り着かないのは自明で、少子化の根本要因は「第一子」を「社会的理由により(つまり個人選択ではない理由により」阻害してしまっている点に尽きるわけで、あのような方向性では何も解決しないと思われる。

2014-07-19 23:20:23
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

従って、基本線としては、出産を選択する場合の第一子に対してどのように社会環境を整備するかで、そこがクリアできなければどうしようもない。それは収入の問題もあるし、もちろん社会理解の問題もある。多少の補助金を「理由」に出産するわけではない。

2014-07-19 23:22:33
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

問題を整理すると、もっとも大きな阻害要因は最低1500~3000万という一人あたりにかかる費用を、仮に20年で割ったとして年70~150万負担可能なのか。月に5万~10万の負担増であり、なおかつ出産すると、特に女性の収入は有意に減少する点をどのように対応するのか。

2014-07-19 23:26:19
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

従来はその期間も男性の収入増が補填するという法定婚姻且つ年齢昇給が前提となることで露呈せずに済んできたものが、構造がそのままに法定婚姻も出産も任意選択が浸透し、また所得増が見込めないと「判断されている」状況は直撃しているとは言える。

2014-07-19 23:27:56

なお、補足として第一子の出産年齢が上昇傾向にあるため、第一子・第二子・第三子以上の構成比率に変化がないと仮定した場合、人口動態上の少子化はより一層拍車が掛かるので、その点でも第三子への補償を考えるよりは第一子をいかにそれを望む世帯がそれとして選択できるよう政策誘導するか、の方がよほど喫緊の課題であるはず。

涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

従って、政策的に零歳~高卒あたりまでの「公立」であっても負担となる支出をどこまで補填していくのか、次にその予算を社会全体でどこまで許容できるような政策設計にするか、また労働環境等を大企業の「善意(或はCSR戦略)」に頼らずにどのように整備するか、に焦点を絞るべき。

2014-07-19 23:30:44
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

公立とは言っても、給食費が払えない(払わない、ではない)、修学旅行費が払えない、果ては運動会の写真代さえ払うのが負担となるような格差が既に出現しつつある中で、その差異をどこまで是正できるかも当然射程とされるべきで、出生率の問題は社会構造と格差構造の両面からアプローチが必須。

2014-07-19 23:32:18
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

自分が原則として公立に制服を導入すべきとし、その上で制服着用を任意とすべきとし、なおかつ公的支給にすべきとするのは、このあたりを念頭にしている(過去にも言及していたはず)。また修学旅行とかの準備費とかも格差を露呈させるべきでないので原則公費処理すべき。

2014-07-19 23:34:03
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

で、そういうことをやるには当然に現在の支出規模ではまったく足りないので、相当に増額しなければならないのだが、それは公益として社会全体で負担すべき。消費税等のフラットな課税で対応するでも良い(その点での増税に反対するものではない)。

2014-07-19 23:35:28

消費税に言及している点を補足すると、端的に言って全体的に所得低下傾向にあるため、高所得層自体も相対的に減少しているため所得税での課税強化は絶対額を補う方法としては疑問であること、また子供を持たない過程への「独身課税」「無子課税」と受け取られかねない税設計はそれとして差別的課税になることを踏まえ、いったんフラットに課税した上で、社会保障としての出産・育児支援充実(金銭~インフラまで)が望ましいと判断しているため。

涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

また、就業時の各種積立金(産別社会保障等)の転職時にスライドできるような制度や退職金という名目で長年勤務しないと戻ってこない制度は抜本的に直して、これも制度上スライドできるようにしなければならない。また、勤務時に考慮することは当然の処置。これは背番号制に賛成する時の一つの要因。

2014-07-19 23:37:58
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

「子供がいるから早く帰るのは『おかしい』」といった態度は根本的に「悪平等」の類なのであって、男女・法定婚姻有無を無関係に、労働環境としてそれで不利益を被る体質的なものは政策的に淘汰していく必要がある。

2014-07-19 23:39:53
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

同時に出産~産休時の所得補償に限らず、そもそもの復職時のそれをどうするのか、も政策誘導するべき。企業は当然欠員分の業務は穴埋めするが、復職できないとなると弊害が出る。そのあたりは所得推移やパート・アルバイト比率を見れば瞭然に解る。

2014-07-19 23:41:48
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

都市部への集中に関しては、これも本来は政策的に分散させる方向で誘導すべきだが、そうなると相当規模の財政支出を伴う上、首都機能分散政策が揉めに揉めたことを考えると、分散政策は後回しでも良い。都市部に集中していれば、公的インフラ整備は多少は効率的に推進できるメリットもある。

2014-07-19 23:43:55
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

ただし、都市部に集中する状況を当面は放置するとすると、当然生活費は高止まりする上、そもそも居住環境が決して良いとは言えないので、「大家族政策」みたいな打ち出しはそもそもズレている。そういうのはどちらかというと地方分散と過疎対策にワンセットにされるべき政策の一つ。

2014-07-19 23:46:27
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

「少子化対策」をしたいのか「過疎対策」の一環としての分散政策的意味としての「大家族政策」なのか、ただの懐古趣味或は幻想の明治を意識しただけの妄想政策なのか(この可能性は否定しない)、意図がはっきりしないがどれも少子化対策としてやるものではないので、帰結として政策方向が誤っている。

2014-07-19 23:48:13
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

なお、公立教育そのものは底上げをしていかないと、私立のそれとは倍以上コストが違うので、単純な問題として低所得世帯が増えて公立選択が増えれば増えるだけ、格差が連鎖することになるので、この問題は公教育政策にも密接に関わる問題。道徳教育とか愛国心とか言っている場合ではない。

2014-07-19 23:51:01
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

というわけで、なーんも効果がない自己満足パフォーマンスに終わるのではないかと予想する次第。

2014-07-19 23:52:17
涼風紫音/Protest the invasion of Russia @sionsuzukaze

んで、教育の問題にいくと、今度はジェンダー教育だの片親世帯でもおかしくないんだとか、未婚でも良いんだとか、そういう社会そのものの偏見と差別に対する教育の問題が関わってくるのだが、現在の教育政策の面子を見る限り、そのあたりは間違いなく顧慮されないので、そこも間違っている。

2014-07-19 23:55:25