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2014年7月25日

. @hunterslog さんによるフィリピンの伝承「地震ウナギ」の話題。

龍学のHUNTER's LOG( @hunterslog )さんによる「地震ウナギ」の話題。鰻の箇所だけまとめました。
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HUNTER's LOG @hunterslog

うーむ、うーむといろいろあるが、まぁ、こちらはこちらで。 フィリピンの伝承には「地震」が具体的な神霊として登場することがままあり、時には人の祖に子孫を作る算段を与えたりするほどなのだけれど、そちら全般は今回さておき、その中の極めて重要な「地震」に注目。

2014-07-25 19:38:32
HUNTER's LOG @hunterslog

あちらのほうでは地震はなのだと各書断片的に紹介されたのを見てはいたのだが、具体的にどういうイメージなのかというのが岩崎美術社『フィリッピンの民間説話』の巻末「訳注」の方に紹介されていた。だから訳者の荒木博之先生の記述となる。大変重要なところなのでそのまま引用する。

2014-07-25 19:39:38
HUNTER's LOG @hunterslog

[引用1]マノボ族の伝承においては、創造神エウグパムラク・マノボ Eugpamulak Manobo は大鰻カシリをつくり世界のまわりをとりまかしめた。マノボ神は更に大蟹クヤマングを大鰻のそばに配置して蟹の方はどこへでも勝手に行けるようにしていた。

2014-07-25 19:40:17
HUNTER's LOG @hunterslog

[引用2]バゴボの伝承においても世界はカシリすなわち大鰻によって取り巻かれていると考えられていた。時どき大蟹がを噛むと大地が揺らいで地震が起こるというのである。(フランシスコ・デメトリオ、初期フィリッピン人の創世神話)/岩崎美術社『フィリッピンの民間説話』より

2014-07-25 19:41:04
HUNTER's LOG @hunterslog

沖縄なんかでは地の底に巨大なと蟹がおって、これらが喧嘩すると地震になるというが、これだと地の底海の底の存在ではなく、明らかにヨルムンガンドのような世界の果てを取り囲む「世界」である。

2014-07-25 19:50:51
HUNTER's LOG @hunterslog

このような竜蛇の存在が昔の日本の地図、行基図のうちに見えることは以前にも紹介したが(jstage.jst.go.jp/article/jjhg19…:や、黒田日出男『龍の棲む日本』iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin…:など参照)、どうも大鰻が一枚かんでくるようだ。

2014-07-25 19:53:21
HUNTER's LOG @hunterslog

で、同訳注でも続いて紹介されているのだが、実は、本邦種子島にもこのような地震を起こす長大な魚の伝承がある。なんと、その魚の名を「なえ」という。ちょっと「一足飛び」が発動しかねない話なので紹介を控えてきたが、良い機会なので載せておこう。こちらもそのまま引いておく。

2014-07-25 19:57:49
HUNTER's LOG @hunterslog

[引用1]なえの始まり むかしは地震のことを「なえ」といいました。 ところで、どうしてなえが起こるかといいますと……。 それはそれは長い「なえ」という魚がいて、その長さといったら考えられないくらいなのですが、このなえがぐるりと地球を一まわりしているのです。

2014-07-25 19:59:02
HUNTER's LOG @hunterslog

[引用2]このなえの魚は、自分の尾を自分の口でくわえて、地球をちょうどたがのようにしめているのですが、このなえの魚も、ときどき自分の尾をくわえはずすことがあります。 すると、地の弱いところがわれたり、ずれたり、山がくずれたりして、なえが起こるのです。

2014-07-25 19:59:55
HUNTER's LOG @hunterslog

[引用3]ところが、日本の国で一カ所だけ、京都だけはなえがありません。といいますのは、このなえの頭がちょうど京都になっていて、その一番のところに経塚があるのです。

2014-07-25 20:00:25
HUNTER's LOG @hunterslog

[引用4]そして、なえの魚が少しでも油断をして、尾をくわえはずしたりすると、経塚がそのすごい重さで、なえの魚の頭をおさえるのです。それで、なえの魚はあわてて、はずした尾をくわえるのです。

2014-07-25 20:00:56
HUNTER's LOG @hunterslog

[引用5]今でもそうですが、地震が来ると、人びとはみな、 「きょうづか、きょうづか、きょうづか」ととなえます。 油断して尾をくわえはずしたなえの魚は、その声で、はっとわれにかえって、尾をくわえます。すると、たちまち地震は止むのです。

2014-07-25 20:01:29
HUNTER's LOG @hunterslog

[引用6]なえの始まりは、まずこういう次第ですが、みなさんも地震のときは、 「きょうづか、きょうづか、きょうづか」 ととなえることですね。 /未来社『種子島の民話 第二集』より引用

2014-07-25 20:02:09
HUNTER's LOG @hunterslog

といった具合だ。「なえ」とはすなわち地震の古語「なゐ」のことに相違ない。ここで「それはだ」と言ってしまうと、と地震は同じ語根であった、という一足飛びが発生するので要注意なのだが(おそらくそれはない)、まぁ、並びからいってのイメージではあるだろう。

2014-07-25 20:08:19
HUNTER's LOG @hunterslog

(ちなみに伊豆三島のの禁忌の中核はといえば、三島大社というよりも門前の神であったという「右内(うない)神社」の神使がであったことの方にある)

2014-07-25 20:10:21
HUNTER's LOG @hunterslog

(またちなみにだが、京都に頭があって「なえ」がない、というのはおそらく竹生島のことと思われる(あそこが「要石」の伝としては古い)。そのあたりは長くなるので前掲の岩波新書『龍の棲む日本』など参照されたい)

2014-07-25 20:15:51
HUNTER's LOG @hunterslog

ともかく、種子島の伝を通すと、この「世界を取り巻く竜蛇・大鰻」のイメージがフィリピンの方まで繋がりそうだ、ということなのだ。『フィリッピンの民間説話』の同訳注で、荒木は次のようにまで言っている。

2014-07-25 20:18:24
HUNTER's LOG @hunterslog

「世界を取り巻く大魚、及びそれによって起こる地震、という民間信仰の少なくとも一つの道筋がフィリッピン、沖縄、種子島という一つの線上にあったことが推定できるのである」とのことであります。台湾はどうなんだよというのはあるが(台湾では大鰻は大洪水を起こしている)。

2014-07-25 20:20:05
HUNTER's LOG @hunterslog

まぁ、南洋の大鰻なめんじゃねえよというところでありましょう。本邦のの禁忌というのも、何様の眷属だからという層そのものが「最近のもの」ということになりかねないのであります。/

2014-07-25 20:24:36
HUNTER's LOG @hunterslog

おまけ:ところで大洪水とだけれど、パプアなんかでは大鰻を捕まえて村中で食ったら祟って大暴風雨・大洪水になって村が壊滅した、などとなるのだが、タイなんかには同筋だが、大雨でなく「村が地震で陥没して大沼となる」という筋もある。そう思えば隣接はする。

2014-07-25 20:28:10
HUNTER's LOG @hunterslog

この「村陥没で湖となる」は古い。『捜神記』に見える:hunterslog.net/dragonology/S/…

2014-07-25 20:30:10
HUNTER's LOG @hunterslog

(実は宗像教授にも出てた瓜生島の恵比寿さんの伝説hukumusume.com/douwa/pc/minwa…:も連なるわよね、というのもある)

2014-07-25 20:42:37
HUNTER's LOG @hunterslog

(だから蛇ぬけっていうのはですね……きりないので以下略)

2014-07-25 20:43:46

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