『風雲児たち』から見る徳川幕府末期の危うさ

タイトルどうりです
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銅大 @bakagane

みなもと太郎先生の『風雲児たち 幕末編』24巻を読む。井伊大老が殺された後も、徳川の天下は続いているように見えて、いろいろなものの箍が外れてきております。そんな中、井伊の後を継いだ老中の安藤信正は、有能でバランス感覚の優れた彼は、「無理をせず目の前の問題を取り繕う」に専念します

2014-08-01 11:52:16
銅大 @bakagane

安藤の「無理をしても人はついてこないから、できる範囲でやる」は通常であれば問題ないのですが、今や、完全にバランスを崩して傾きの度合いを深めつつある徳川の天下は、小手先の弥縫ではどうにもならず、最初はゆっくりでも、やがて重力に引っ張られるように加速して倒れていくのです

2014-08-01 11:57:51
銅大 @bakagane

人は、自分ではどーしよーもないことを、「なんとかせねばならない」と悩みはじめると、すごい勢いでSAN値が下がります(すっかり定着した言い回し。「ソウルジェムが黒くなる」も)。他人の思想や価値観はかなりどーしよーもありませんし、言論もこれに次ぎます。そこを変えようと悩むとまずいです

2014-08-01 12:47:45
銅大 @bakagane

「なんとかせねば」で悩むのならば、それは自分の手が届く範囲でやるのが吉であります。ただ、手が届く範囲だと悩む時間はすぐに終わって、行動せにゃいかんので、そこで自分の心をのぞくと「あ、俺は悩んでいたいだけで、行動したくないんだ」などと己の闇と直面するのでこれも要注意であります

2014-08-01 12:51:24
銅大 @bakagane

みなもと太郎先生の『風雲児たち』を読んでおりますと、幕末というのは「このままではダメだ」という危機感ばかりが高じていったため、どうすればいいのか意見がまとまらず「いいよ、俺は俺で勝手にやるから」と皆がバラバラに行動し、結果、社会がまとまりを失いガラガラ崩れていった印象があります

2014-08-01 18:00:23
銅大 @bakagane

そうやって皆が勝手にやってぐだぐだが進んだ結果「各自が勝手にやるではダメだ」ということだけは分かってきて「じゃあ、全部、徳川が悪いことにしよう!後のことは後で考えよう!」とバラバラの意識をまとめて倒幕しちゃったんだろうなー、と。意見の違いをまとめる旗印が他になかったのです

2014-08-01 18:02:17
常広浩貴 @Hirotman

@bakagane 「風雲児たち」の解説で始めて理解できた部分があります。黒船来航以来、外国人が国内のさばるは、物価は3倍になるは、巨大災害は起こるはでてんやんや、ところで幕府はいつ攘夷に踏み切るの? ラチがあかんから俺たちで外人排除したる。これには「ああそうなんだ」と膝打ち。

2014-08-02 14:10:21
常広浩貴 @Hirotman

@bakagane 幕府の思惑としては、「ひとまず開国して、外国の技術を取り入れた上で力を付けてから外国勢に対抗」というもの(明治政府と同じですね)。ただ開国ってのが朝廷にとってタブーなので、幕府側の態度がのらりくらり。「要するにに外国は敵」という暗黙の空気だけが残ったという。

2014-08-02 14:18:38
銅大 @bakagane

@Hirotman 幕府のそうしたなぁなぁな態度が、幕府への信用を失わせて倒幕につながりましたが、同時に倒幕した後の新政府がやったのも、同じ開国への道であったあたり、幕府としては「じゃあ、どないせえゆうんじゃ」な感じであります

2014-08-02 14:27:37
常広浩貴 @Hirotman

@bakagane 本当に様々な「あり得ない」が連発しますね。いくら調べても攘夷派が開国派に転じた本当の理由と何故それが可能だったのかは分かりません。あとびっくりするのは、これほどの事態なのに国を売って私腹を肥やす輩がただの1人もいなさそうなところ。いやはやヘンテコな国です。

2014-08-02 14:38:16
はいたか @HighTaka

幕末を表現するのに、当時の「瓦解」という言葉ほど的確な言葉はないような気がするのぉ

2014-08-02 14:46:37