バック・イン・ブラック #2
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは装甲を投げ捨てると、スクワッシャーの腰を掴み、強制的に180度方向転換させた!「ヤメ……グワーッ!グワ、グワーッ!?」スクワッシャーの悲鳴!おお、何たることか!彼の前部にもはやスリケンを無効化するアーマーの助けは無いというのに!「グワーッ!」49
2014-08-06 01:59:29スクワッシャーはスリケンを受けながら叫んだ。「ヤメロ!ヤメローッ!ラバーダック=サン!やめてくれーッ!」おお、ナムアミダブツ!ニンジャスレイヤーの退路を断つべく撒き散らされた火炎瓶の炎がラバーダックの視線を遮蔽してしまっている。とにかく大量のスリケンを投擲する戦術なのだ!50
2014-08-06 02:02:39「グハハハハハ!」ニンジャスレイヤーは笑った。「さよう鈍重な鎧に頼りきり、カラテを怠ったオヌシのウカツよ!ヨロイ・ニンジャ・クランのニンジャの風下にもおけぬサンシタめが……奴らはかつて、黒鉄の甲冑を身にまといながらセキバハラを馬よりも疾く駆けてみせたわ!」「アバーッ!」 51
2014-08-06 02:05:51「……何が起きている?」ラバーダックは異常を察知しスリケン投擲を止めた。水上を滑りながら、彼は炎の奥で起こっている出来事を知ろうとした。どちらにせよ、この水上距離を保っている限り、ラバーダックに負けはない。仮にスクワッシャーが敗れたとしても、この地の利があれば!「イヤーッ!」52
2014-08-06 02:10:32その時、炎の中から巨大な何かが飛んできた。人のサイズ。「ウヌッ!」ラバーダックは水上を滑り、飛来物を回避した。水飛沫を上げて水面に大の字に浮かんだのは……おお、ナムアミダブツ。「スクワッシャー=サン」ラバーダックは水上を滑りながら一瞬呆然となった。スクワッシャーは沈み始めた。53
2014-08-06 02:12:32「イヤーッ!」次の瞬間、もう一つの影が炎の中から飛び出した。「貴様は!」ラバーダックは水上を滑りながら身構えた。それは当然ニンジャスレイヤーである!赤黒の死神は沈みゆくスクワッシャーの身体に着地!そして再跳躍!「イヤーッ!」「な……」ラバーダックは目を見開く。迫る。死が。54
2014-08-06 02:15:47「アバーッ!」ラバーダックの首はニンジャスレイヤーの回転跳び蹴りを横から受け、一撃で切り離された。「サヨナラ!」ラバーダックは水上を滑りながら爆発四散した。水飛沫が間欠泉めいて夜空高く噴き上がる。「サヨナラ!」その数秒後、海中のスクワッシャーが爆発四散。間欠泉が二つになった。55
2014-08-06 02:19:58今や港湾倉庫群は燃え広がる炎に呑まれ、ゴウゴウと音を立てるアビ・インフェルノ・ジゴクの有り様である。海中から赤黒の腕が上がり、港のふちを掴んだ。それからもう一方の腕。身体を引き上げ、地上に立つ。ニンジャスレイヤーは歩き出す。したたる水は内なる火に焼かれ、見る間に蒸発してゆく。56
2014-08-06 02:23:33「よいぞ……よいぞフジキド」ニンジャスレイヤーは言った。「この凄まじき憎悪!心地よい!オヌシのしたいようにさせてやろう。殺すのだ」彼は独りごちた。「殺し、殺し、殺すのだ。その身滅ぼすまで!儂が行けるところまで連れて行ってやろう!ジゴクの果てまでな!グググ……グググハハハハ!」57
2014-08-06 02:26:01