#日刊小説　まとめ　3週間目

りんねさん @tmn15679

ちょっと日付をまたいだ上に深夜だけど、昨日の分の #日刊小説 をやっちゃいます。

りんねさん @tmn15679

64：エスティがトーマス・エルリッジの家を訪問し、エイブ・スレイニーを尋ねると、エイブは女とエスティたちを見下しているのか、横柄な態度でこう言った。 なぜお前たちがそれを知っているかわ知らんが、俺はエルシーから手を引くつもりはないぜ。 実に横柄で尊大な態度だった。 #日刊小説

りんねさん @tmn15679

65：ミスタ・スレイニー、考えても見て。 メアリはそう言ってから彼に話しかける。エルシーはキュービット氏を愛していること。従って、暴力的な手段で彼女を拐かそうとするなら、彼女は自害するか、エイブを殺すだろう、と。 もしキュービット氏を害すれば、彼女も死ぬだろう、と。 #日刊小説

りんねさん @tmn15679

66：……ふん。まあいい。それよりもどうして踊り人形の秘密がわかった。あれは世界中でも我々の仲間しか知らないはずだ…… エイブはそれが一番気になるらしく、その他の一切合財を無視してそのことを訊いてきた。 それに対しメアリは冷淡に告げる。 暗号など、いずれ解読されます。 #日刊小説

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67：ナポレオンがエジプトから持ち帰った石版を、学者達が解読したのはご存知でしょう？ あれに比べれば簡単だわ。エルシーさんが理解できるう時点で英語の可能性が高く、英語で最も多く使う文字はE。旗を持つのは単語の区切り…… メアリの解説にエイブはうなだれた。 #日刊小説

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68：まさかお前たちみたいな小娘に暗号を説かれるとは……だが、俺はあきらめんぞ！ そんな風に叫ぶエイブに、メアリは繰り返す。 あなたが強引な手段に出れば、あなたの愛しているエルシーさんは自らを害してしまうでしょう。過去に何があったとしても、彼女は結婚しているのだもの。 #日刊小説

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69：メアリが話すのは、『もうひとつのロンドン』でワトソンによってまとめられたホームズの活動記録の内容を思い出しながらのものだった。 今、あなたが諦めればみんな傷つかずにすむわ。考えなおしてくれないかしら？ そんなメアリの説得に帰ってきたのは、否定の言葉だった。 #日刊小説

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70：残念だがな、お嬢さん、それでも俺はエルシーを諦めきれないんだ。何があってもアメリカに連れて帰るぜ。 お嬢ちゃんたちはさっさとロンドンに帰りな。じゃないと…… エイブは拳銃を抜いて威嚇をする。と、突然小石が飛んできてエイブの手に命中。拳銃が手から落ちた。 #日刊小説

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71：誰だ！ 鋭い誰何の声。三人の視線の先に現れたのは、身なりの良い少年だった。 おっと、そこまでだぜおっさん。 服の仕立ては良いのに言葉遣いが汚いその少年は、明らかにエスティが飛空艇で見かけた少年だった。少年は手にスリングショットを持っている。 #日刊小説

りんねさん @tmn15679

※スリングショットは玩具のパチンコを強力にしたような狩猟などに使われる道具です。 #日刊小説

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72：へっへ……ホームズさんの睨んだ通りだったな。おいらはベイカー街遊撃隊のジョンソンってんだ、よろしくな。 少年はそう名乗りを上げながら、スリングショットに次弾の石を用意する。 ベイカー街遊撃隊とは、ホームズの協力者で、ストリートチルドレンの団体だった。 #日刊小説

りんねさん @tmn15679

ということで9ポストで昨日の分の #日刊小説 はおしまい。アキバのガンダムカフェでさんざん呑んだからしばらく頭が回らなかったんや（笑）

りんねさん @tmn15679

#日刊小説 1週間目は11500文字前後 2週間目ま9500文字前後と2000文字ほど少なくなってますね（注釈も含めてなので正確ではないけど、それでも10ポストオーバーが多かった1週目に比べるとポスト数全体が減ってる）

りんねさん @tmn15679

ええ、本日の　#日刊小説　ですが　現在外出中のため今日中に書けない可能性が高いです。なので、明日、二日分書くかもです。

りんねさん @tmn15679

ただ今帰宅しましたので #日刊小説 昨日の分と本日の分をまとめて書いてしまいます

りんねさん @tmn15679

73：ジョンソンと名乗った少年が、スリングショットを構えたままエイブを牽制する。 動くなよおっさん。次は顔面に命中させるぜ…… 少年は、牽制をしたままエスティ達に声をかけた。 姉ちゃん、早いとこそいつの銃を拾っちまいな。それか、遠くに蹴飛ばすんだ。 #日刊小説

りんねさん @tmn15679

74：その言葉に従って素早く動いたのはメアリだった。逃げ足だけならば誰にも負けないと宣言したメアリだが、その脚の速さはこの場合にも活かされた。メアリーは拳銃に素早く駆け寄ると、しゃがみこんでそれを拾い上げる。 そして、素早く立ち上がってエイブに狙いをつけた。 #日刊小説

りんねさん @tmn15679

75：チェックメイト！ メアリは、エイブを威嚇するように叫んだ。さすがのこの展開に、エイブも白旗を上げるしかないかと思われた。だが―― うおおおおおお！！ 相手が女だと思って与し易いと見たのだろう、エイブはメアリに襲いかかって拳銃を奪い取ろうとする。 #日刊小説

りんねさん @tmn15679

76：しかし次の瞬間、激しい爆発音が鳴り響いた。しかもその爆発音は、何回も連続して鳴り続ける。 エイブは思わず身をかがめ、エスティとメアリも驚いて一瞬気が抜けてしまった。 そして、付近の物陰に隠れていた子供たちが一斉に飛び出してエイブに群がったのだ。 #日刊小説

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77：子供たちに群がられた上に全身に縄を巻きつけられたエイブは完全に身動きがとれなくなり、とうとう完全に降参をしたのだった。 今のは、一体……？ エスティの問に、ジョンソンは中国って国の爆竹ってやつさ。と笑いながら答えた。そして、エイブを完全に縛り上げる。 #日刊小説

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78：さてっと、これで事件が解決したわけだけど、これでまたホームズさんは暇を持て余すんだろうなあ…… ジョンソンはそう言いつつもベイカー街遊撃隊の子どもたちにあれこれと指示を飛ばし、トーマス・エルリッジに警察を呼んでくるように依頼した。 事件だって喜んでたのになぁ…… #日刊小説

りんねさん @tmn15679

79： ねえ、あなた達はやっぱりホームズさんに言いつけられてやってきたの？ エスティがジョンソンに尋ねると、彼はそのとおりだと頷いた。 あと、悪いとは思ったけど、飛空艇の中での話も盗み聞きさせてもらって、ホームズさんに電信で知らせてあるぜ。 少年は、笑いながら言った。 #日刊小説

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80：そんな話をしているうちにノーフォーク州警察がやってきて、エイブを連行していった。ノーウィッチのマーティン警部と言う男が指揮を取り、エスティたちに事情を聴取する。 まあ、あなた方に拳銃を向けはしましたし、色々と企んではいたようですが…… マーティン警部が話しだす。 #日刊小説

りんねさん @tmn15679

81：結局のところは大した罪も犯してはいませんし、数日したら釈放ということになるでしょうね。とはいえ、彼の企図していたところは全て明るみになりましたので、もはや二度とエルシー婦人をどうにかしようなどとは思わないでしょう。 警部はそういって、一息ついた。 #日刊小説

りんねさん @tmn15679

82：と、道の向こうから馬車がやってくるのが見えた。やってきた馬車から降り立ったのはホームズとワトソンで、マーティン警部は今度は二人の応対に追われることとなった。 さて、メアリ……一応はよくやったと褒めておくよ。 ホームズは優しくメアリに語りかけるのだった。 #日刊小説