アイヌ問題の現状

札幌市議の金子快之氏による「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。せいぜいアイヌ系日本人が良いところです」というツイートを発端として、アイヌ差別に対する問題意識が高まっています。そこで、アイヌおよびニブフ文化や言語の研究を専門とされている丹菊逸治先生による、アイヌ問題の現状についての一連のツイートや関連のやりとりをまとめました。なお、丹菊先生は北海道大学アイヌ・先住民研究センターに所属されていますが、ご自身のTwitterアカウントは非公式的なものであり、これらの発言は所属機関の公式見解ではありません。
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丹菊逸治 @itangiku

アイヌ関連事業で不正経理を見つけたなら、どんどん追及すべきだと思う。無駄なハコモノをつぶしてくれるなら、それも大歓迎だ。ただ、例えば伝統文化普及の講師の日当やらは減額されすぎてみんな辞め始めてるんで、普及事業を必要だと思うんなら、そういうのをちゃんと支援して欲しいとは思う。

2014-08-17 23:53:04
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku アイヌ関連事業を回してる機関、つまり協会だの財団だのは、仕事が多すぎて事務作業が追いつかない状態。協会の事務担当って「数人」しかいないのだ。財団も事務で押し潰されてて肝心の文化事業企画の人手が足りてない。半分は道庁から来ててアイヌ文化のこと全然知らないし。

2014-08-18 00:05:00
金子快之(かねこやすゆき) @kaneko_yasuyuki

@Naakyaanishi なるほど!でもアイヌは北海道の先住民族ではないと思います。また、毎日新聞に怒られるかもしれませんが。既に石器時代に人が暮らしていたはずです。

2014-08-18 00:07:12
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 人手不足のところに事業を回しちゃうのが無駄遣い。前にも書いたけれど、本来きめ細かな指導と査定が必要。その人手がないから以前は不正の余地があった。今でもそんな人手はない。細かい指導が必要な事業を縮小、一律減額してハコモノ風のものに切り替えただけだ。本末転倒。

2014-08-18 00:10:11
poronup @poronup

@itangiku 朝から晩までゲームやったり、勤務時間に昼寝して時間をつぶして、がっぽりいい給料をもらってる出向や天下りの連中の問題は不問にされ、アイヌの「不正」とやらは細かく厳しく追及されるというこの世は、なんと不平等なことよ。

2014-08-18 00:16:46
丹菊逸治 @itangiku

.@poronup 件の議員さんたちも「ちゃんとやっている人にはお金を回したい」というわけです。じゃあ誰のどういう活動に金を出したいか、具体的に示して欲しいものです。ちょっと調べりゃテレビ局だの何だののそれこそ巨額のアイヌ関連「利権」が丸見えなのに、そこは全然不問に付されている。

2014-08-18 00:21:55
☁️ @htmdxmama

まだ言ってる…自分の働きかけが効を奏してアイヌ協会の入会が厳しくなったことは、あえて言わないようにしてるのかしら。そうすれば支持者にアイヌ叩きを続けさせられるから?

2014-08-18 00:22:23
丹菊逸治 @itangiku

アイヌ事業関連の問題点を、ほんの一部しか追及してくれないから不信感を抱くのだ。結局、貸付金問題以外では金額が大きくて強いところには手を出さず、末端のアイヌ文化活動家が関わった弱いところを叩いてるだけ。

2014-08-18 00:27:09
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 協会員資格の問題は自分たちの指摘に応じてほぼ解決されたんだから、知らないはずはない。それなのに知らんぷりして叩き続けている。変更前の状態が今でも続いているかのように叩いているのでは「叩くために叩いている」ようにしか見えない。

2014-08-18 00:34:40
丹菊逸治 @itangiku

↓ 「先住民」と石器時代とどういう関係があるんだ?この市議はそんな認識でモノを語っていたのか。不勉強にもほどがある。なんなんだ一体?

2014-08-18 00:40:26
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 呆れたので離脱します。みなさんおやすみなさい。>北海道には石器時代にすでに人がいたからアイヌは先住民ではない

2014-08-18 00:45:37
Esaman@名古屋白仮面事件救援会(なりゆき救援組合。5名中3.5名支援) }{追悼・山本夜羽}{ @Esamani

@itangiku お疲れ様でした。 「」アイヌをしている」あるいは「アイヌの話題をする」と、必ず「石器時代・縄文時代」の話が出てきます。まったく関係ないのにうざいです。 パターンとしては「好意的に原始人としてみている」とか「先住性を中和するために引き合いに出す」がおおいですね。

2014-08-18 09:42:26
丹菊逸治 @itangiku

民族とは歴史の共有、固有の言語・文化への帰属意識(大切に思う気持ち)、自意識によるというのが現在の国際的な共通理解。また、誰がその民族かは民族共同体自身が決めること。アイヌには混血や配偶者についての慣習的共通認識もあり、アイヌ協会の規定もそれを反映したものに改正されている。

2014-08-19 10:38:03
金子快之(かねこやすゆき) @kaneko_yasuyuki

ブログを更新しました。『「なぜアイヌのみ異民族扱い」故・知里眞志保・北大教授談』|kaneko-yasu.seesaa.net/article/403970…

2014-08-19 12:23:08
丹菊逸治 @itangiku

アイヌ福祉対策において、修学資金・住宅資金貸付の回収困難が生じていることは大問題だろう。世界中で似たような先住民への特別貸付の回収困難が起こっている。「貸すべきでない貸し方」をしてしまった、ということだ。回収に努めることも重要だが、制度改革も必要。

2014-08-20 00:45:17
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 現在行われているアイヌ文化支援は、「失われた文化を無理やり復活させる」ものではない。鮭の特別採捕は、かろうじて伝承されている伝統川漁を伝えるためのもの。アイヌ語だって「自分たちの言葉として聴いた記憶がある高齢者」との絆として若者が学んでいる。

2014-08-20 00:50:25
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 今のアイヌ文化支援は緊急避難的な措置であり、まだまだ見直しが必要だろう。福祉事業も「同一市町村内で民族間の経済格差がある」という生活実態調査結果にもとづくもので、格差がなくなれば当然廃止すべきものだ。だから、見直しや問題点の指摘はすべきなのだ。

2014-08-20 00:53:26
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku お互いの存在を否定してしまっては喧嘩になるばかりだ。まずはお互いの存在を認めるところから始め、それから批判すべきところは批判する。「まず相手の存在を否定し、さらに批判する」というやり方は逆ではないか。それは対立を煽るだけだ。

2014-08-20 00:58:19
丹菊逸治 @itangiku

伝統文化に触れずに育ったアイヌも多いが、彼らがアイヌ文化を学ぶのは大変なのだ。例えば妻がアイヌ刺繍をやりたい、と思い立ったとする。夫が「職場で気まずくなるから俺の退職まで待ってくれ」というケースが多い。結局年金生活に入ってから始める。年齢ゆえ上達は遅いし、投入できるお金も少ない。

2014-08-20 01:10:56
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku アイヌ民族への偏見は未だにある。伝統文化の継承にも拒否反応を示す人が大半なのだ。伝統文化の継承に興味を持っている人はいるのだが「家族に反対されて断念していた」という話をよくきく。息子や娘が独立してからようやく始められた、ということになる。

2014-08-20 01:23:20
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 札幌地下歩行空間(チカホ)の柱に飾られているアイヌ刺繍のタペストリーはいずれも、見てわかるとおり優れた作品である。あれらを悪く言う人はいないだろう。遅くなってアイヌ刺繍を始めた人々の励みとなっているだけでなく、諸事情で断念している人々を勇気づけているはずだ。

2014-08-20 01:33:49
丹菊逸治 @itangiku

北方諸民族の多くはもともと「混血」に対応した社会を持つ。外婚制社会が多く、異民族との隣接地帯では民族間結婚が継続的となるが、民族集団を保つための仕組みがいろいろあった。だからこそ、近代になってロシア人や日本人と大規模な接触が始まっても、比較的強固に民族集団を保ってきたのだ。

2014-08-20 01:53:58
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 北方諸民族の伝統的な「混血」への対応、といってもそんなに不思議なものではない。例えば、同じ父系氏族制民族間の結婚であれば、妻は自分の出自集団の庇護下にある、という共通ルールを持つ。これによって異民族の中で孤立していても安心できる。

2014-08-20 01:57:06
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku また、特定の氏族間での婚姻が継続されるシステムだから、異民族間結婚に特化した氏族ができることになる。そのため、異文化間で「うまくやる」ノウハウが蓄積される。いわば氏族全体が異文化に「慣れる」のである。

2014-08-20 02:00:23
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku そういった異民族間結婚に特化した氏族ではバイリンガルも普通であり、文化もどんどん「混ざる」ことになる。いわば民族間の「中間的なグループ」が誕生する。だが、この二重性や混交性は民族集団全体には必ずしも波及しない。

2014-08-20 02:02:53
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