茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1316回「根っこさえしっかりしていれば」

脳科学者・茂木健一郎さんの9月5日の連続ツイート。 本日は、ときどき思うこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1316回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、ときどき思うこと。

2014-09-05 07:49:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

人生が、うまく行かないと思っている方、あなたの「根っこ」はだいじょうぶですか? あなたが一本の木だとしたら、あなたは、表面に見える、葉っぱだとか、枝だとか、花が咲かないとか、そのようなことばかりに気を取られていて、土の下にある、見えない「根っこ」のことを忘れていませんか?

2014-09-05 07:50:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

『プロフェッショナル 仕事の流儀』でお目にかかった木村秋則さんは、笑顔の素敵な方だった。顔の中に太陽があるのではないかというくらい。その木村さんは、無農薬、無肥料でリンゴをつくろうとして、なかなか成功せず、困窮した。娘たちが、一つの消しゴムを切り分けて使うくらいに。

2014-09-05 07:51:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

木村秋則さんは、無農薬無肥料でリンゴをなんとか育てよう、花を咲かせようとして、リンゴの木の、「土から上」ばかりを見ていた。そこには答えがなかった。ついには死を選ぶまでに追い詰められて、登っていった山の中で、ついに答えを見つける。問題は、「土」にあったのだ。

2014-09-05 07:52:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

山の中のように、土がふかふかと、いいにおいで、やわらかくできれば、その下にあるリンゴの木の根っこも強く大きく育ち、農薬や肥料を使わなくてもリンゴはできる。木村さんは、「奇跡のリンゴ」への道を、長い苦労で勝ち取ったが、同じことは、私たちの人生でもあるのだと思う。

2014-09-05 07:53:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

たとえば、一人の子どもが「勉強をしない」という事象に対して、その場でDSを隠したり、教科書の前に座らせたりして、30分や1時間は、取り繕って勉強「させる」ことはできる。しかし、それは長続きしない。「勉強をしない」という枝葉ばかりに気を取られて、根っこを見ていないからだ。

2014-09-05 07:54:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

なぜ、勉強するのか。原体験となる、大きな感動があれば、放っておいても、そんなに勉強しないでもう寝ろと言っても、自分で勝手にやるはずだ。自然に対する好奇心だとか、社会に対する思いだとか。そのような「根っこ」を見ずに、枝葉の対症療法ばかりに終始していると、必ず伸び悩む。

2014-09-05 07:55:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

同じことは、社会人にも言えるだろう。自分はなぜ仕事がうまく行かないのか。やる気が起きないのか。今日、会社に行って、がんばってみるという「対症療法」はその場しのぎである。本当は、自分の人生という一本の木の「根っこ」にさかのぼって、そこにある原体験を再点検しなければならない。

2014-09-05 07:56:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

「根っこ」さえしっかりしていれば、多少逆風が吹いても、現実のこまごまとしたことに足をすくわれても、だいじょうぶ。逆に、「根っこ」が力強くなければ、いくら表面的な枝葉をケアしても長続きしない。自分自身の「根っこ」を見つめるためには、無意識という「土の下」と対話しなければならない。

2014-09-05 07:57:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1316回「根っこさえしっかりしていれば」のテーマで、8つのツイートをお届けしました。 #花子とアン に間に合ったぞ!

2014-09-05 07:58:37