【邪悪の樹】最終戦闘フェイズ――死の樹

『智の剣』陣営 『貪欲』(@ToEvil_yuina) 『色欲』(@VIXI_atom) 『醜悪』(@kaituls) 『不安定』(@Aiyatsbusy続きを読む
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『醜悪』カイツール @kaituls

罠でもいい。彼らがいる可能性があるのなら。縋ることを、手を伸ばすことを、厭わない。 「『貪欲』!」 声に応えるように、自身の声を張り上げた。いつになく大きな声。普段と違う声量、声の出し方に喉が悲鳴をあげる。げほげほと咳き込んで、喉に手を当てて。 「あっちか」 声のした方を見遣り。

2014-09-04 23:32:24
『醜悪』カイツール @kaituls

ゆらと頭を揺らし、双頭に預ける。声は本物だと思った、だから応えた。だが、それが高度な罠だったら。本当に罠で彼らがいなかったら。浮かんだ不安から逃れるように、双頭に身を寄せた。それでも、紫紺は声のした方を見つめて。 そんな彼を抱き、双頭のぬいぐるみは紫紺が見つめる方へ、歩み出した。

2014-09-04 23:37:45
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

彼らより少し遠く、そこで彼女は空を見上げていた。 夜空に浮かぶ星からここがどこか推測できるのではないかと考えたからだ。 屋敷にあった大量の書物のおかげでやたら知識だけはあった。 だがこの世界はやはり知識だけではどうにでもならないようだ。

2014-09-05 02:55:05
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

新月だからか、それとも元々ないからか月は見当たらずとても暗い。 大地にはひたすら先まで続く十字架の絨毯。 この下に眠る者はいるのだろうか。 ただの舞台かもしれない。でも本物かもしれない。 もし本物だとしたら…今までに仕組まれたこの戦いの犠牲者なのだろうか。

2014-09-05 02:55:30
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

考えようとして…やめた。どうせ答えなどでやしない。 静かに吹く空気は、彼女に触れると冷たい風となり、過ぎ去っていく。 ――声がした。 聞いたことのない、恐らく異性の声。 また屋敷に戻って手紙が来て――…の繰り返しだろうと推測していたが、どうやら違うらしい。

2014-09-05 02:55:59
【拒絶】アップレーヌング @Az2_abl

きっとこれが最後なのだろう。 彼女は声の方へ進むことはしない。 ただ空を見上げ、その時を待つ。

2014-09-05 02:56:11
人間《ディアドラ》 @actSkbz

この暗闇の中、少女の可愛らしいピンク色のドレスはきっと映えるだろう。目を凝らす。こほ、とまた小さく咳込む。 「え、る、っ、こほっ……エルシュナっ……!」 余り大きな声は出せなかった。それでも、きっと彼女がそこにいるのなら、返事するなり、駆け寄ってくれるなり、してくれるだろう、と。

2014-09-05 03:21:40
人間《ディアドラ》 @actSkbz

──耳を澄ます。返る声は、屋敷で聞いた、おおきな青年の。 「……ねえ、“貪欲”、いまの、こえ……」 傍にいる青年の服の裾を掴み、見上げる。 「いまの、声。“醜悪”かしら、どうかしら」 問い掛けは曖昧と。ただ、その青すぎる程に蒼い瞳は確かな輝きを宿して。

2014-09-05 03:21:42
【醜悪(ヘスリヒ)】 @Akagachi_atom

「んん…?」 どこからか響く、聞き慣れた仲間の声。それを聞いた『色欲』は眉をひくりと顰めた。 (…――先の『物質主義』は本物だった。じゃあ今度も本物?まさか、今度は『貪欲』と戦えっていうんじゃないだろうな) 廻る思考。どうしても疑いが晴れないのは性分であるから、どうしようもない。

2014-09-05 08:56:40
【醜悪(ヘスリヒ)】 @Akagachi_atom

…近くにいた『醜悪』は、既に声のした方向へと向かってしまっているようだ。 ならば、もしもの時の為に、自分も向かった方が良いだろう。 『醜悪』の様に、声はあげない。相手がもし敵だったなら、その居場所を晒してしまう事になるから。

2014-09-05 08:57:11
【醜悪(ヘスリヒ)】 @Akagachi_atom

禍罪で生み出したナイフを隠し持ち、静かに、静かに声の方へと向かう。 (…相手が本当に『貪欲』でも、攻撃してこないなんて保証はないんだ) (信じるな、信じるな) (僕を裏切らないのは、ずっと傍にいてくれるのは、子供達だけ) (…そう、『あの子』だけなんだ)

2014-09-05 08:57:56
『不安定』インスタビリテート @ToEvil_yuina

咳き込む『不安定』の背を、優しくさすってやる。名を呼ぶことは、止めはしない。『貪欲』だって呼ばずにはいられないのだから、止めるのは酷というものだ。 辺りを見回す。息を吸い、声を上げようとして。 ——……『醜悪』? 聞こえた気がした。声が、仲間の、声が。

2014-09-05 09:39:38
『不安定』インスタビリテート @ToEvil_yuina

「……ああ」 『不安定』の背に回したままの腕に少しだけ力を込め、きっと『醜悪』だ、と囁いた。勿論、敵の罠だいう可能性もある。だが、『貪欲』は信じたかった。 「此処だ!『醜悪』!」

2014-09-05 09:39:55
『不安定』インスタビリテート @ToEvil_yuina

声を張り上げ、声のした方へ目を凝らす。やがて見えてきたのは、いつものようにぬいぐるみに抱えられた『醜悪』と、その幾らか後ろを歩く『色欲』の姿。 ——……良かった。 『貪欲』は安堵に微笑を零した。

2014-09-05 09:39:59
『醜悪』カイツール @kaituls

また、だ。また、声が。 確かに近づいているのか、徐々に明瞭になっていく声に、息を吐く。どうか、どうか、彼で、彼らであってほしい。 「『貪欲』!」 叫ぶ。叫ぶ度に、喉が悲鳴をあげて、咳き込んだ。それでも、双頭は歩き続ける。 やがて、紫紺が二つの影を捉えて。目を瞬く。——彼らだ。

2014-09-05 12:30:21
『醜悪』カイツール @kaituls

「『貪欲』……!」 叫ぼうとした声は掠れていたけれど、それでも絞り出すように吐き出して。くしゃり、と顔を緩めた。 「『貪欲』、よかった、」 ある程度まで近づくと、双頭は足を止める。その腕から僅かに身を乗り出しながら、『醜悪』はただただ安堵を吐き出して。 「『不安定』も、」

2014-09-05 12:30:42
『醜悪』カイツール @kaituls

『貪欲』の傍にいる彼女に笑いかける。深呼吸一つ零して、背後を振り返った。『色欲』だ。警戒した様子の彼に目を瞬き、それでも安心して。 ——白衣が過る。ぐらりと揺れた頭を双頭に寄せ、目を瞑った。大丈夫、忘れてない。そう刻んで。 「……エル」 双眸を開く。少女を探す様に、周囲を見回す。

2014-09-05 12:33:51
【醜悪(ヘスリヒ)】 @Akagachi_atom

『醜悪』の後ろを静かに追って、薄暗がりの中から見えてきたのは二人の人影だった。 その二つの影は、確かに屋敷で見た事があるその姿で、『色欲』は静かにナイフを持つ手に力を込める。 (…彼らが少しでも『醜悪』に攻撃するような仕草を見せたら、すぐに対応できるようにしとこう)

2014-09-05 14:02:40
【醜悪(ヘスリヒ)】 @Akagachi_atom

小さく、息をついて。彼らからほんの少し離れた位置に身を置く。 軽く辺りを見回すが、少なくともすぐ近くに見える人影は他に見えなかった。 「…生き残りは、これだけかな」 『醜悪』について回っていた、あの青い目の少女の姿はない。 つまりはそういう事なのだろうと、『色欲』は呟く。

2014-09-05 14:04:00
『不安定』インスタビリテート @ToEvil_yuina

かけられる声に軽く頷き、生きていてくれて良かったと心の中だけで呟いた。そして、それと同時に、白衣を纏った姿を脳裏に思い描いて、眉間に皺を寄せる。 ——『物質主義』…叶うなら、もう一度言葉を交わしたかった。 その言葉も、心の中だけで。それは、勝った者が口にして良い言葉ではない。

2014-09-05 15:06:23
『不安定』インスタビリテート @ToEvil_yuina

『醜悪』の背後、警戒した様子の『色欲』に苦笑を浮かべる。己を疑っているであろうことはよく分かる。だが、『色欲』の判断は当然のものだ。気分を害することもなく、『貪欲』は此処にいる三人以外の気配を警戒して気を張る。 身体の底で、ぐるりと焔が廻る。体温がじわりじわりと上がる感覚。

2014-09-05 15:06:33
『不安定』インスタビリテート @ToEvil_yuina

その熱はやがて周囲の空気を揺るがすほど上がるだろう。『貪欲』は『不安定』から身体を離すと、ぐるりと視線を巡らせ。 「……生き残りは、俺らだけだろ。もし、エルシュナが生きていれば、俺らは屋敷に戻れたはずだろうからな。此処が外とも、思えねぇし」 感情を見せない声で、ハッキリと言った。

2014-09-05 15:07:16
人間《ディアドラ》 @actSkbz

「……エルシュナ、」 小さく、小さく。名を呼んで、軽く頭を振る。何かを振り切るように、息を吐いて、ぐっと飲み込む。 「“醜悪”、無事で、よかったわ」 曖昧に崩れてしまいそうな笑みを浮かべる。その後ろ、警戒した様子の仮面の男にちらと視線を向け、すぐ逸らして虚空を見つめる。

2014-09-05 15:24:50
人間《ディアドラ》 @actSkbz

「……わたしが、あったのは、“拒絶”だった、かしら。──なら、ここにいるのは、“無感動”か、“無神論”……かしら」 地につけられない足を茨が支える。眠りは自身にすら作用すれど、その自身は常と眠っているようなものだから効果はない。ただ、他に触れぬように、と。

2014-09-05 15:25:11
人間《ディアドラ》 @actSkbz

──例え、前に立ちはだかるのが嘗ての仲間とて、関係のない話だ。己は既に踏み越え、ここに在る。 辺りを見回す。蒼い茨が細く連なり、不安定の足元に渦巻く。可視化する程ではない、夜の闇に紛れてしまう、薄い蒼。 言葉なく、ゆらりと上半身を揺らした。

2014-09-05 15:25:15
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