不知火に落ち度はない その19

yamoto @yamoto

「ところで、戻したんですか。片目」 「そうな。そこは気になる」 う。 痛いところつくなよお前ら。 「戻る瀬もねーっての。とっくに終わった関係だろ」 盛大に二人からため息が漏れた。 えー。そのリアクションないわー。 #不知火に落ち度はない

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「どうせまだずるずる引っ張ってるんでしょう？」 「そうな。こいつはっきりさせるつっときながら、最後の詰め間違えるし」 おい。てめーら。 「それで今度は若い駆逐艦に手を出してると」 「けだもの野郎がいるなあ、ギンブチ」 温厚な俺でも怒りますよ。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「やーい口だけ野郎ー」 「やーい下半身直結片目ー」 モグリはともかく、ギンブチ。お前棒読みで言うな。 なんだこのクソガキおっさん２名。 「で、実際どうなん？」 「なにがだよ」 煙草に火をつけて吸い直し── 「手は出してねえのか、ぬいぬい」 #不知火に落ち度はない

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「……してねえ」 来し方何回かのムニャムニャを踏みつぶしてから、言葉を出す。 「なるほど。ヤッてねーけど、やましいことしたな」 「やはりそうでしたか」 だあああああ！！ お ま え ら ！ 「年齢的に考えてみろ、アウトだろ！」 #不知火に落ち度はない

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「アイスコーヒーとチョコパフェお持ちしましたー」 ウェイトレスの姉ちゃん、その空気読まない態度すごいわ。 「すみません。紅茶をおかわりで」 「かしこまりましたー」 カップじゃなくポットを見せるギンブチ。 こっちも空気読まないな。流石すぎる。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「そりゃアウトだけどなー。つかマドンナとずるずるしてて、あんなちっこいのに手を出してるとか、かなりアウトだけどなー」 「あいつは秘書艦。俺は提督。上司部下の関係です」 「マドンナの時も同じ事言ってませんでしたっけ？」 うっぐ。 「時間の問題か」 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「片目野郎はいつか刺されるな。派手に」 「貴方も充分刺されますけどね、モグリ」 「俺浮気するって最初から言ってるから問題ありませーん」 へらへらへら。 ある意味一番最低な事を仰るモグリ大先生。 髪の毛掴んで紅葉おろしにするぞテメェ。 #不知火に落ち度はない

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「てか、そうそう。お前５８とか１９とか８とかと仲よさげだったんじゃねえか」 「おや、貴方も艦娘に？」 「それどころじゃねーよ。ウチの面子だぞあいつら」 一応管理者としては申しておかねばなりますまい。 モグリ野郎が魚雷でぶっ飛ぶのは構わないが。 #不知火に落ち度はない

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「何？ 手出してねえけど」 「俺の前で堂々迫っておいて言うかね」 １９秒読みだったぞあれ。あと５８ぶち切れてたし。 ８はあの時黙り込んでたが、お前の裾ひっぱりっぱだったし。 「あの後３人仲良く花火見て帰ったよ。良い子達だろ、あの子ら」 ほうほう。 #不知火に落ち度はない

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「て言うか、本命誰なのよ？」 「お前じゃねーんだ。遊んで貰ってるだーけだよ」 このオッサンたちわりー。死ぬほどたちわりー。 ８、１９、５８、魚雷ぶち込むときは遠慮なく言え。 事故の線で手を打ってやる。 そのチョコパフェが、お前の最後の飯になれ。 #不知火に落ち度はない

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「そうですね。モグリは未だにマドンナの影を追ってますから」 ──はあ？ 「なんだ、ばれたか」 ──へ？ ちょ、ちょっとお前。何言ってんの？ お前そんなのめんどくせえ派じゃなかったのかい？ モグリ先生ちょっと何とか言えや。 #不知火に落ち度はない

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「な。この反応。未だに尾引いてるぞ片目野郎」 「見え見えでしたね、今の」 違います。 「さっさとより戻せば？ スッキリするだろ、周りも」 「なんだかんだで、マドンナを射止めたのは貴方ですしね」 違います。 ちゃうねん。 #不知火に落ち度はない

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「とっくに終わったつってんだろ。今あいつとは上司部下──みたいな感じだ」 「はいはい。お前の中じゃそれで終了してるんならいいんだがね」 「また中途半端に済ませてずるずるしないように」 何で息ぴったりなのお前さんら。 #不知火に落ち度はない

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「蒸し返すがモグリ。そっちこそ潜水艦娘をだな」 「ちゃんと遊んで貰ってる。ンなに心配なら監視するか？ 盗聴器つけるか？」 はむ、とチョコパフェを口にしながら平然と言うモグリ。 読めねえな、相変わらず。 インスタント彼女メーカーの称号まだ外れてねえ。 #不知火に落ち度はない

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「お前中途半端すぎなんだよ。義務って制服脱いだらどうだ？」 そしてサジをこっちに向けてくるわけで。 「義務感だけでは到底無理でしょう。貴方は独断専行型ですし」 おーおー、言ってくれるなこの鉄面皮マン。 義務が服着て歩いてるお前にいわれたかねー。 #不知火に落ち度はない

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「やめやめ、この話ここまでにしようぜ」 「いいけどな」 「いいでしょう」 よし、気まずいトーク終わり。 お前らメスゴリラ信仰強すぎだっつの。 「で──結果どうだったのよ。病院」 これは必要な会話だ。 #不知火に落ち度はない

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「俺は相変わらずだよ。義手の調整もそれなり。薬こんだけ出されてる」 パンパンに詰まった袋を見せつけられる。 薬漬けライフ一号である。 「どんだけ眠れてんだ、モグリ」 「長くて１５分。便利なんだか、そうでないんだかな」 「貴方の体質も因果ですね」 #不知火に落ち度はない

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「部下からはありがたがられてるよ。不眠番常勤だからな」 「脳味噌焼き切れてねえ？」 「お前と一緒にすんな☆」 こやつめ、はははは。 「丘にあがりゃ少しは長く寝られないもんかね」 「美女の膝枕ならいけるかもな」 はははは。こやつめ。 #不知火に落ち度はない

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「ギンブチは？」 「義足のメンテは上々。生身の頃よりだいぶん高性能ですよ」 眼鏡をくっと上げて、ドヤ顔するギンブチ。 こいつもお薬てんこ盛り派だ。 「夜中に飛び起きるの、だいぶ収まったか？」 「翔鶴のおかげで」 のろけ入りましたー。 #不知火に落ち度はない

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「何だよ秘書艦の乳に埋もれて解消か。お前の病状軽いな」 「打ち明けてからはすぐでしたよ。貴方もマドンナに相談すればいいのに」 「だーから終わった話だっつの」 ニヤニヤやめろこのクソ野郎共２匹。 それな。寧ろ悪化するからやんねーの俺。 #不知火に落ち度はない

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「それに彼女の記憶を見るというのも悪くない。ただ、他メンバーに負担をかけないようにバイアスを調整するのが難しいんです」 「変態的な脳味噌になったなギンブチ」 既に人間半分やめてんじゃね？ いや、生き残りはみんなそうかもなー。 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「何人かに負担をして貰った方がよくなんじゃね？」 「そうなんかモグリ。どうなのよそのへん」 「絶対ダメですね」 きっぱり言われる。 「翔鶴の機嫌が悪くなるので」 はい惚気キター。 おーいポップコーンねえポップコーン。 スカした眼鏡に投げるから。 #不知火に落ち度はない

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「それより最近は、寧ろ血糖値と中性脂肪の方に気を遣ってます」 「ケツで椅子磨く仕事だもんなー。お前料理できねーだろからカップ麺仲間？」 「翔鶴のご飯美味しいんですよ」 あー、空気あまーい。 マジ空気あまーい。 ギンブチ、口から砂糖吐くなよ。 #不知火に落ち度はない

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「一方モグリは男の巣で、しかも自前の料理しかないのであった。しょっぺえな」 「ばっかおめえ潜水艦面子舐めるなよ」 ほう？ どういうことだ？ 「独身男が固まれば、毎日がキッチン天国だぞ。当番制で各国料理よりどりみどりだ」 「貴方の所ならそうでしょうね」 #不知火に落ち度はない

yamoto @yamoto

「ま、それぐらいしかやることないんだけどなー」 だろうな。 他はビニ本のケツ拝んで上下運動ぐらいだろ。 海風すらない鉄の棺桶にゃ、そんな楽しみしかない。 「賭けトランプとかしないんですか、もう」 「部下が俺の参加禁止したんだよ」 正しい。 #不知火に落ち度はない