アベノミクスのめざす経済政策の真逆をゆく、労働規制緩和~「アベノミクスと雇用破壊」(田端博邦氏講演)

9月13日(土)に開催された「市民集会「労働の」規制緩和は私たちになにをもたらずのか?~えっ!?大阪が「残業代ゼロ」特区になるって?~」(主催:大阪弁護士会)における、田端博邦氏・東大名誉教授の基調講演「アベノミクスと雇用破壊」の内容連ツイのまとめです。
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徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:これは厚労省が企業からとった統計。別に総務省が各家庭からデータを取った統計があり、それでは労働時間はさらに2~300時間多い。ドイツやフランスはフルタイムでも1600時間+4~5週間のバカンス。当然のように残業するとか残業代が出ないという国は先進国の中でもない。異常。→

2014-09-14 17:47:24
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:現在の状況は異常で、アベノミクスの雇用「改革」は、この異常路線をさらに推進するもの。→

2014-09-14 17:48:08
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:派遣法改正のポイントに触れる。「業務」単位から「人」単位に。派遣労働者を入れ替えれば永遠に派遣が使える。派遣は賃金も低くボーナスもない。人件費を安く抑えることができる。会社の純経済的な観点からは、どんどん派遣を使うというインセンティブになる。→

2014-09-14 17:49:20
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:有期雇用法制は、数年前の改革で、5年の有期雇用が続いた場合に5年後に労働者は無期契約を要求でき会社は拒否できない、とされた。これが邪魔だと言われ、これを10年にしようという法律が出ている。特区も同様の考え方になる可能性がある。→

2014-09-14 17:50:06
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:ホワイトカラーエグゼンプションとは、アメリカの言葉。アメリカは労働法が極めて未成熟で法定労働時間の規定もない。唯一ある仕組みは残業代。これが1938年に規定された際に保守派の抵抗に遭い、例外規定を多く作った。それがエグゼンプション(=除外)。→

2014-09-14 17:51:36
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:ホワイトカラーエグゼンプションはホワイトカラーに労働法の適用を除外するというもの。AタイプとBタイプが提案されているが、Aタイプは労使協定で適用除外できることになっている。これが厚労省の審議会で本格審議に入った。ぜひ注目していただきたい。→

2014-09-14 17:52:51
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:もう一つは解雇規制の緩和。現在は労働契約法16条で解雇権濫用法理といって、無茶苦茶な、理由なしの解雇を禁じている。この規定のために解雇無効訴訟や労働審判が提起され、会社としては面倒なのでどうにかしようという議論。一度つぶれた話だが、また出てきている。→

2014-09-14 17:56:08
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:政府は、支持率も高く政権交代もしばらくないので、強気。この間にやりたいことをやるつもりで、集中改革期間。政府がどんな法案を出しても、国会の中で与党が圧倒的多数を占めており、ごり押しで通せる。解雇問題は非常に危険な状況。このほかにも、ジョブ型正社員の問題がある。→

2014-09-14 17:57:03
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:(まとめ)安倍政権の雇用改革がなにをもたらすか。労働者の権利や生活を守る法律の根本的否定、そして企業活動の自由と企業権力の拡大につながる。そして社会が歪になり、今まで以上の不平等社会になる。そういう観点から日本社会のあり方を考えなければならない。→

2014-09-14 17:58:12
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:これに対して、どうしていくべきか。労働条件を公正で人間的なものにすること。労働に関しては素晴らしい法律がある。法律は私たちの社会のルール。労働基準法1条1項は「労働条件は労働者が人樽に値する生活を営むための必要を充たすべき」となっている。→

2014-09-14 17:58:43
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

田端氏:次に、企業のための労働から人間のための企業・経済へ、というよ大胆な発想の転換が必要。自信を持って変えていく。そして、歴史的な視点を持つこと。労働法は憲法と同時期に作られた。日本の再出発にあたって制定されたものが否定されようとしている。そういう広い視点も必要である。以上

2014-09-14 18:00:10