【詩のレシピ13】ツイッター連詩 #pwGT組 始まりました.
慌ててわたしを広げる 降ってくるシの言葉が カラッポなわたしの器を 満たして溢れだして 所以が流されてしまう 空は尊い目をして 遮ることを拒むことはない 長い手が盗んでゆく ちいさなためいきののち 掬いとられた話の続きを 聞かせて (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 12:33:26過労死はシゴ バシャウマはシンデしまった 新しい馬は晴れたら買いに 行けばいい 洞窟や囲炉裏で 世界のはじまりの話をしようか 仔馬は親をなくして 交番に届けた 拾った人はいないと 追い払われ 空翔ける夢をみる明日は 開いた孔から漏れている (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 12:47:48歯痒さの与えた言葉が 乳歯に生え替わった あの子の耳は糸電話で指令する メビウスの帯に魅いられたあの日 誰かに伝えずにいられなくて 伝えきれず潜り込んでしまった 今となって出口なんてどうでも良い この歯茎のウズウズは 知恵熱のせいだ ( 詩のレシピ13 )#pwGT組
2014-10-03 13:06:25引力につなぎ止められた微細な存在は、球体から宙へつながるための穿孔を、欲しているのかもしれない。 <ココデ、オワリタクナイ。> 見知らぬ存在への憧憬が、解読されえない暗号を、届かぬ時空へと送り続ける。たとえ、黒い穴が待ち受けるのだとしても。 (詩のレシピ13) #pwGT組
2014-10-03 13:15:35宗教学とは矛盾を暴く作業 だから近づきなさんな 師は否定に否定を重ねた 混乱したまま土器をあらう ボクは何を暴こうとしているのか 振りだしを探す作業 地層の硬いところで アンモナイトが膝を抱いて眠っていて 起こしてはいけない気がしてきた ( 詩のレシピ13 )#pwGT組
2014-10-03 13:23:26はやく はやく どこかへいきたいのか なきながらいく せまく くらく なれないところなのか なきながらいく なきがら 撫ぜて なきながらいく (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 13:30:30サイドミラーの使い方が いつまでたっても分からないまま バックミラーだけで車を停める 広い空き地の斜め駐車は すぐに旅立つようで もう打ち棄てられたようで どちらもすこし悲しくて ひとり撓んでみる ボンネットのかたち (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 13:32:07枯れゆく木々 朽ちる草花 (調べられない、置き去りの、時間) ただ 寒くなってきたね と (季節外れの、いちご、いちえ) 見えない糸で結ばれた あなたを見つめ (かけぬ、ことばを、しまって) 白い雲は 風にささえられ 彼方へ (詩のレシピ13) #pwGT組
2014-10-03 13:37:53結いの夢はシの渡り、解ける肌の熱き息を迎え、遡行を促す。翻るは時の恥じらい、鏡面に映る揺れ、純色を問う。月の微光は十六夜の、ゆきずりの舞い。基音に触れる。色弾ける。 そのもとの なのゆえはじめ そのともの おわりにとわの いろはにかえり (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 13:48:35私の世界が終わりを迎えた。華やかなパレードが蜃気楼を目指す。見送った後、踵を返して次の終わりを探しに行く。田園風景を過ぎて、カフェラテで一息。八割方の満足が得られたら新天地の鍵を手にしている。扉を開けるかどうかは、まだ決めていない。(詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 14:11:40背中に羽根がどうしても欲しい 無い物ねだりをしてしまう もしも生まれ変わったら 空駆ける天馬になりたい 詩の中でなら何でもなれる 詩の中でなら月もかじれる 詩の中でならきみにも逢える 夢の海の中 天馬は駆けゆく (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 14:17:03皆、ドラキュラを探しに行った 固まった地面の影が 宙吊りに反転し月が揺れる 少女は一人ぼっち アレルギーで食べるものがない ドラキュラは一緒に 匂いの実を食べることにした 血の成分を調べに来た人々に ひらひら暗号を示す 外套だけが残った 鐘が鳴る (詩のレシピ13) #pwGT組
2014-10-03 14:24:55破り取られた頁 手垢のついた壁紙 細めに開いた窓 そわつくレース この中に犯人はいる 手掛かりは“シ” プロローグは雨の朝 詩人の死 吸うはずのない葉巻の残り香 蒸気船はケムを吐き サテンの夜にアガサは微笑む そして俺もいなくなる シは幸せ… (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 14:31:12御影石に腰掛けて、生前決めておいた墓碑銘をなぞる。今度こそゴール。何しろ私の身体は冷たい陶器の壺の中だ。でもなんとなく気がついている。待ち人に連れて行かれる先は、真っ赤な顔して泣いている小さなひとたちの群れ。そして、強くてニューゲームのない世界。(詩のレシピ13) #pwGT組
2014-10-03 14:43:43座敷童は畳が好きだった でも都会に行ってきた童は言っていた 都会の人も面白かったよ びっくりする人ばかりで 拝むわけでもなくて でもね 子どもたちは青い顔して何かをみていたよ 大人たちはずいぶん家にいないんだ 板張りだから少しつめたい (詩のレシピ13) #pwGT組
2014-10-03 15:20:11曇り空の系譜 手探りの柔らかさが雨を降らせる 存ぜぬ という言葉は 知ってしまえば そこに存在するのだという 逆説 どこかの 胡蝶の羽ばたきが あるいは 爆弾の衝撃波が あなたの切り揃えた前髪を 戦がせる事もある 雨があがれば 存ぜぬの内側で (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 15:49:02閉ざされた貝殻の中から ちいさな目がコロンと 雨を数えている 地面に垂直に立つ雨の足は 挫かれることなく海にたどりついたが招かれた手の主は喪われた いつか真白な球になってあなたの胸の太陽になる、わたしの夢は醒まされて空の名を呼ぶものはいない。 (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 15:54:25細い一本道を小指だけつないで丁寧に歩いた。髪から服から靴からずぶ濡れにした二人は昨日から一言も終わりの話をしなかった。 排水溝に流れる不特定多数の涙リング、 囁かれる一つの案、 (生きる?) 返事を待たずにキスをした。 (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 15:59:00手放スコトハ終ワリジャナイヨ 鳳仙花 弾けた いつまでも終わらない夏に 焦れたあなたの蹴飛ばした星が 永遠の円環を潜る (砂時計の砂は落ち続けて) 砕けた星が星を生む あなたは教えてくれた もう 足りない記憶の欠片を 埋めたりはしない (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 18:08:28触りたいが先か 触れているが先かに分かれる。 猫に出逢えば手を伸ばす。 触れずにもう触れている柔らかな毛。 好物を食べたなら浮かんでくる顔。 熱が出たら豆腐とプリン。 白を選んで着るのは空がつながっているから。 窓を眺めない間に青い鳥が横切った。 (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 18:34:54積み上げられた優しさががらがらと音を立てて崩れた。としても優しさは消えない。始まりがどちらからだったか憶えていないけれど今はどちらでもいい。雨に打たれるのがきらいで傘を手放せない。のは口実であなたがくれた傘に咲く花。手の甲が割れてくちびるが芽を出す。(詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 18:46:41とりのこされたのか とりもどしたのだろうか さらけだしている 無色透明の雨のようなただしさ 衝き破る草のただしさ 誰もいないただしさ われわれはどこへ行った? (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 19:18:37かき分けかき分け後ろから、開いた 七色の橋はいつも君から始まる 走り出す思い込みも 悪くない、手をつなげば 石の台座で待つバレリーナ ほら、オープニングだよ 雫を撒き散らしながら クスクス回るピンクの頬 瞳は消えゆく虹を追って (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 19:20:25この週末はしっかり休むことに決めた。吶喊の序だ。希望を壊す。叩き壊して出ることができたら、寂寞の雨が体を冷やさないように陽気に生きようと思う。だが敬愛する漱石先生の胃弱ばかりを受け継いでしまった。力ない叫びは届かないかもしれない。だがこの言葉は残る。(詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 19:21:26わたしのプライド、時々、完全な白い闇の中に消える。雨、晴れ、蜘蛛りの糸、見つけてくれる、保護された床は柔らかい。撫ぜたら君が染みて泣けた、頬を掠める黒髪、わたしのプライド。時々、普通な解放に戸惑う、プライド、どいて! 雷雨だった、あとは君だけ (詩のレシピ13)#pwGT組
2014-10-03 19:22:18