書評〈書物との対話〉 鈴木涼美『「AV女優」の社会学』
本当の話であれ、作り話であれ、少なくとも彼女たちが自己演出に必然性を感じているのはどうやら事実であるからだ。どちらにせよ、どんな風に自分を見せるかということに彼女たちは向き合うことを生業にしている。そして彼女たちは、異様なほどはっきりとした動機をもった姿をつくりだす。
2014-10-19 17:52:45私が彼女たちが本当に自由意志であるのか、強制労働であるのかといった空中戦の議論に興味をもてない理由もここにある。彼女たちが自由意志であること自体、業務の一角に組み込まれている」。
2014-10-19 17:53:13著者はAV業界の「キラキラ」感に惹かれていたという。「あとがき」にこう記している。「私は売春肯定宣言をする気も売春廃絶論を掲げるつもりもはなからない。ただ、売春の黒い部分ばかりをクローズアップしたり想定したりするだけでは、
2014-10-19 17:53:54私たち都心の女子たちについてはわからないんじゃないかと感じていた。私たちの生きる街の売春がややこしいのはそれが黒い部分ばかりであるからではなく、どうしようもなくピンク色だったりキラキラしていたりするからなのである。
2014-10-19 17:54:29売春にまつわる悲惨はそのキラキラであるが故の悲惨について描かれるべきだと思うし、売春を肯定する内部からの声もそのピンク色に自覚的であるべきだと思う」。
2014-10-19 17:54:51私は、これまで何人かの風俗嬢に、心理学のワークショップなどで学んだ「心理ゲーム」につきあってもらったことがある。その際、彼女たちの「動機」について積極的に尋ねたことはなかった。関心はあったが、あえて訊かないことにしていた。
2014-10-19 17:55:24私たちの社会システムが語ることを促す「動機」は、まさにそのシステムの相関物だ。私たちが内属する社会システムと、私たちが、たとえば「性を売る女性たち」に向ける眼差し自体を省察することがなければ、単に「AV女優の自分語り」をコンテンツとして消費するのと変わらない。
2014-10-19 17:56:55参照
書評:「AV女優」の社会学―なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか [著]鈴木涼美 - 水無田気流(詩人・社会学者) |BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト book.asahi.com/reviews/review… #bookasa @BOOK_asahi_com
2014-10-16 17:42:37【読書感想】「AV女優」の社会学 ☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言 (id:fujipon / @fujipon2) d.hatena.ne.jp/fujipon/201310…
2014-10-16 17:47:18【1934日目】書評:「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか(鈴木涼美・青土社) blog.peachcare.jp/?eid=1141999
2014-10-16 17:55:12なぜAV女優たちは饒舌に自らを語るのか~自身を商品化せざるを得ない女性と性産業 biz-journal.jp/2013/08/post_2… @biz_journalさんから
2014-10-16 18:12:01