死刑廃止と死刑存置の考察~死刑廃止を考える日
「死刑廃止を考える日」がこれから始まる。体調が心配されたけど,袴田巌さんもご本人が参加。nichibenren.or.jp/event/year/201…
2014-11-15 13:36:17ジュリア・ロングボトム駐日英国公使のスピーチ。英国の死刑廃止には,誤審が大きかったことを指摘。エヴァンス氏が家族を殺したとして絞首刑になったが,真犯人が後に判明した。国民の間に誤審の危険性と死刑の不可逆性が広まった。シルバーマン議員は死刑廃止法案を提出した。
2014-11-15 13:42:50エヴァンス事件
エヴァンス事件(Evans Case)は、1949年にイギリスのロンドンで起こった冤罪事件。イギリスの死刑制度廃止の発端となった。
ティモシー・ジョン・エヴァンスは、ロンドンのノッティング・ヒル、リリントン・プレースの自宅で妻と幼い娘を殺害したとして起訴された。1950年1月、公判に付され、娘の殺害で絞首刑の判決を言い渡され、処刑された。
エヴァンスは、公判中に階下の住人であるジョン・クリスティが真犯人であると訴え続けていた。エヴァンスの死刑執行から3年後、クリスティが、その集合住宅で他の多くの女性を殺害した連続殺人犯であることが判明した。クリスティは、死刑執行前にエヴァンス夫人の殺害を自白し、1966年の公式な調査により、クリスティはエヴァンスの娘も殺害したと結論づけられた。エヴァンスは冤罪の可能性が高かったとして、死後恩赦が認められた。
by wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/エヴァンス事件
A6事件
ここではとりあげられていないが、英国ではA6事件(ハンラッティ事件1961)という事件も発生している。この事件も英国の死刑廃止には大きく影響を与えた。
裁判では決定的な証拠も得られぬまま有罪となり、死刑が執行されたため、一部で冤罪との指摘もあったが、当時は出来なかった遺留品のDNA鑑定が行われ、犯人であったと断定されている。
by wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/ハンラッティ事件
英国で最後に死刑が執行されたのは1964年。翌年には,殺人罪での死刑執行が5年間停止される。69年には英国は死刑の執行停止を恒久化し,殺人罪での死刑執行を廃止した。スパイ罪,国家反逆罪などには残っていたが,1964年以降は執行されていない。
2014-11-15 13:44:50廃止後のイギリス。抑止力を示す証拠はない。2002年に英国下院で行った調査では,殺人と死刑との関係は明らかにならなかった。
2014-11-15 13:48:27EUと英国は,いかなる場合においても死刑は反対。死刑は人間の尊厳を傷つける。抑止力の証拠はない。犯した過ちは取り返すことができない。日本政府に対し,国民と率直に対話するよう働きかける。
2014-11-15 13:55:29袴田秀子さんから。巌のことがあるまで死刑については考えていなかった。巌のことがあって考えるようになった。死刑というものは恐ろしいものだと思う。死刑囚も人の子。人間。死刑制度は早いところなくなった方がいい。
2014-11-15 14:01:55袴田弁護団事務局長の小川弁護士から。再審開始決定で画期的だったのは,死刑の執行停止だけでなく,拘置の停止もしたこと。
2014-11-15 14:03:54決定の日,秀子さんは東京拘置所に行った。面会室に巌が出てきて,再審開始を伝えたところ,巌は,再審開始は嘘だ,といった。面会後,職員から話があるのでと呼ばれ,釈放の手続をすることになった。今本人が来ます,といわれた。本人が来て,釈放されたと言った。
2014-11-15 14:09:49会っていて様子が変わった。最高裁で棄却されて,死刑囚だけがいる場所に移ってから元気が無くなって静かになった。ひどいところに移ったと言っていた。ある日の面会で,駆け込んできて,昨日処刑があった。元気でといっていた,と話した。それ以後は面会で電気の話がでてきたりするようになった。
2014-11-15 14:11:17秀子さんに死刑囚の処遇について質問。曰く,面会は,大勢の人が来てみんなで話しかける方がいい。狭い部屋へ閉め込んで。いくら死ぬ人でもそれはかわいそうだ。死ぬまでは生きてる人間なのだから,人間らしく扱ってやらなければ。
2014-11-15 14:14:39検察庁は,袴田事件の即時抗告審で,静岡地検で担当していた検事を東京に移して,専従みたいにさせて,決定が出てから証拠をいっぱい集めて,昔の従業員や関係者からの話を集めてきて,そういう証拠を提出してきている。中身はないけど,20cmもある証拠が出てきている。
2014-11-15 14:22:21検察庁は,静岡地検で担当していた検事を東京に移して,専従みたいにさせて,決定が出てから証拠をいっぱい集めて,昔の従業員や関係者からの話を集めてきて,そういう証拠を提出してきている。
2014-11-15 14:23:03袴田さんの取り調べは,勾留されていた22日間,平均12時間,最大16時間40分,食事もトイレも取調室の中でさせるというひどい状態が続いていた。その間,弁護人と会えたのはたったの3回,合計37分しかできていない。それが自白を作り出し,裁判所を誤らせる原因になった。
2014-11-15 14:30:30有罪の重要な証拠とされた5点の衣類が発見されたのは事件から1年2か月も経った後に,工場の味噌のタンクから発見された。そんなことを犯人がするはずがない。でも,最初の弁護団は袴田さんのものではないと言ったが,ねつ造だとは主張しなかった。
2014-11-15 14:30:44麻袋から出された衣類の写真は白黒だった。これまで出てきていた緑のブリーフカラー写真で見るとブリーフは黒っぽい。証拠開示の結果出てきたら,黄緑色で血がついている状態までわかるもの。それを検察はずっと隠していた。
2014-11-15 14:38:02袴田事件では,警察が証拠のねつ造をし,検察官がそれを隠したことが最も大きな問題。裁判所もそれを見抜けなかった。証拠のねつ造をし,取り調べもひどいことをする。でも証人として呼ばれても嘘をつく。ねつ造の写真を,実験してできたなどと話をしている。嘘をつき続けると法廷でも嘘を突き通す。
2014-11-15 14:45:32小川弁護士:裁判所は過去に死刑が再審になって無罪になっても何も反省しなかったし,何も変えようとしなかった。袴田事件で再審になっても,何も変えなければ,また同じことが起こるのではないか。不完全な制度だ。そこで,絶対的な刑である死刑にすることが誤りだと思っている。
2014-11-15 14:48:56袴田事件が再審で無罪になって確定したら,証拠をねつ造した警察官とか,それに基づいて主張した検察官は,何らかの処分をしたりしないといけないのではないだろうか。単に間違えたのとは質が違うと思うのだけど。
2014-11-15 15:02:04パネルディスカッション。日弁連死刑廃止検討委員会事務局長の小川原弁護士から。死刑には,無実の人を執行してしまう問題がある。でも,存置派から,誤判は死刑だけでなく,すべての問題についてあるのに,誤判=死刑廃止とするのは短絡だという主張がある。
2014-11-15 15:10:50