ほしおさなえさん(@hoshio_s)の140字小説38

ほしおさなえさん(@hoshio_s)の140字小説38 その380~その389です。 (まとめ36)http://togetter.com/li/731273 (まとめ37)http://togetter.com/li/741903 続きを読む
1

ほしおさんのサイトはこちら⇒http://hoshiosanae.jimdo.com/

ほしおさんの音読サイトはこちら⇒http://hoshiosanae.tumblr.com/

ほしおさんの連歌サイトはこちら⇒http://tsuranaru.jugem.jp/

【お知らせ】 ほしおさなえさんが 11月24日(月祝) 第19回文学フリマに参加されます!

140字小説特装版も出品されます!

ほしおさなえ @hoshio_s

大槻香奈さんとのコラボだった第3期「少女は鳥になりました」特装版も、文フリでは初ですね。かみのはしこカードもまだあります!印刷は3期、4期とも九ポ堂さん。カードも25種類までいきました(いくつか欠品のものもあります)。バラでも販売しますので、ぜひお立ち寄りください!

2014-11-09 11:25:01

140字小説特装版の新作も!

ほしおさなえ @hoshio_s

140字小説活版カードも新作あります!第4期「木と草の物語」。第1期で布ケースを作ってくれたminorityさんとのコラボ第2弾。植物が出てくる物語5編+工具に見立てた活字(実物)入りの小さな布(リバティ)ケース。かわいいです!こちらはいま制作中ですので、出来次第発表しますね。

2014-11-09 11:21:25

そのほか、詩集や短編小説集まで!

ほしおさなえ @hoshio_s

まずは詩集「空にかける橋」。文庫サイズで、短い詩100編の連作。以前のサイトで「the bridge to the blue sky」というタイトルで発表してたものです。ここで作品の一部が読めます(朗読音源もあります)。 timetrain.org/btbs.html

2014-11-09 11:02:12
ほしおさなえ @hoshio_s

そして、装画は大槻香奈さん!「都市の底に沈む」シリーズのひとつを使わせていただきました(とても好きなシリーズなので、原画も購入いたしました…)。たいへん美しい表紙となっておりますよ!! pic.twitter.com/U7Ru3jhhuZ

2014-11-09 11:05:29
拡大
ほしおさなえ @hoshio_s

文庫サイズの本がもう一冊。過去の短編小説を集めた「羽ばたき」。こちらは「直径1・5メートルの眼球」とか「水爪」とか「グジグジ」とか、かつて同人誌に発表してた妙なタイトルの変な話ばかり集めたもので、正直読みたい人がいるかわかりません! pic.twitter.com/Qaeb26bB12

2014-11-09 11:13:40
拡大

webカタログはこちら。

ほしおさなえ @hoshio_s

第十九回文学フリマで【少女は鳥になりました】を頒布します! (ブース番号: D-55) くわしくはWebカタログでチェック! c.bunfree.net/p/bunfree19/23… #bunfree

2014-11-14 22:25:26
ほしおさなえ @hoshio_s

第十九回文学フリマで【空にかける橋】を頒布します! (ブース番号: D-55) くわしくはWebカタログでチェック! c.bunfree.net/p/bunfree19/23… #bunfree

2014-11-14 22:25:40
ほしおさなえ @hoshio_s

第十九回文学フリマで【羽ばたき】を頒布します! (ブース番号: D-55) くわしくはWebカタログでチェック! c.bunfree.net/p/bunfree19/23… #bunfree

2014-11-14 22:25:49

ここから140字小説です。

ほしおさなえ @hoshio_s

140字小説その380。

2014-10-22 18:33:15
ほしおさなえ @hoshio_s

町というのはどこに行ってもどっかで見たことがある気がする。どこもありきたりでどっか似てる。ありふれた商店街のそば屋でそばを食べ、おいしかったねとありふれた会話を交わす。こんなことがほんとは全部一度きりのことなのだと気づき、少し驚く。商店街のありふれた明るさに浸され、馴染んでいる。

2014-10-22 18:34:30
ほしおさなえ @hoshio_s

140字小説その381。

2014-10-27 08:51:28
ほしおさなえ @hoshio_s

風呂上がり、鏡を見る。若いころ自分の裸が嫌いだった。ぽよんとしてみっともないと思ってた。それでも結婚し、子も生まれ、もう子どもは育ち、夫は逝った。ひとり鏡を見る。たるんで小さくなった身体。やわらかい下腹の妊娠線。手術の痕。いまもこの身体といっしょにいる。死ぬまで、いっしょにいる。

2014-10-27 08:52:12
ほしおさなえ @hoshio_s

140字小説その382。

2014-10-28 20:20:03
ほしおさなえ @hoshio_s

あれが最後だったなんてちっとも気づかなかった。あのときのあなたの不思議な顔。あれはあなたのなかでわたしが消えた瞬間だったんだね。とても澄んだ目だった。とっておけるものなどなにもない。あなたもわたしもやがて消えるから、なんでも許そうと思うよ。離れることも死ぬことも、許そうと思うよ。

2014-10-28 20:21:51
ほしおさなえ @hoshio_s

140字小説その383。

2014-10-29 17:23:30
ほしおさなえ @hoshio_s

暮れる前の少しピンクがかった雲の上に、細い月が浮かんでいる。こんな色のない空の下では、みんな少しだけ迷子になる。鳥の声がする。一度この世に生まれてきちゃったから、もう帰るところはないんだよ。迷子だから泣いていいよね。大人だけど泣いていいよね。色のない空の下を踊るように歩いている。

2014-10-29 17:25:11
ほしおさなえ @hoshio_s

140字小説その384。

2014-10-31 18:57:47
ほしおさなえ @hoshio_s

君は強い人だよね。なにもかも踏みつけて歩く君を、僕はいつもぽかんと見てた。なにと戦っているんだろうと思った。きっと、君と僕は別の世界にいる。人はみんな別の世界にいるんだと思う。ときどき君がすごく弱く見えて、折れそうなつっかえ棒みたいに見えて、悲しくなる。世界なんて消えろ、と思う。

2014-10-31 18:58:56