@SteFoyLesLyonFr さんによる[イングランドの初等教育]シリーズ

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SteFoyLesLyonFr @SteFoyLesLyonFr

[イングランドの初等教育73]:4:私立校への進学。これは前述したように学校によって千差万別。学校の方針で学力徹底重視のものから、アート系、「上流階級」御用達、などいろいろ。

2010-12-01 20:55:52
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[イングランドの初等教育74]:これら以外にも宗教校、職業訓練的要素の強い公立校などなどもある。また、アカデミーステイタスと認可された自由度の大きい公立校も昨年からスタートしている。それらは上記の1から4とだぶる部分もあるので詳細は略。

2010-12-01 20:56:51
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[イングランドの初等教育75]:本題に戻れば、白人英国人の子どもたちはどこに行ってしまうのかという点。これまで書いてきたことからすれば当然だが、学力が対して高くない層が大多数を占めるようになってしまったので、第1の選択肢である「入試なし」の地元の学校に大半が行くことになる。

2010-12-01 21:03:34
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[イングランドの初等教育76]:そして経済力のある層は子どもに合った背伸びをしない私立校という選択が妥当となる。また、文化背景のちがう移民に最後までその領域を侵されていない「クラシック音楽」枠への人気が白人層には大人気である。

2010-12-01 21:08:16
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[イングランドの初等教育77]:そして近年問題とされているのが、部分選抜校の入試なし枠へのすべり込みをねらっての計画的な引越作戦。部分選抜校は学力試験で入ってきた一部の子どもたちの影響で、全般的に学力が高めで、白人居住地域にあることが多いので白人が多く雰囲気も彼らにはよい。

2010-12-01 21:14:45
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[イングランドの初等教育78]:もちろん、例外と言えないほどに他のケースも多いが、だいたいの傾向はそのような感じである。いずれにしても、しかし、それらの白人英国人の選択から見えてくるのは、自国の中学校に自由に行くことすらもままならなくなったイギリス人の姿。

2010-12-01 21:18:37
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[イングランドの初等教育79]:単純化すれば、移民を大量に受け入れることとはこのような痛みを受け入れる側は伴うということ。イギリス社会全体の問題としては、移民排斥の動きが常にあるのは周知のことだが、このような初等教育政策の1つの帰結については問題視しにくい。

2010-12-01 21:31:34
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[イングランドの初等教育80]:なぜなら、それは初等教育の領域のことであり、子どもたちのオリジンが何であれ、白人イギリス人の子どもたちの行き場所がなくなった責を、移民第2、第3世代の「イギリス人」の子どもたちに負わせられる理由などあり得ようがないからである。

2010-12-01 21:36:34
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[イングランドの初等教育81]:イギリス人の「痛み」と表現したが、実はそれは短絡的な表現である。現実的には、白人英国人たちはそれを「痛み」とはあまりとらえていないと考えるのが妥当であろう。彼らの「真っ当な」感覚は、あくまで「真っ当」であることが多い。

2010-12-01 21:40:23
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[イングランドの初等教育82]:長年の間、社会の公正と平等を追求してきたイギリスの(教育)政策は、イギリス社会に強く根付いており、初等教育現場の失政や失敗、「何だか変に見える点」など凌駕している。インド系や中国系の学力の高い子どもが増えることは社会にとって何ら損失ではないからだ。

2010-12-01 21:48:44
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[イングランドの初等教育83]:競争することの基盤には、その結果がなんであれ、勝者も敗者も人として対等であるべきという大原則がある。その本質的なポイントを(初等教育においては敗者とも言える)白人英国人たちが理解しているのである。英国社会の懐の深さはこの程度のことでは揺るがない。

2010-12-01 21:56:32
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[イングランドの初等教育84]:イラン人の話にもどる。個人的にイラン人に親近感をつよく持っている私としては、ここに至ってもイラン人たちの賢明さにあらためて驚かされる。

2010-12-01 22:06:33
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[イングランドの初等教育85]:日本と同様に「超」とも言える学歴重視社会であるイランから脱出してきている彼らは、イギリス社会の特質を理解し、うまく利用している。

2010-12-01 22:12:32
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[イングランドの初等教育86]:ロンドンのイラン人たちから子どもの教育方針のことで揺らぎを感じることはない。彼らは子どもの特質を見極め、それに合わせてイギリスの複雑な教育システムのなかに見事に適合させている。

2010-12-01 22:13:10
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[イングランドの初等教育87]:インド人や中国人がマジョリティを形成しつつあるイギリスの初等中等教育現場においても、マイノリティこの上ないイラン人は抜群の適応力をみせて実績を残している。

2010-12-01 22:17:05
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[イングランドの初等教育88]:イギリス人の経験主義的な実利性と、イラン人の結果重視の現実主義がマッチしているとまでは言わない。確実なことは巨視的にも微視的にも現実を認識することは必須だということ。私の目には多くの日本人がそれを欠いているように見える。

2010-12-01 22:40:25
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イギリスの小学校教師のローカル性には驚嘆すべきものがある。おじいさん世代も親世代も自分も、そして自分の子どももそのローカルコミュニティから出たことがない人が、そのなかで教師をしていることが圧倒的に多い。本当に地域密着なのだが、それでは済まされなくなっている。

2010-12-02 02:21:10
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ロンドンでもちょっと郊外に行けば、先生も父兄も同級生という状況はごくごく当たり前。それがイギリス国教会系の学校でもあろうものなら、教会で一緒に勉強会してパブへ行くなんてことも日常の世界。白人だけの世界はそんな感じなのだが、白人だけの世界は消滅しつつあるのが現実。

2010-12-02 02:25:40
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