【真荒】あなたのいる場所 未来編

弱虫ペダル二次創作 腐向け 真波×荒北
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ひな@復旧中 @newgibbousmoon

【真荒】あなたのいる場所 未来編 「ねえ、荒北さん、セックスしよ!」 ぶっと荒北は口にしていたベプシを吹き出す。 「うわぁ、どうしたの?」 「ど、ど、どうしたのじゃねえっ、おまっ、何言っちゃってんのぉ~っ」 荒北は動揺していた。誰が見ても動揺していた。 逆に真波は平常通りである

2014-11-26 22:50:29
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「えー、晴れて両思い。お付き合いをして半年。キスはもう手馴れたもの!と、きたら、ここはもうあとはせっ……」 最後まで言う前に、荒北の手が、真波の口を押さえる。 「おめえの口からんな単語聞きたくねええええええええっ」 「えー、荒北さんってば純情」

2014-11-26 22:52:57
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「純情じゃねえ。んな柄じゃねえっての」 「えー、オレだって男だよ、好きな人抱きたいと思うのは当然でしょ」 「……まあ、そう……じゃねえっ、てめえの好きな人ってオレってことだよな?」 「当たり前じゃない。怒るよ」 すっと真波の眼差しが、眇められる

2014-11-26 22:55:08
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「悪かった。おまえの気持ちを疑ったわけじゃねえよ」 「わかってまーす」 えへっと再び笑って、荒北の背後から抱きつく。 高校在学中に伸び続けた身長は、いまや荒北よりほんのわずか高い。 欲を言えばあと5センチくらい欲しいと思っているが贅沢はいえない。

2014-11-26 22:59:02
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon (夢みたいだよなぁ) 何が夢のよだかといえば、一番のそれは、真波が荒北の通っている洋南大学に受かったことだろう。 箱根学園に受かった時、家族は奇跡だと笑い飛ばしたが、二度目の奇跡は泣いて喜んだ。 その奇跡のおかげで、今度は二年間、一緒に過ごせる。

2014-11-26 23:05:54
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon (しかも、恋人同士だし!!) それに、真波の部屋は、荒北と同じアパートの1Fだ。ちょうど真上が荒北の部屋になる。すでに荒北の部屋に入り浸っている真波の次なる目標は、荒北の部屋の鍵をもらうことだ。もちろん、自分の鍵はとっくに押し付けてある。

2014-11-26 23:10:48
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「っていうか、おまえ、女の子大好きなんだろ?なのにオレを抱きたいの?」 「んー、別に荒北さんに抱かれる、でもいいんだけどさ。でも、荒北さん、オレを抱きたい!とか思わないでしょう?」 荒北は真波の顔をマジマジと見つめ、そして、深く溜息をつく。

2014-11-26 23:14:08
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「……そうだな」 「でも、オレはちゃんと荒北さんを抱きたいと思うの!押し倒して、背中にキスしたいし、肩甲骨のとことかすごくおいしそうだよね!」 「……おい、何かいま、ぞわってしたんだけど」 「荒北さんってば、敏感だなぁ。すっごい楽しみなんだけど」

2014-11-26 23:15:59
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「待て、おまえ、おっぱい星人だろうが!オレには胸はねえっ!」 「うん。おっきくて柔らかいおっぱいは、いいよね!それは至高でしょう!でもね、オレは大きなおっぱいよりも荒北さんが好きなわけ。ゆえに、荒北さんのならえぐれてても問題なしなんだよ」

2014-11-26 23:19:06
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「真面目な顔で冗談言ってるんじゃねえ」 「冗談じゃないよ、ほんとのことだよ。荒北さん、往生際悪いなぁ」 「あったりめえだろうが!男と寝ることなんざ考えたことねえよ!っつーか、おまえ、やり方知ってんの?」 「もちろん!ちゃんと予習したよ!」

2014-11-26 23:23:04
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「え?何で?」 よもや実地ではあるまい。というか、いくら真波であってもそんなことはやらかすまい。 「DVD。便利だよね。ネットで借りれるんだよ」 「へ、へえ」 荒北の顔色は青ざめはじめていた。 着々と外堀を埋められている事実が明らかになるからだ

2014-11-26 23:26:14
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「じゃあ、とりあえず、一緒にDVD見ましょうよ」 「おめーが参考にしたってやつ?」 「そうです」 「……わかった」 この時、荒北は自分ではかなり腹をくくったつもりでいた。 だが、それはつもりでしかなかったのだ。 「で、いい加減離れろ」 「やだ」

2014-11-26 23:31:18
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon DVDを鑑賞している間、真波は何もしてこなかった。 ただ、背後から荒北を腕の中に抱き込んでいただけだ。 そして、DVDの内容に意識をもっていかれた荒北は、そのうち真波の腕の中であることを忘れてしまった。 「……ムリ。オレ、こんなのムリ」

2014-11-26 23:36:53
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 視聴後の荒北の顔色は青ざめ、まるで幽鬼のごとき有様だった。 「ごめんね、荒北さん。途中で止めるの何だかなと思ってそのまま見ちゃったけど、これ、騎上位だから。騎上位は上級コースなんだ」 「……なにそれ、上級とか中級とかあるわけ?」 「うん」

2014-11-26 23:42:20
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 真波はにこにこ笑顔を崩さない。 抱きたいのは本当だが、がっつくつもりはない。 (怖がらせたくないし、イヤなものだとも思って欲しくないし) これまで待ったのだ、多少時間がかかったとことで、おつきあいするまでにかかった2年間ほどではあるまい。

2014-11-26 23:45:07
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon 「言っとくけど、待つ気はあるけど、絶対に諦めないからね」 「……おう」 荒北は、小さくうなづいた。 そして、再び、覚悟を決めるかのように大きく呼吸を一つした。 「ねえ、大好きだよ、荒北さん」 「知ってるよ、バァカ」 荒北は憎まれ口を叩く。

2014-11-26 23:49:18
ひな@復旧中 @newgibbousmoon

@newgibbousmoon けれど、真波の耳は、ちゃんと荒北が言葉にしない『オレもだよ』という言葉の裏を聞きとめた。 そして、真波は小さく笑って、腕の中の荒北の赤く染まった首筋に顔をうずめた。

2014-11-26 23:51:29