今日は何の日?チタンの元素学!

12月25日はクリスマスよりチタンでしょ!チタンでしょ!!! チタンについて語りました。
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元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

@Yaadon77 え、そうなの?私の読んだ本(『スプーンと元素周期表』サム・キーン著)によると、特に人工関節ではチタン球関節に造骨細胞が直に張り付いていた様子が描かれていて、ウレタンを挟んでいるという記述はないんだけど……あとウレタンやステンレスは拒絶反応はないのかしら?

2014-12-25 17:50:36
やーどん @Yaadon77

@gensogaku 人工関節等の体内に埋め込む金属は、仰るとおりチタン製が使われているはずです。しかし、義手義足は四肢を切断した場合に断端部(体外)に補装具(FRP製が主)として装着するものですから皮膚と補装具の間にウレタンやシリコン等の緩衝材が必要となるのです。

2014-12-25 18:45:45
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

@Yaadon77 ふむ、なるほど。ということは、義手義足に使われるチタンは別に生体適応性をかわれて利用されているわけではなく、別の理由があると考えるべきなのね。人工関節と義手義足、利用が似ているから同じだと思っていたけど……ご指摘ありがとうございます。勉強になりました!

2014-12-25 19:46:00
やーどん @Yaadon77

@gensogaku とんでもないです。義手義足にチタンを使う場合、その目的は軽量化と高剛性化につきます。高コストになるため一般に使われることはないですが、陸上競技用義足では可能な限り軽くしたいのでドライカーボンと併せて使われていると聞きます

2014-12-25 20:19:51

チタンと光触媒

地震たん @jishin_tan

@gensogaku 私はチタンと言えば真っ先に光触媒を思い浮かべるわ

2014-12-25 01:18:40
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

チタンの有用性として顕著な性質のひとつ。それが「光触媒性能」。二酸化チタンがダントツで有名ね。

2014-12-25 01:32:06
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

光触媒というのは、たとえば水の中に二酸化チタンを放り込む。で、そこに光を当てる。すると、なんと水が勝手に水素ガスと酸素ガスに分解していくの!光」を利用して、水→水素+酸素の反応を促進する「触媒」の機能を果たす。これが「光触媒」ね。

2014-12-25 01:35:13
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

ちなみにチタンの光触媒効果を「本多・藤嶋効果」といいます。発見したのは日本人なのね。

2014-12-25 01:35:41
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

二酸化チタンは地球上にありふれている。だからこの二酸化チタンを利用したケミストリーはすごく効果的なの。加えて、熱分解か電気分解が必要だった水の分解を無尽蔵にある光を使って達成できるというのはかなり画期的でユニークよね。素晴らしい業績よ。

2014-12-25 01:38:02

すごいぞ酸化チタン!

元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

「チタン」という金属元素がすごいというのはもちろんなんだけど、この「酸化チタン」という酸化物がまたすごいのよね。 たとえば顔料。白色の絵の具はチタンを含んでいるものがあるわ。チタンホワイト、というものね。

2014-12-25 01:41:01
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

「生体免疫にかからない」と「光触媒性質」を組み合わせるとできるのが「日焼けどめ」ね。肌に塗っても無害、かつ紫外線を酸化チタンが吸収してくれる(光触媒能による)からこうした利用ができるのね。どう?チタン、すごいでしょ?

2014-12-25 01:44:12
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

酸化チタンは優秀すぎて書く事が無限にあるけれど……私が特に面白いと思ったのは、「酸化チタンは広辞苑に使われている」っていうものね。一見「どういうこと!?」って思うでしょう?

2014-12-25 01:48:44
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

酸化チタンが何に使われているかというと、紙に添加することで「透け」を防止できの。広辞苑って、すごく厚いでしょう?そして一ページもすごく薄い。薄いってことは裏が透けやすいってことでしょ?でも辞書で裏が透けたら読みにくい。こうした問題を、酸化チタンで解決してるの。面白い用途ね♪

2014-12-25 01:51:13

チタン史概論

元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

酸化チタンというのは地球上にありふれている、というのはさっきちらっと言ったかもしれないわね。じつはチタンはクラーク数が10位なの。要するに、全元素で10番目に地殻に多く含まれている。地球上で珍しい元素ってわけじゃないってことね。

2014-12-25 02:04:57
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

ただ「チタン単体」というと話は変わってくる。地殻に含まれているチタンは全て酸化チタンまたはそれに準ずる化合物の状態で埋蔵されているの。だからチタン単体の発見は歴史的にもかなり遅れていたわ。

2014-12-25 02:06:29
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

チタン発見史は複雑よ。最初に見つけたのは本日お誕生日(大事なこと!)のグレゴールで1790年発見。ただしこの時発見した物質はチタンの単体ではなく酸化チタンで、発見というよりは「新元素であることを特定した」という感じなの。何かを「新しいもの」と突き止めるだけでも、実際十分すごいね。

2014-12-25 02:09:11
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

実はグレゴールって化学者じゃないのよね。鉱物マニアの牧師さん。だから彼の研究はあまり大々的にはなされなかったの。それもあって、実はチタンを「チタン」と命名したのはグレゴールじゃないのよね。発見者と命名者が食い違う、面倒な例の一つよ。

2014-12-25 02:14:53
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

チタンの命名者はクラップロートという人。元素学史上では有名な人ね。彼は「土中深くに存在する大いなる元素、私はそれを掘り当てた」という意識から、ギリシア神話で地中に追放された神「タイタン(ティタン、とも)」から「チタン」と命名したわ。

2014-12-25 02:20:50
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

さて、面倒なのかここからよ。じつはクラップロート、チタンを独自の手法で探し当てはしたけれど、その形状はグレゴールと大差ない二酸化チタンだったの。

2014-12-25 02:23:33
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

チタンの単離って恐ろしく難しいのよ。難しい理由は、ほとんどの金属は高熱環境に放り込むなりしたら勝手に還元していくけどチタンは逆に活性化していくため還元できなかったから。従来の還元テクが通用しなかったのね。なので純度の高いチタンはなかなか手に入らなかった。

2014-12-25 02:24:47
元素学たん@イヤリング販売中 @gensogaku

歴史上初めて有意な純度のチタンを得たのはハンターという人物。彼の「ハンター法」という分離方法ね。ハンター法を確立して純度99.9%のチタンを手に入れたのは1910年のこと。チタンの発見は1780年だから、130年もかかってる。時間かかってるわね。それぐらい難しいのよ。

2014-12-25 02:28:01